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【極短編】雨

深夜0時を知らせる時計のアラーム
それを待っていたかのように
奏ではじめる 雨音

ポツ…ポツ…ポツ…
ポッポッポッポッポッ……
サァーーーー……

目を上げ小窓に目をやると
丸い玉が乾いた窓を潤していく

水玉はやがて一筋の雫となって
黒い窓をなぞりはじめる

再び
目を下におとすと
開けたままのページ

そこには
主人公が涙を一筋
窓際でたそがれているシーン

雨に向かってつぶやく
「なるほど、見事な演出ね」

そっと目を閉じる

夜の雨は好きだ
静けさの中の雨音のBGM
ベッドサイドのお気に入りのランプ
読みかけの小説

私だけの時間
私だけの世界


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