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インゴ・スワン「ストレンジ・ストーリー」(7)
第 2 章 最も不気味な遭遇
木星探査から約 2 年後の1975 年 2 月下旬、ワシントン D.C. で働く政府高官から電話がかかってきた。
私は社交の場で彼と会ったことがあり、彼は超能力研究に深い関心を持っていたため、私たちはかなり楽しい会話を交わした。
私は彼を尊敬していた。彼は自分の変わった興味について率直で、ワシントンの迷路で高い評判を傷つける可能性がある「世論」と呼ばれる巨大な川の表面の流れに逆らって泳ぐ勇気を持っていた。
だが、私へのこの電話では、私の友人はあまり率直な態度ではなかった。記憶によればそれはこんな会話だった。
「アクセルロッド氏という人物があなたに電話します」と彼は言った。
「もしそれができるなら、彼が求めることは何でもやってみて、あなた自身は何も質問しないでください」
少し間を置いて、私は尋ねた。
「ところで、アクセルロッド氏とは誰ですか?」
電話の向う側がしばらく無音になった。そして、
「私自身も知らないので、あなたには言えません。でも、彼の要求に従うことに同意していただくことは、とても重要で、非常に緊急なのです」
「これ以上は何も言えませんので、お願いはしないでください。彼の要求に従ってください。あなたがそうするか否かに関わらず、私はこの会話について二度と言及しません。友情の証として、この件について私に決して言及しないようお願いしなければなりません」
その後、友人は私の様子をちょっと気にかけてくれた後、電話を切った。
彼との会話はいつも陽気なものだったが、今回のはちょっと堅苦しい感じだった。しかしそれ以外は、この種のことは私のPSI研究のキャリアにおいて全く珍しいことではなかった。
多くの人が私に近づいてきた。匿名を希望する人もいれば、偽名を使う人もいた。警察の使者や、難事件について情報を求める刑事、研究が中断した科学者、貴重な絵画を紛失した有名な美術館の館長など。
絶望的な人々は、霊能者に相談するなどの絶望的な行動を取る。予言者とのやり取りが記録されている大統領もいる。
このややオープンとは言えないやり方から、私を興奮させた、気が遠くなるような一連の出来事が始まった。一方で、私はその電話に驚かされたが、まるで自分が突然、どちらも現実とは思えない二つの現実の間に立っていることに気づいたかのように身震いした。