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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(100)

まず、装置はコンクリートに埋められているため、誰もそれに手を加える機会はない。クォーク検出器とその中の磁力計は、大型電磁石によるテストを受けており、シールドされた部分には信号は誘導されていなかった。私たちが到着する前に、シールドされたチャンバー内には減衰磁場が設定されていた。時間の経過とともに徐々に減衰していくその安定的な減衰は、X-Y レコーダーに正弦波出力として記録されるバックグラウンド・キャリブレーション信号を提供し、正弦波の周波数はキャリブレーション・フィールドの減衰率に対応していた。

さらに、このシステムは私たちが到着する 1 時間ほど前から稼働していたが、正弦波に「ノイズ」は現れなかった。この機器のクォーク検出機能は動作していなかったため、実験はさまざまなシールドの奥深くに収納された動作中の磁力計にのみ関係する。

パソフの説明によると、磁力計の磁場に影響を及ぼすとその効果の証拠は出力正弦波記録の変化として現れるとのことだった。これは一定のリズムで波線を描いてゆっくりと上下に動いている正弦波の何らかの変化として見られるのだろう。

私は腹を立てたが、8 人の目撃者がいるこの実験を途中で放棄するほど分別を失ってはいなかった。

これは超心理学ではなく、科学であり、目撃者がいた。そして私の場合、実験に必要な人以外に目撃者がいたのはこれが初めてだった。

私はいつも超心理学の実験に挑戦したいと思っていた。そのような実験では、成功の確率は50/50なので、試さない理由はなかった。たとえ失敗しても、いつでももう一度試すことができるのだ。

しかし、この磁力計の場合、失敗すれば終わりだった。科学はそもそも超心理学や超能力的なものを望んでいない。

私は立ち去ることができた。そして、失敗するか成功するかは決してわからない。

振り返ってみると、これは挑戦だったと言えるだろう。そして確かにひどい挑戦であった。「やって失敗すれば地獄に落ちる」あるいは「やってみなければ地獄に落ちる」という類の挑戦だ。

この後には、もっとひどい(そしてはるかに劇的な)「挑戦」がやってくることになる。振り返ってみると、このときに一か八かの覚悟をしてよかったと思う。バリアン・ホールでの経験がそのことを私に教えてくれた。

パソフは冷酷な人ではない。しかし彼は私を窮地に追い込んだ。彼は、何かを発見するために、わざとそうしたのだ。

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