42Tokyoの最終課題は「いつ退学するか」
42Tokyoに入学してほぼ1年が経ち、日々つら楽しい気持ちで課題に取り組んでいます。
Piscineも毎月実施されることになり、入学希望者が多いことに驚かされますが、一年間在籍して学習を続けた立場から、ふと「ゴールはどこにあるのか?」と考えるようになりました。
42への入学や学習はあくまでも手段であり、その先の目的がどこにあるのか、いつまで続けるのがベストなのか、自分自身の考えをまとめることにしました。
退学する方法は3つ
現状、42Tokyoにエントリーしてから退学する方法は3つあります。
1. 試験に落ちる(Webテスト、Piscine(入学試験))
2. 課題の学習を止める(Piscine、本科共に)
3. 全ての課題を修了する
1. については成績での判定となるため結果に抗えないのですが、学費無料で講義がない(自分のペースで課題を解いていく)スタイルのため、「同期入学者と普通に卒業する」するという概念がありません。
課題の進捗に応じて在籍期限が設定されるため「2. 学習を止め」た場合、ほど無くして強制退学になります。完全に修了するには「3. 全ての課題をクリアする」ことになります。
(42Tokyo カリキュラム紹介動画より)
上記カリキュラムでもわかるように学習分野は無数に広がっているため、そこまで在籍して全ての課題に取り組むかは個人の判断になります。
全ての分野を完遂するのは厳しいと感じており、「3. 全ての課題を修了する」前に「2. 課題の学習を止める」ことになる人が多くなると予想しています。
となると、生徒は「自分で退学のタイミングを決めなければならない」という十字架を、入学した直後から背負うことになります。(大げさ)
退学のタイミングはみんな自分で決めてきた
既にこの1年でも多くの学生が退学するのを見てきました。
課題が期間内に終えられず無念だった人もいたかと思いますが、客観的に事実だけを見るなら「今の学業や仕事と、42にかける時間を天秤にかけて前者を選んだ」という意味では本人がそう選択したのだということになります。
プログラミングスキルが十二分にあり、課題での要求以上の成果物を作れる方であっても退学されたケースもありました。その方なりに「ここでの学習に満足した」ということだと感じましたし、「オンライン学習に切り替わったことでメリットを感じなくなった」「就職などの目標が達成された」などの理由で退学された方も居たようです。(SNSやネット上のブログ記事より)
何が得られたら、もう42を離れても良いと思えるのだろうか?
自分自身の考えを整理したいと思います。
入学前の目的と、在籍し続けたい目的
私の入学前の目的は、「仕事でのプログラミングは辛かったけど、自分で作りたいサービスのためなら頑張れるかもしれない」「もう一度プログラミングを楽しめるようになりたい」というものでした。
その点では、入学前に触れていたC言語以外にもチャレンジする度胸はついてきたし、課題にも楽しんで取り組めているので、当初の目的は達成できたかと思います。
他に在籍し続ける理由は何なのか?
在籍し続けることで、どんどん難しくなっていく課題に取り組み続けることになりますが、それによって得られる知識と、それ以上に「知見のない分野の課題を解決する力」がついていきます。これは楽しくもあるし、時間の許す限り得たい経験です。
二つ目は、他の生徒との交流、にあるかと思いました。
入学してからいろいろな生徒がいることが徐々にわかってきました。現役の学生、会社と両立している方、別の分野の仕事を辞めてフルコミットされている方、育休と並行して学習している方、バイトしながら続けている方など、所属もまちまちです。
それと同時に、みんな関心の持つ分野が違うな、というのも興味深く感じるようになりました。
さまざまな関心を持つ人たちと出会える
入学試験や課題は全員が同じものを取り組みますが、それ以外の活動もチラチラと目に入るようになりました。
セキュリティに関心を持ってCTFに参加してる人
AtCoderのコンテストに欠かさず参加している人
Discord Botを次々開発する人
機械学習・AIなどに興味をもつグループ
など。私もスマホアプリ開発のグループでの活動をしています。
Piscineの時はプログラミング未経験だった人が、次々とそれぞれの関心のある分野に出会って開花していく姿を見ていると、好きなことを自由に学べる、ということはとても大事なのだと感じさせられます。
同じ分野に関心がある人であれば、一緒に取り組んで助け合えるし、違う分野に関心ある人にも何かのタイミングで相談するかもしれない。
なので「他の生徒との交流を楽しむ」というのを目標にしたいと思います。
オンライン学習の課題を解決したい
オンラインでの学習はメリットもありますが、校舎に通っていたら当たり前にできるような雑談がしにくいな、と感じます。
オフラインの時は、
同じ時間帯に学習している人
いつも同じ席を占有している人
偶然、食事スペースで一緒になる人
課題でチームが一緒になった人
課題に詰まって険しい顔をしている人
など、近くにいれば話しかけたりが気楽にできました。今はこれらが感じにくく、大きな障壁になっているように思います。
世の大学生などもオンライン講義に変わり友達作りに苦労している、と言われているように、オンラインで顔も知らない人とどうやって交流していくか、世界でまだ誰も解決できていない課題かもしれない。(大げさ)
これまでに身につけてきた「問題解決力」で何か仕組み化できないか、フワッと考えてみたいと思います。