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インゴ・スワン「ストレンジ・ストーリー」(6)

私にとって、木星の実験は、いくつかの理由で実験への意欲減退を治癒する効果があった。

まず、木星への「観光旅行」は素晴らしい体験だった。これは長年にわたって刺激的な印象を残す、一種の深遠な美的体験だった。

また、1973 年 9 月には科学的な発表という形で確認のフィードバックが入り始め、噂話は冷淡な嘲笑から熱を帯びるものに変わった。多くの著名人が SRI に昼食にやって来て、その可能性について理解を深めるようになった。

さらに別の点として、CIA は当然ながら超能力スパイの可能性に興味を持っていた。惑星実験はCIAの資金提供期間内には行われなかったが、SRI のプロジェクトは今や熱意をもって正しい方向に進んでいるように見えた。

木星探査は広くメディアで取り上げられた(もちろん科学雑誌ではない)。科学が伝統的に超心理学を見てきたのとほぼ同じように科学を見るタイプの人々がいる。

ここで、そうでなければ見落とされるかもしれない、そしてむしろ都合よく見落とされる、多くの超能力者の主張や態度に関する側面について言及したいと思う。これはいわゆる「正のフィードバック・ループ」の問題に関係している。

これが何かを理解するのは難しいことではない。一言で言えば、何らかの形による検証である。

「超能力者」がこうこうと言った後、言われたことのリアルタイムの事実を裏付ける何らかの確固たる証拠を探す必要がある。

木星実験は、予想されたフィードバック・ループに反して設計された。フィードバックは、惑星へ飛行する NASA の探査機によって地球にテレメータで送信される情報の形で行われた。

惑星間スパイの可能性に積極的に興味を持っている人たちの中には、極秘のグループがいた。それは単に極秘プロジェクトというだけでなく、完全に「目に見えないプロジェクト」とも言える。

1975 年の初めに私が出会ったのは、このグループだった。

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