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【ラグビー・トップイースト】 2017.10.15 東京ガス対横河武蔵野アトラスターズ戦の個人的雑感

・ここ数日の東京は、びっくりするほど寒い。オーバーをクローゼットから出すことを、躊躇するべきではなかった。観客のほとんどはメインスタンドの屋根がある部分に逃げ込み、身を寄せながら過ごしている。バックスタンドの観客は8名だった。間違いない、ゴール裏にいる僕はしっかりと数えた。

・結論から述べると、公式記録では1500人弱の観客が集ったこの一戦は非常に満足度が高いものだった。トップイースト、いわゆる「3部リーグ」に属する東京ガスと横河武蔵野の試合。ここまで両チームとも負けなしであり、これから続く上位チーム通しは「昇格」を賭けた戦いになる。

・序盤にペースを掴んだのは、意外にも横河武蔵野だった。横河のラグビーは以前と変わらず、「FWがしっかりボールをキープしつつ、一気にテンポアップし大外勝負」というものだ。この日も西、西橋の両ウイングの動きは冴えていた。シンプルではあるが、ムラやムダの無いラグビーは、小難しいことばかりに性を出しがちなチームも見習ってほしいところである。

・一方、押され気味の東京ガスも前半終わりにようやく点火する。起点となったのはSOのカート・モラス。かつてトンガ代表として活躍した実績を持つ。前半の終わりごろからゲームメイクが効果的に決まりだし、WTB佐藤のトライを演出。10ー17と東京ガスの1トライビハインドで折り返した。

・迎えた後半、暖まりだしたモラスのキックが冴え渡る。開始3分、敵陣に攻め込んだ東京ガス。モラスにボールを渡すと、選択したのはキックパス。大外に待ち構えたオリビエがキャッチすると、あとはガラ空きのフィールドを駆け抜けるだけだった。これで同点に追い付くと、しばらくはモラスとオリビエの合わせ技を楽しむ時間だった。もちろん、彼ら2人の独断というわけではなく、その脇では働きものの選手たちの献身があってこそ、なのである。

・横河武蔵野は防戦一方になってしまったが、決して諦めていたわけではない。後半30分、久々に敵陣でペナルティを奪うと、スクラムを選択。No.8の福岡がインゴールに飛び込み、24ー25と1点差まで詰め寄る。手に汗握るシーソーゲームに、小さくとも歓声は鳴り止まなかった。

・しかし、試合を決めたのはモラスだった。後半37分、モラスの小さなパスに、走り込んできたのは途中出場のローバートソン。見事なサインプレーだった。また、東京ガスはロスタイムにも1本PGを決め、しっかりとゲームセット。24ー35で昇格戦線から一歩抜け出した。

・毎年1試合はトップイーストの試合を見に行くのだが、どの試合も好感度が高い。難しいプレーや高い技術という観点で言えば、モラス級の選手が一人いれば良いくらいだ。しかし、チームとして何ができるか、そして何を追求したいか、という意識については、トップクラスと遜色のないものを魅せている。11月末で終わってしまうのがトップイーストの寂しい部分だが、まだまだ間に合う。ぜひ、多くのラグビーファンにもこの「シンプル・イズ・ベスト」の世界観を体感して頂ければと思う

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)