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椅子【足元に寄り添うたんぽぽ】:0028
自分のアイコンにも使っているたんぽぽの話をします。
今年は我が家の庭たんぽぽ一面に咲き乱れておりました。その光景を、何かに残しておきたいなと描いたものです。
これは元々椅子の座面に描いたもので、真上から撮影してアイコンにしました。(元の写真より明度をやや上げして、加工しております。)
元は焦げ茶色の椅子(脚を支えるクロスした材が、本来の色です)にオフホワイトで下地を作り、上から黄と緑のペンキを垂らし、たんぽぽを描き込んだものです。
僕は、自分の絵が活かせる何かを始めたくて、でもこんなにも物が溢れている時代に生まれてきて、
新しい物を生み出す事が、なんとなく負い目を感じていました。
そして、古い物をリメイクする仕事を始めたいと思いましたが、一作目を作るにあたり、中々考えが煮詰まってしまっておりました。
庭にいつの間にか咲いた、風に揺れるたんぽぽを見た時、
知らぬ間に種を空に飛ばして大地に根を下ろし、
ふと気づいた時に花を咲かせていて、
そうしたたんぽぽ達の時間を、いつかは消えてしまうだろう時間を、切り取って残したいと思いました。
今しかない時間をお裾分けしてもらおうと思ったのです。
十字にタンポポの綿毛を、【足元に寄り添うたんぽぽ】として描きあげました。
これを仕事にできるかは、これから少しずつ取り組むことですが、
そのものの生きた時間をお裾分けしてもらって、残していく。
僕はそうしたものを描ける人間になりたい。
その契機が、この椅子だったと思います。
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
作品とはちょっと関係ないけど、この物語を書くのにずっとリピートして聞いていた動画を貼らせてください。
ごりごりのロックで文章の雰囲気とずれているかもなんですけど、根っこはこうした熱い感じで物を作ってます(漫画の地獄楽が好きだったので聴いてみたのですが、一回でWOMCADOLEさんにハマってしまいました(「ワンダー」はスマホのアプリ、インディーズ音楽ストリーミングEggs で聞けます。
動画自体は漫画のコマを編集・加工して1シーンを紹介するMADという動画なのですが、それもめっちゃ格好いいです。)