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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(65)

クリーヴ・バックスターが私に連絡を取るように勧めたと伝えた後、私はハロルド・パソフ博士に次のような手紙を書いた。

「私はここ数か月、2つの方向で研究してきました。1つはアメリカ心霊研究協会で超感覚的な視覚能力を高めること、もう1つはシティ・カレッジでガートルード・シュマイドラー博士と特定のサイコトロニック効果とサイコキネティック効果について研究することです。」

「超常現象において感覚データ入力の外部の視野は確かに存在することを私はすでに確信していますが、視点と次元の領域は知覚過負荷のために乱雑になっており、物理的な宇宙そのもののように見える黒い粒子が充満しています。」

「問題は、目を使わずに粒子と特定の波長を区別することです。その時点で、特定の知覚効果が発生し始めました。」

「しかし、まだ考慮されていない変数がかなりあります。これらの可能性について議論することに興味があるかどうか、あなたに尋ねたいのです。」

バックスターもパソフも私に何も言わなかったが、パソフがクリーヴに電話をかけ、私と私の実績について話し合ったことは確かだ。彼がオシス、シュマイドラー、エーレンワルドに私について尋ねたことは確かだ。彼らに宛てた手紙のコピーを持っているからだ。

結局、パソフは返事を書かなかった。その代わり、ある日の午後に電話が鳴った。「もしもし、ハル・パソフです。インゴ・スワンさんはいらっしゃいますか?」

私がすぐれた「超能力者」だったら、その時点で状況が急展開してまったく新しい方向に向かう様子が見えたかもしれない。

しかし、当時私は少し気が散っていた。パソフへの手紙と彼の電話の間に、ASPR での2つの嵐のうち最大の嵐が始まったからだ。

最初は、この嵐を乗り切るのは無理だと思われた。そして、このスキャンダルが広まったら、誰も私に関心を持たなくなるだろうし、ましてやスタンフォード研究所の尊敬すべき物理学者が私に興味を示すことはなくなるだろうと確信した。

あらゆる組織内のスキャンダルと同様に、ASPR でのこのスキャンダルは、由緒ある ASPR で長い間、埃まみれの絨毯の下に隠されてきた。

しかし、これはリモートビューイングの形成史にとって重要なものだ。だから私は今、このスキャンダルを掘り起こし、後世のために苦痛を伴いながら再現するつもりだ。つまり、このスキャンダルから生じた怒りと憎しみの再燃を私が乗り越えられるならば、ということであるが。

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