0172薄曇りの道【小説Wup】
※本当はみんなのフォトギャラリーで見た、“世界の美術館 アルフレッドシスレーの絵画を題材にした小説でしたが、いくら探しても再検索できなかったので、スーラにしました。
殺風景な農道の真ん中、少年は荷車を引いていく。左右に広がるのは麦畑だが、既に刈り取られ、黄土色ののっぺりした地面が広がっている。道の両脇には、点々と曲がりくねった木が立っているのみだ。
冬の冷たい空気は、喉に引っかかりそうになる。少年はマフラーを口まで巻いて、布越しに呼吸しながら、長い道のりを歩いていた。
どこまでも殺風景な陰気な風景だが……少年はこの景色が嫌いではない。
今年も冬を越せる程度には収穫があった。秋の一番忙しない時期を乗り越え、今は一日
を穏やかに過ごすだけだ。厳しい冬を耐え冬至を過ぎれば、日が一日ごとに長くなる。
夏や秋の目まぐるしい自然に相対するのとは違う、冬だけの淡い日々も悪くない。
20分305字
ふりかえり、
目標:【描写】思いつくまま情景を描く
最初の頃よりはスムーズに書くことができるようになってきた
風景画をそのまま描写したけど、次回は絵画としてとか、その絵を所有している人間の物語など、視点を変えてやってみたい