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#1秒の恋【PJさまテーマ短編募集】に挑戦してみました♪

PJさま
企画参加は初めてでして、何か色々と失礼があったり、間違ったりしているかもしれませんが、また教えて下さいm(__)m
作品は958文字です❢


#1秒の恋 #お盆 #ブックカフェ


「お隣の奈緒ちゃん帰省してるから挨拶しときなさい。あんたは昔っから世話になってるんだから」

「ん……」
俺は気のない返事をする。

奈緒とは、もう3年くらい会っていない。

中学時代、俺はヤンチャしていた。
俺を注意する奴なんていなかった。
菜緒を除いては。

6歳年上の奈緒は、いつも俺にかまった。
「ほっとけよ」
いくら言ってもかまってきた。

そしてなぜだか、奈緒が家に帰るタイミングで鉢合わせる。

煙草を取り上げ、喧嘩の怪我を治療し、親が悲しむと説教をたれた。

鬱陶しかった。煩わしかった。

いつしか時は過ぎ
俺もそれなりに成長し
普通の高校3年生になった。

『真面目になった姿でも見せてやるか……』

母親に渡されたぶどうを持って隣のインターホンをならす。
奈緒の母親が出てきた。

「あら健ちゃん。お隣なのに久しぶりねー。また背が伸びたんじゃない?
立派になってー。奈緒がね、今帰ってるのよ……あ、でも出掛けちゃったわ。花火大会に行くから早めに出たみたいよ」

一気に話すおばちゃんの言葉でほしい情報は聞けた。
「はぁ」とだけ答えて家を後にする。

今日は毎年お盆に開催される、花火大会だ。

俺も男友達数人と花火大会に行く約束をしていた。

『会場で会えるかもな』

日が落ちると、会場にわらわらと人が集まってくる。
土手沿いの提灯と、連なる露天、やぐらの灯り。
喧騒、土のにおい、生ぬるい風、太鼓の音。

俺はこの空気が好きだ。

イカ焼きを買って戻ると連れがいない。
『ったく。どこに行ったんだよ』

人混みを避け、灯りから離れた土手に腰を下ろす。

ヒュー
ドドーン

一発目の花火が上がる
暗闇に閃光が走る
口の中のイカ焼きがポロリと落ちる
数メートル先に浴衣姿の奈緒
ドクンと心臓が波打つ
キレイだ

1秒間の視界がもどかしい
早く次の花火上がってくれよ!

ヒュー
ドドーン

立ち上がって見つめる先は
花火ではなく奈緒の姿

イカの串焼きが手からポロリと落ちる
閃光の先には
手をつなぎ笑い合う奈緒と男

とぼとぼと家に帰る

家の前で偶然奈緒に会うこともない

あの頃、奈緒はいつも閉店まで
ブックカフェで過ごしていた

そう偶然じゃない
あれは俺が時間を合わせていたんだ

家に入ると母親の声がする

「あれ?あんたもう帰ってきたの?奈緒ちゃんに会えた?奈緒ちゃん、今度結婚するんだって。相手を紹介しにお盆帰省したって」

気付くのが遅すぎた――1秒の恋


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かわいらしい曲ですね♪♪♪

#1秒の恋


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