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ポスト・トゥルース時代の情報開示(ディスクロージャー)について
UAP情報開示(ディスクロージャー)に対する考え方について、なかなか啓発的なポストがあったので紹介しておきたい。
This keeps coming up in my mind.
— Lester Nare (@lesternare) January 22, 2025
Catastrophic disclosure doesn’t exist. It never did.
It’s a relic of 20th-century thinking—the idea that a single event, leak, or revelation could “break through” and force global consensus. But in today’s fragmented, post-truth reality, there…
私は心の中で何度もこう思い返す。
壊滅的な開示(カタストロフィック・ディスクロージャー)は存在しない。これまでも存在しなかった。
たった一つの出来事、情報漏洩(リーク)、暴露が「突破口を開き」、世界的な合意を強制できるという考えは、20 世紀の考え方の遺物である。今日の断片化されたポスト・トゥルース(真実)の現実世界では、合意形成の唯一の地点はもはや存在しない。
情報だけでは「オヴァートンの窓」(Overton Window、多くの人に尊重すべきのものとして受け入れられる政治的な考え方の範囲のこと)は動くことはない。それを動かすのは、物語(ナラティブ)のコントロールによってである。
「制御された開示(コントロールド・ディスクロージャー)」という概念は、政府が徐々に国民を非人間的知性(NHI、Non Human Intelligence)の現実に慣れさせることができると想定しているのに対し、「壊滅的な開示」は否定できない出来事が認識を強制すると想定している。しかし、どちらの考えも、社会が情報を処理する方法についての時代遅れのモデル、つまり中央権力が現実を決定づけることができるというモデルに基づいている。
そのような世界は消え去った。
代わりに、私たちは、絶え間ない情報開示の紛争状態に生きている。つまり、リーク、内部告発、暴露が少しずつ流れてくるが、決して完全な合意には至らない。その理由は次のとおりだ。
• それを検証できる唯一の信頼できる機関は存在しない。
• あらゆる証拠はイデオロギー党派によって即座に武器として利用される。
• 現象自体が複雑すぎて、理解しやすい真実としてまとめることができない。
たとえ非人間知性(NHI)が直接現れたとしても、その反応は普遍的ではなく、イデオロギー、宗教、地政学的な線に沿って分裂されたものとなるだろう。世界はもはや一緒に「目覚める」ことはないのだ。
だからこそ、「開示(ディスクロージャー)」という言葉は、今起きていることを表すのにあまり適切ではない。重要なのは、開示ではなく合意なのだ。
なぜなら、本当の進歩は、一つの啓示的な瞬間から生まれるのではなく、偏見を減らし、科学的正当性を高め、政治的意志を強化する、持続的で信頼できる情報の流れから生まれるからだ。
壊滅的な開示は起こり得ない。しかし、合意形成は可能である。
「壊滅的な開示」にリアリティがないとすれば、開示は重要ではないということだろうか? そうではない。それは、前進するための本当の道は瞬間ではなく、プロセスであることを意味する。
ディスクロージャーとディスカバリー(発見)は共生関係にある。政府の透明性が高まれば、偏見が減り、科学研究への資金提供が増加し、正当性が強化され、さらなる透明性を高める政治的余地が生まれる。
それはイベントではなくサイクルなのだ。
* * *
(私見):
フェイクニュースやAIによるフェイク画像が横行し、政治指導者が事実に反することを堂々と公言するような世界にあっては、単純なディスクロージャーというものはあり得ない。
例えばトランプ大統領がテレビ演説で「We are not alone」と発表したとして、それでディスクロージャーが完了という単純な話ではない。
ホワイトハウスにUFOが着陸して、宇宙人(エイリアン、今でいうNHI)が降りてきたとして、それで全人類が存在を認めるという単純な話でもない。
今年に入ってUAP機密プログラムの内部告発や情報漏洩が相次いでおり、今後も起こり続けるだろうが、それは新しい論争を生み出すことになるだけで、短期的に決着がつくことはないだろう。
最終的に人類がNHIの現実を認識するためには集団的な合意形成のプロセスを経るしかなく、それは一朝一夕で成し遂げられるものではない。
だがそのプロセスがすでに始まっていることには疑いがないように思える。