見出し画像

ドリームマッチ2020の答え合わせ④

前回はドリームマッチ感想戦①にある、オードリー、くっきー、山里亮太が中心でした。ざっくりまとめると、相思相愛で良好な関係だったくっきー若林ペアとドロドロの険悪コンビだった春日山里ペア、そして腫れ物扱いのナイツ塙・・・そんなトピックスでした。塙に関しては今回もそれなりに取り上げられるでしょうから、より核心に近づけるかもしれない。

さぁ感想戦の後半に入ります。2つ目の動画の冒頭にあるハライチのラジオから順番に感想の感想を書きます。



ー ハライチ ー

〇大悟とのフワっとしたネタ作り

澤部:大悟さんのネタの作り方は、あのまま。大悟さん本人の中でもフワフワしてる状態でネタ合わせをして、どんどん変わっていく感じ。

漫才も終始フワッとしてたもんね。それが千鳥っぽさであり、もっと言うと大悟っぽさ。普段から何でもボケを拾う澤部だからこそ成立したペアだね。他に合わせられそうなツッコミは土屋ぐらいかな。

〇岩井の拘りまくったネタ作り

岩井:うちのペアとは違う。自分が台本を渡して、2回ぐらい合わせて本番だった。
澤部:ネタ作りの期間中に大悟さん、直美、自分の3人で飲みに行った時があり、直美が「岩井さんの考えてる事は凄い。けれど、よくあの人とコンビ組めてるよね」と言ってきた。
岩井:直美は最初から不安がっていた。自分が渡した台本を読んでも「意味分からない」って言ってた。でもあまり説明もしたくない。全部が完成した時には本番だった。メイクも音楽も見越して頭で出来てるモノを完成形としていたから、何かが欠けていたら面白くないネタだった。曲作りは大変だった。曲はEDMだが「ゴシック調テイストのEDMで」と曲作りのプロ(RAM RIDER)に注文した。自分とプロで曲の話をしている時、スタッフと直美はポカーンとしてた。

大悟とは正反対で細部に拘りを詰め込むスタイルの岩井。岩井も少しくっきーっぽい芸術肌なところがあるよね。ただ理論詰めた芸術系だから、少し系統は違うけど。普段のハライチの漫才では抑え気味にしているが、今回はお祭りと言わんばかりに人一倍はっちゃけてました。岩井は「コイツと組んでこういうネタをやってみたい!」みたいな構想が他にもありそう。澤部の対応力も改めて見事だったので、今後もハライチはドリームマッチに呼んでほしいな。

〇ネタを書かない方は有難みを感じろ!

岩井:澤部みたいに普段からネタ書いてない芸人はこういう機会に”ネタを書いてもらってる”という事を噛み締めてほしい。

まぁブレーンからしたらそう思うよね。アメトークの”ネタ書いてない芸人”の回で正直おたけみたいなスタンスをとるノンブレーンを見ると「なんだコイツ」ってイラっとするよね。当の本人達はもっと思うところがあるだろうな。

それぞれ手応えがあったのか、不満がなさそうなペアは内容があっさりな気がします。




ー 渡辺直美 ー

〇今までのネタの作り方

過去2回のドリームマッチは自分がネタを書いていた。先に自分のやりたいキャラとあらすじを考えてから、ネタ合わせで新相方がやり易いようにアドリブを入れていきながら作っていくスタイルが好きだった。

優勝請負人の直美は過去にTKO木本と小籔千豊組んで2回とも優勝しています。自分の強烈なキャラにシンプルなツッコミを組み合わせるのが必勝法ですが、今回は自分がツッコミ側という変則パターン。しかも相方はネタを書く・書きたがる岩井なので、直美にとっては今までと環境が全く違う。

〇ネックだった”一週間ニューヨーク”を知らずにアタックし続けた岩井という名の情熱なサイコ

フィーリングカップル前に溜まり場で芸人間で喋っている時に「実はさ、私1週間ニューヨークなんだよね」と打ち明けると、皆に「えー!絶対にお前選ばないよ」と言われた。その話が終わった後に岩井が来て、ずっと自分の横に居て「直美はもう決まってるの?」と聞いてきた。「何となくは決まってる」と返すも内心、今回は本職じゃないツッコミ側だったので、特に決めてなかった。逆に岩井に聞き返してみると「俺はもう、この人しかいない!って決めてるから。その人一本釣りだから」と言ってきた。結果、その人とは自分だった。

輪をかけて1週間ニューヨークというめちゃくちゃ不利な環境。優勝請負人とは言え、1週間も会って打ち合わせが出来ないとなると、貧乏くじ扱いになるよね。そこに岩井が居なくて本当に良かった。もしそのネックを知った場合でも直美を選んでたら男だね。恋愛ドラマみたいなifストーリー。

フィーリングカップルの収録が始まる10分前に岩井からLINEのメッセージがきていた。岩井が飼っている猫の写真が送られてきた。ちなみに約4年ぶりのLINEだった。意味が分からな過ぎて怖かった。「俺、(直美に)いくからね」という合図だったのかな?と解釈し、後日打合せでLINEの意味を聞いてみた。案の定、岩井から「いやいや、いくよっていう合図に決まってるでしょ」と返された。改めて岩井のサイコぶりに引いた。

