忍者入試、合格の術は 三重大院で世界初、3人が受験


 三重大大学院で忍者を専門に研究する人文社会科学研究科の専門科目「忍者・忍術学」の初めての入学試験が3日、三重大(津市)であり、男性3人が受験した。忍者を学んで修士号を取得できる。忍者研究の専門科目の設置と入試は大学、大学院を通じて世界初という。
 試験は筆記(忍者・忍術学、小論文)と面接。語句説明では、忍者を題材にしたSF作品「ニンジャスレイヤー」や忍術書「正忍(しょうにん)記」、木の葉隠れなど追っ手から身を隠す「隠形(おんぎょう)の術」、有名忍者映画に数多く出演した俳優「二代目尾上(おのえ)松之助」、旧日本陸軍の忍者指導者「藤田西湖(せいこ)」などが出された。
 忍術書「万川集海」の資料を読み解く力を問う問題や、伊賀忍者が登場する司馬遼太郎の小説「梟(ふくろう)の城」の一部を文章で示し、作者と作品名を問う問題などもあった。
 受験生の一人で、日本文化紹介のウェブサイトを運営する東京都世田谷区の男性(26)は、忍者の衣装を着込んで受験。面接前に「精神統一のため」と忍者の呪文を唱え、志望動機を「忍者の専門知識を身に付けて発信したい」と語った。
 京都大大学院で農学を学び、武道道場を経営する大阪府枚方市の男性(43)は「農村と忍者の関わりを、忍者がいた伊賀に住んで研究したい」と話した。
 「忍者・忍術学」は、人文社会科学研究科の地域文化論専攻(定員八人)の中に新設され、四月から研究が始まる。三重大は博士課程の新設も検討している。
 入試問題を作成した山田雄司教授(日本古代・中世史)は「忍者文化発祥の三重で、国内外の意欲ある研究者に門戸を開きたい」と話した。合格発表は十三日。

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