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「『地球外生命体』のミイラは偽物 ペルー政府見解」との報道について

以下のようなニュースが世界中で報道され、日本でもヤフーニュースはじめ大きく扱われている。

【AFP=時事】ペルー文化省などはこのほど、同国南部で発見された「地球外生命体」のミイラとされるものについて、偽物との見解を明らかにした。首都リマで行われた記者会見では、3か月に及ぶ調査で検察がまとめた法医学報告書が示されたほか、ミイラの一部とされるもののエックス線画像なども提示され、法医学専門家が説明を行った。
問題のミイラとされるもの2体は昨年9月、「人類ではない」生物の遺体としてメキシコ議会で公開された。メキシコのジャーナリスト、ハイメ・マウサン(Jaime Maussan)氏が2017年に発見したとされていた。
文化省はこの2体について、ナスカ(Nazca)の地上絵で知られるナスカ文明期のものと説明されているが、でっち上げだと述べた。

別に陰謀論を唱えるわけではないが、このニュースは、一種のdisinformationであり、著しく公正を欠くものと言わざるを得ない。

そもそも、ペルー文化省が検査したとされる「ミイラ」は、クスコのイカ大学で分析されたものと同じかどうか明らかではない。

ペルー法医学研究所の考古学者フラビオ・エストラーダは、この点を記者会見で尋ねられると、怒って取り乱す様子を見せた。

ペルー文化省が「昨年ペルー国際空港で押収された」「偽物の人形」とするものとメキシコで提示された標本は写真から明らかに別物である。
左側は彼らが分析した標本、右側はメキシコで提示された標本。

現在メキシコにあるミイラに関しては、ペルーとメキシコの数十人の専門家から本物であるとの分析結果が発表されており、他の機関による分析は行われていない。

ペルー文化省は、ICA大学による調査によってその真正性を裏付ける科学的証拠が結論付けられたにもかかわらず、「新たな人形をでっち上げ」てでもナスカで発見されたすべての「ミイラ」の真正性を否定しようとやっきになっているようである。

そこにメキシコ政府への対抗意識のようなものが働いているのか、はたまた「アメリカからの圧力」でもあったのかは分からないが、大手メディアがろくに裏も取らずに(メキシコ当局の見解を尋ねもせず)ペルー文化省の記者会見のみを一方的に垂れ流すのは呆れた事態である。UFOや宇宙人の報道なら反対意見に配慮する必要はないという甘えでもあるのか。

デヴィッド・グルーシュやICIGのUAPブリーフィングについては一言も伝えずまともに取り上げようともしないメディアが、このようなネガティブな報道だけは嬉々として大きく報じる様子を見ていると、「UFOタブー」がまだまだ頑強にメディアに巣食っていることがよくわかる。

1.15追記:
ロイターから以下の記事が出たが、シレっと既出報道を訂正した最後の部分が重要。

[リマ 12日 ロイター] - ペルーの法医学研究所などは12日、同国で発見されたとして昨年話題になった「宇宙人のミイラ」について、科学的分析の結果、地球外由来ではないという見解を示した。
「ミイラ」は2体で、昨年10月にリマの空港にある物流大手DHLの事務所のダンボール箱から発見。アンデスの伝統衣装を身にまとっており、一部のメディアは宇宙人の可能性があると報じていた。
考古学者のフラビオ・エストラーダ氏はリマで行った文化省の記者会見で、2つの標本が人間と動物の両方の部分から作られた可能性が高いと指摘し、地球外生命体ではなく「完全に作り話」と明言した。
また、ペルーのナスカ地方で発見されたという別の3本指のミイラとされるものも分析されたが、専門家は宇宙人との関連性を否定した。
メキシコ議会の公聴会でも9月、細長い頭部と3本指を持った2体の小さなミイラが地球外生命体の遺体として取り上げられ、話題になっていた。専門家はペルーとメキシコの「ミイラ」に関連があるかどうかには触れていない。

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