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和レゲエ数珠繋ぎ-第53回-ケイタ

アーティスト名 石田長生
曲名 Boat Club Road
発売年  1994年

本日、7/8は関西を代表するギタリスト・石田長生の命日。この曲を選びました。

94年リリースのソロアルバム『Mouth & Fingers』から。作詞・作曲は福島祥郎、レゲエ好きの皆さまにはC-rag兄貴でお馴染み。コーラスには忌野清志郎。またとない布陣による唯一無二の和レゲエです。当時、FM802でヘビーローテーションになったこともあり、より多くの関西人に届いたであろう楽曲。これこそレコードにしてほしい、ストアデイ。

第33回でも少し触れたCharとのユニット・BAHOや、西岡恭蔵らとのオリジナルディラン。地上最大のソウルバンドの異名を持つSooo Baad Revue。金子マリがボーカルを務めるTHE VOICE&RHYTHMなど…数々の名作を残した石田長生には思い入れの強い方も多いと思います。関西のフォーク・ブルース・ロック畑の先輩方に尋ねると「イッシャンはほんまな〜」とそれぞれの思い出を聞かせてくれて面白い。音楽も人柄もすごく慕われていたのでしょう。そして探していくと…やはりレゲエが見つかります。

石田長生とレゲエというキーワードで見ると外せないのが、84年にリリースされた上田正樹のLIVE盤。Sly & Robbieとの日本ツアー・大阪場所の録音です。石田長生はギターでバンドメンバーとして参加。それ以外にも藤井裕、正木五郎、国府照幸、ペッカーなど錚々たるメンツで構成されています。

70年代中盤に大阪のシーンで人気を2分していたと記載をよく見る「サウス・トゥ・サウス」と「Sooo Baad Revue」を足して2で割ってレゲエをかけたようなメンバー。このシーン、特に70年代の音源において関西ロックの面々が、フォークシンガーたちのバックを務め名盤が多数生まれているように思います。なかなか触れられない部分ですが、彼らの功績は非常に大きい。ロック⇄フォークだけでなく、ミュージシャンたちの交わり方がとても興味深いです。

このLIVE盤についてはYouTubeにも映像が上がっています。24:30の辺り、上田正樹が「イエローレゲエミュージック」と散々煽りまくった後の石田長生のギターソロ。もし和レゲエ名場面集なんてものがあれば、ランクインしそうなワンシーンです。RELAXIN' WITH JAPANESE LOVERSの最新シリーズに収録された上田正樹の「渚でジャバ」がリリースされたのも84年。この動画でも演奏されています。

さらに前述のSooo Baad Revueからもう1曲。レゲエ風…ぐらいのテイスト、年代は前後しますが76年の作品。活動期間は約1年ほどと短命なバンドですが、故に伝説として語り継がれているのかも。この曲を収録したアルバムは、西岡恭蔵の名盤『南米旅行』と共に、オレンジレコード・阿部登の企画で海外にて録音されています。当時は現在と違い、録音機材からエンジニアまで日本と海外では差があったはず。音源にかける想いを感じます。

第50回FLATTさんも書いてくれた「関西のフォーク人脈」から広がる和レゲエには、まだ言語化できないけれど不思議な魅力を感じています。関西に住んでいると面白いもんで日々ヒントが落ちている、どんどん探していきます。良い曲が多過ぎる。

今週もありがとうございました!

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