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0161:トラベラーズノートのカバーにさっそく傷が?!そこから始まるカスタマイズ




 成田空港にたまたま行く機会があって、そこで初めてトラベラーズノートというものを知った。本当は一目惚れだったんだけど、使いこなせるか分からなかったから、まずはお隣にあったシロクマ印のリングノートを買った。


 そこから半月が過ぎ、シロクマは腰の高さ半分くらいまで文字で埋まっていた。
 MDペーパーはさらさらと描き心地がいいし、このノートで初めて庭の俯瞰図や植物の記録まで描く意欲がわいた。
 ずっと続けられる。そう確信したぼくは、誕生月お祝いにカバーを購入することにした。


 …と、ここまでは良かったのだが、買ってすぐにリフィルを入れてゴム紐をかけたり外したりしていると、

ガリッ!!
「あ」

 親指の爪でまずは一撃、次いでゴムに付けたチャーム”ヨゲンノトリ”のくちばしが刺さって、表紙に二筋の傷がついた。

ヨゲンノトリは疫病退散のご利益があるらしいが、それが故にアグレッシブなのか


 傷がつきやすいのは分かっていたが、ブルーのカバーは思う以上に傷がはっきり見えてしまう…。それに、最初でこうということは、今後も猫の爪研ぎのごとくバリバリとなってしまうだろう。

 マットな風合いが好きな人はサンドペーパーをかけるとのことだが、ぼくはブルーの磨かれたカバーが好きで買った。ならば、どうするか…。

「なら、もういっそ大きな傷を付けてしまおう。おっきな傷がつけば、小さな傷なんて気にしなくなるだろ」

 傷をつけ始める。表紙真ん中と背の傷は、ヨゲンノトリと親指の爪のせいだ


 物差しの角でぐりっとやると、深い傷がついた。ただ、物差しのプラスチックがやや軟らかく、大味の線になってしまう。
 そこでインクが切れて休養中のラミーの万年筆を使った。

 要はハッチングだ。万年筆ほどに硬い道具なら、深い線も引ける。ガリガリ抉っていくと、段々夢中になってきた。

トライバルな狼


細密画の孔雀


表紙は植物や不思議な紋様



 楽しくて色々試してしまい、デザインは統一感がなくなった。でも、吹っ切れたおかげでのびのびとカバーをカスタマイズできた。

これからも傷はつくだろうし、絵も掠れて見えなくなっていくかもしれない。でもその風合いを楽しむ為の一歩を踏み出せた。
これから、旅が始まる。


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