遺品 スマホとノートパソコンの場合
死後事務委任契約をした女性のお話です。
スマホ
彼女とは病室のベッドにいても、ぎりぎりまでスマホを使ってやり取りをしていました。お亡くなりになった後、スマホについては次のような流れを取りました。
関係者連絡
各サービスアカウントの削除
アプリ削除
携帯会社の解約
初期化
1、関係者連絡
ご親族やご友人宛に「それぞれメッセージとともに連絡してほしい」というご希望がありました。
中には、1週間後に知らせてほしいというものもありました。
メッセージがある場所とその宛先を確認し、時期を見計らってLINEやSMS等でお知らせしました。
2、各サービスアカウントの削除
多くはご自分で削除していました。
とはいえ、LINEや楽天など、直接もしくは紐づいたサービスを使うため、削除できないものも少なからず残っていました。
「IDとパスワードを伝えるので全て削除してほしい」
ご依頼に沿って対応しました。
ただ、多くのサービスでこの削除サイトを見つけるのに苦労しました。
3、アプリの削除
サービスアカウントの削除後、アプリを削除しました。
スマホの画面は携帯会社のものと、いくつか消せないアプリが残っただけです。
4、携帯会社の解約
これが大変なのです。
親族以外の解約は、まだまだ壁が高いと感じています。
(過去には放置を提案されたこともあります…)
過去の経験から、死後事務委任契約書に「携帯電話の解約」と明記しました。
ひとまず店頭で「死亡による解約」「私は死後事務委任契約の受任者」と伝え、本部ととのやり取りを待ち、必要書類を確認。
支払いの希望も伝えました。
今回は早々に預金口座を止めましたので
引き落としできなかった代金、その後解約までの代金、端末代の未払い分がありました。
「後ほど郵便で送りますので、その用紙でお支払いください」
「いや、郵便はもう届きませんので、支払いをさせてほしい」
・・・・・
本部とのやり取りと担当者の尽力もあり
結果的に全ての精算をしていただけました!
(どうやら外国の方の帰国に伴う精算処理を適用した模様)
親族ならば、親族宛に郵送して…ということが多いのだそう。
ただ、認知症などで対応できない、距離的に無理、関わりたくないという親族もいます。
そもそも、親族がいないという方も増えています。
過去には遠方のご親族に依頼し、解約してもらったこともあります。
5、初期化
この方はIPHONEでした。
携帯会社の解約後、WIFIを使って初期化を済ませました。
ここまではお世話になっているITの専門家のアドバイスと
本を参考に進めました。
次にパソコン…
パソコン
ハードディスクを金槌で叩いて壊せばいいでしょ。
というアドバイスを多々頂きました。
しかし、「今はそんな時代じゃありません」
データ削除
回収処理
1,データ削除
今回の女性は、あらゆるIDとパスワードを私に渡してくれていたとは言え、
やはり費用(3,000円)をかけて処理していただくことにしました。
先の専門家のアドバイも頂き、リネットジャパンのサービスを使いました。
選んだ理由は障害のある方の雇用を生み出し、関係団体への寄付も行われているということ。彼女の意向にも沿うものと思ったのです。
2,回収処理
準備
依頼
ダンボール
回収
データ削除証明
処理完了
回収時にはスマホも一緒に箱に詰めました。
依頼をしたのは7月19日、回収は25日、データ消去も依頼し処理完了は8月9日でした。進捗を随時確認できることもありがたかったです。
思ったこと
色々なものをきちんと管理していた女性でした。
IT関係は疎い私は一抹の不安がありました…が
「山田さんなら大丈夫、よろしくね」
とのこして逝ってしまいました。
この状況を彼女は認めてくれるかな…彼女ならどう選択するかな
と思いながら進めることもありました。
残った紙の書類は、可能な限りシュレッダー処分をしました。
データ上にある情報は何処まで可能なのか、私にはまだわかりません。
現段階で可能な限りの対応をしたつもりです。
これから先は、追うことができない情報が増え続けるのでしょうか。
WEB3の世界になるとIDやパスワードは不要になるとも耳にしました。
それはラク!なのかな? それ以上にどうやって見分けるのか不思議です。
最近、私はメタバースの中での勉強会に参加してみました。
私のアバターもこの先亡くなったら削除しなければならないのか…苦笑