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これからの週末ミュージシャンのバンド活動を妄想する

私は楽器が趣味でアマチュアバンドをいくつか組んでいましたが、コロナ禍で全てライブや練習が白紙となりました。withコロナの時代にどうやって音楽を続けるのが最適なのか、考えてみました。


今までのバンド活動

私はジャズが好きで学生時代からずっとアマチュアバンドで活動をしてきました。ジャズコンボが1つと、ビッグバンドを4つ掛け持ちしていました。特にコンボは、去年から地方のジャズフェスなどに応募して、旅行がてら演奏を楽しもうと計画していました。

そして、3月以降、全ての練習をキャンセルしました。
というのも、スタジオは

① 音漏れがないように気密性が高い
② 楽器が入る最小限の狭い部屋
③ 特に管楽器は激しく呼吸をする

という三密をフルコンプしたような状態です。とてもこのご時世に再開は厳しいと考えています。

ライブにおいても、狭い会場にぎゅうぎゅうにお客さんが集まり、熱気のある会場で演奏するのが楽しかったのですが、こちらも当面の再開は難しそうです。

色々な情報からの見立てでは、バンド練習がクラスターになることは避けたいので、ワクチンが流通するようになる1年半〜2年くらいは元の活動は難しいかな、と個人的には考えています。

約2年間、今までのような練習ができないのは残念ですが、今できることで"新しいバンド活動"を切り開けないか、深掘りしてみます。


バンド活動で得ていたものとは?

そもそも、週末の休息をバンド活動に充てていて、そこから何を得ていたのか、考え直してみます。

▼バンド活動から得ていたもの
演奏体力の向上、演奏技術の向上、演奏の習慣化、音楽を合わせる楽しみ、演奏中の緊張感、ソロをアウトプットする経験、音楽面での情報交換、友人としての会話、練習後の食事・飲み会、ライブの緊張感、演奏を他の友達に聞いてもらう機会、自身の音楽性の発信、活動実績の積み上げ、(地方ジャズフェス参加時は)旅行、メンバーとの思い出づくり、イベント出演による人脈、仕事以外で没頭できるという事、音楽をやっているというパーソナリティ
(記事を読まれている方は、ご自身の"得ているもの"を考えてみてください。)

こうして書き出すと、集まってこそ叶うものと、実はオンラインでも得られるものがあるなと感じました。まとめてみると、次の4つくらいに分類できました。

① 自分の演奏技術を高める
② メンバーと音楽を合わせる
③ メンバーとのコミュニケーションをとる
④ 自己表現=アウトプットする 

主に、自分自身のことと、他人との関係性に抽象化できました。

この①〜④は、人によって重要視する割合が異なると思います。
例えば、「楽器を触れるならジャンル関係なく楽しい!」という人は①の割合が多いし、「モテたくてバンドを始めた」という人は④が重視されます。

私は、①の楽器をうまく扱えるようになることと、③のメンバーとのコミュニケーションは譲りたくないな、と感じました。

コロナ禍でできること①:自分の演奏技術を高める

ご自身の楽器が自宅で練習できる場合、この点は問題なく継続できるでしょう。
一方で、管楽器やドラムなど、カラオケやスタジオへ練習しに行っていた人にとっては工夫が必要になります。

道具を使う:練習用ミュートを使う(サイレントブラスサックスのミュート機能のケース)、または、電子楽器で代替する(エレキベース、Aerophoneなど)

場所を工夫する:川原で練習する、車の中で練習する、防音室を買う

在宅勤務の特需と合わせて、ダンボール式防音室や、自宅で弾けるギターが売れているそうです。


コロナ禍でできる事②:メンバーと音楽を合わせる

もしデジタル楽器同士であれば、Netduetというサービスで今すぐにでもセッションができます。そして2020年6月にはSyncroomというサービスにアップデートされるそうです。

楽器にこだわりがなければ、これを機にデジタル楽器に変わるのも手かもしれません。

そして、この課題がクリアされると今後もバンド練習に集まる必要が無くなります。スタジオ代もかからず移動も必要なくなり、リモートワークも進めば離れた所に住んでもバンドに参加できる時代になります。


コロナ禍でできる事③:メンバーとのコミュニケーションをとる

私は定期で活動していたバンドの練習を全てオンラインミーティングに置き換えました。それぞれが自宅にいる事で、好きな音楽の共有も画面やリンクを通じて簡単にできます。移動も必要なく、お酒も各自のペースで飲むことができ、割り勘の必要もありません。

オンラインでは大人数では複数の話題ができないのですが、代わりにメンバー一人ずつ自由なプレゼン時間を設け、それぞれの音楽感を共有してもらっています。
この事で、メンバー同士の価値観の受け入れや意外な一面を知る事で、練習再開した時までに結束力が増すことを期待しています。

私にとっては、練習こそできませんがメンバー同士の交流がじっくり取れるようになったことはこの時期のメリットだと感じています。


コロナ禍でできること④:自己表現=アウトプットする

対面のライブこそできませんが、オンラインセッションが可能であれば、それを動画に起こして配信することも可能です。
ライブでは、時間と場所が限定されるので聴いてもらう人数に限りがありますが、Youtubeであればそれこそ全国に発信することができ、自己表現としては最適なツールが揃っているのではないでしょうか。

プロミュージシャン達も自粛期間にいち早くアイディアを出して表現をしてくれました。一番初めに目にしたのは、新日本フィルのリモート合奏でした。


ジャズピアニストのChick Corea氏も、毎日の練習をFacebookにて投稿しています。


オンラインレッスンも様々なプレイヤーが今できることとして提供してくれています。サックスプレイヤーの本田雅人さんも積極的に配信されています。(この動画では、現状のミュージシャンの心持ちや練習への姿勢が語られていて必見です!)


プロの演奏家達の提供は大変ありがたいことです。しかし、当然無償での演奏は彼らの生活にとってはデメリットとなります。恩恵を受けた側としては、こうしたアイディアからのひらめきで新しいライブの姿を見いだせるように、知恵を絞り出していきたいと思います。


この時期に学ぶこと

以前の生活から変化することは辛いですし、いつ元に戻るのか不安もあるかと思います。

前述の本田雅人さんの動画でもありましたが、この自粛期間にコンディションをキープするのに必死になるより、思い切って休んで休暇によって得られる人生の経験や、また復帰した時の新鮮な音楽体験を得る、というのも大きな楽しみだと思えるようになりました。

自分自身がバンド活動から何を得たかったのか、改めて考え、再び集まれた時に以前よりももっと楽しめるように、そして、新しい音楽の未来に何か貢献できないか、これからも振り絞ってみたいと思います。

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