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家の中にたくさん居る神様
私の育った家には神棚も仏壇もなかった。両親は地方から東京に出てきて東京で出会って結婚しており、私もずっと都会暮らし。神棚も仏壇も家の中にない。
ということで、私は日本の民家に馴染みがない。この度初めて民家園のしめ縄作りに参加させてもらって、皆の話に完全に置いてけぼり状態である。
後日調べたところ、日本の民家には部屋ごとに神様がいらっしゃるということらしい。
家の表側にあたる座敷や出居には大神宮様、土間の竈の上には荒神様、台所(カッテ)には恵比寿様や大黒様、納戸には納戸神様、便所には便所神様。
これらの神様は屋内神と呼ばれていて、民家の中には人間と神様が一緒に暮らしている。
屋内神の中で、特に人間味溢れていて、私が気に入ったのは荒神様である。
何と言っても藁細工をする土間にいる神様であるし、大神宮様は大好きだがどこかよそゆきで遠い感じがする。それに比べて、荒神様のツッコミどころの多さは相当のものだ。
【荒神様の特徴】
・土間の竈の上に祀られている(竈がない場合はカッテ)
・火の神様であり、農作業の神様
・家族の守護神でもある
・気性が荒く怒りっぽい
荒神様の信仰には、子供の夜泣きを直してくれたり、遠出から無事に返してくれたり、縁談をまとめてくれたりと生活密着のご利益がたくさんある。地方色豊かな拝み方祀り方があるようである。非常にピンポイントで身近で好感が持てる。
残念ながら今年は荒神様のしめ縄には携われなかったが、今後携わる機会があるかもしれないので楽しみにしておこう。