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センスのいいネイリストになりたい

控えめで可憐で、木の実や花で色を着けたような、むしろ短い爪に似合って女性性をむやみにアピールしないデザインが得意なネイリストになりたい。マッシュルームカットで洗いざらしのシャツを着て、窓の大きなネイルサロンを開きたい。定期的に馴染みの美容室で出張サロンを開いて、お互いの常連客をつないじゃったりして。自分のおばあちゃんがお世話になっているデイケアで利用者さんにネイルケアしたい。爪キレイにしてもらう日は若い頃のこと思い出すから楽しいとか言われたい。

「爪の先にまで優しくしていれば自分にも優しくできる」的な言葉をモットーにしていたい。背術中は庭のハーブで淹れたハーブティーを飲んでもらおう。「いつもより手が冷たかったから身体が温まるブレンドにしましたよ」なんつって。


今世の私はというと強迫観念的にいつも爪を短くし、結婚式に出席する時だけ薄くマニキュアを塗る程度。いや、塗らないかもしれない。ネイルサロンのお姉様系の人種が怖くて(偏見申し訳ない)、過去に一度だけ行ったきりもうお世話になることはないような気がしている。ネイルケアには興味のない人間といっても過言ではない。もう祖母はいないし、庭にハーブもない。謙遜なしに言ってもそもそも美にまつわるセンスがない。

あーなんの努力もしないでセンスのいいネイリストになりたい。

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