意味は通じるけど、アプローチが絶妙にヤバい。多少はイタくないと、創作的なネタは書けないという解釈をしておくか。

〇岩井主導で取り組んだ新しいネタの作り方

フジテレビ『ピカルの定理』のメンバー同士だが、岩井とコントをやったことがなかった。
今回は初っ端に岩井から”音ネタ”をやりたいという提案があった。2週間しかないので、覚えられるか不安だったが「ネタは全部作っておくから」と言われた。「音ネタをやりたい」と言われた次の打ち合せまでに一応自分もネタを考えて来ておいた。普段の相方の澤部がネタを書いてきた事がなかったからか、ネタ案を見せたら「偉いじゃん」と驚かれた。しかし、「こんなしっかり作ってこなくてよかったのに」と言われた。さらに「音ネタにはルールや方程式があって、変にコントっぽくやらない方が良い」と言われたので、岩井の考えてきたネタを採用して話を進めた。

音ネタ・リズムネタというジャンルってある種の”ドーピング”だと思ってるけど、そのカラクリについて知りたいので、音ネタのルールや方程式について岩井から論文を頂戴したい。

普段は音ネタと言うより、既存の曲を歌ったり当てはめるだけで、オリジナルを作って披露した事がなかったので、実は音ネタ自体は初めてやるジャンルだった。
「調味料で言ったら、醤油が多いんだよ。塩は料理で使うことは多いけど、醤油はかけることが多いから」と岩井が言ってきた辺りで、自分は1週間ニューヨークに行くことになっていた。
それ以降はテレビ電話でネタ合わせをする事になった。急に岩井から「プロの人に手伝ってもらって曲を作ることになった」と告げられた。その辺りで自分もニューヨークから帰って来ていた。岩井が「EDMだけど、ゴシック調な曲を作ってもらう」という真逆のジャンルで無理難題な事を言っていたので、心配だった。音に強く拘っていた。漫才と音ネタという全然違う種類のネタで作り方も異なるから、曲作りとか大変だったと思う。「手伝えることあったら言って下さいね」とはあらかじめ言っておいたが、岩井は「大丈夫。俺ピアノ何十年もやってるから、曲は大丈夫」だからと返してきた。

今や当たり前のリモート会議を先駆けた岩井直美ペア。

終始主導権を握る岩井によって勝手に色々と話が進んでいる状態だから、そりゃ不安だよね。ナイツ塙と同様の”亭主関白”の匂いがするが、コッチは漫才もコントも音ネタも何でも作れちゃうマルチクリエイターなので、誰と組んでも問題なし。

歌詞もつけていざ稽古をすると、ネタの尺が10分ぐらいだった。番組側の都合で1組につき7分ぐらいが限界なので、削る必要があった。料理の品数も最初は10個ぐらいあった。歌も尺調整の為に直前に少し修正したので、曲が完成したのが、ネタ披露の収録当日の朝だった。一気にそこから詰め込むように覚えた。ちなみに岩井は練習嫌いらしい。歌のセリフ量から見るに、明らかに自分の負担の方が大きかった。「俺はいつもそういう風に作ってるから」と言う岩井がズルかった。

〇岩井のネタ作りに翻弄されるも、新しい自分を引き出せて満足

自分自身は緊張しないようにする為に普段メチャクチャ練習するタイプ。当然本番はメチャクチャ緊張した。今回は何もかもが岩井プロデュースのネタだったから、まぁ不安だった。覚えようと直前に曲を聞きまくったが、気持ち悪い曲調だったから余計にテンパった。本番中もずっと鳥肌立ちっぱなし。結果、本番に醤油を落としてしまった。
ネタが終わった後に醤油を落とした失態を岩井に謝りに行くと「お前よくあそこから持ち直したな!エラいよ!」と褒めてくれて優しかった。
岩井は固いイメージがあるけど、実はコミュ力が高くてポップな人だから『ピカルの定理』で一緒だった時から仲が良かった。だから今回のネタを見て世間はビックリしたと思う。
ネタが終わって、溜まり場で他の芸人に感想を聞いて回った。芸人は皆「逆に歌が難しすぎて全く覚えてない」らしい。しかし今回は世間でバズって歌ったりされてるのが凄いなと思った。
ドリームマッチは面白さもだけど「この人とこの人がこんな事するの⁉」という一面が見れて初めてナイスカップルだと思う。岩井と組んで新しい自分の一面も見れた良かった。

振り回しながらも、新相方の新しい魅力を引き出せたという事から、岩井はドリームマッチにおいて、”猛獣使い”の系譜であることが分かった。かつてはさまぁ~ず大竹、バナナマン設楽、次長課長井上が務めたポジション。ただ歴代の猛獣使いとは少しアプローチが違うので、現代的と言うべきか。




ー チョコレートプラネット ー

(ドリームマッチ放送前)

※打ち上げの席で松本人志がお笑いついて語った内容

〇芸人のタイプ分けをしてみた。

くっきーと秋山は天才タイプ。
大悟は松本人志と同じうんこ(?)タイプ。
自分(長田)と山里は秀才タイプ。同タイプに麒麟の川島や千原ジュニアやサバンナ高橋などがいる。
せいやは可愛いタイプ。同タイプに水玉れっぷう隊のケンやトミーズの健がいる。せいやはそのカテゴリに属してることに不服。

まぁこの内容だけ聞いても「流石は松本人志!鋭い分析!」とは思わないけど、気になるのは大悟と松本人志は同タイプだということ。うんこタイプというネタ的なカテゴリだけど、自分自身をどう分析し、大悟にどういった部分で似通っていると感じたのか、気になる。完全にボケた可能性もあるけど。

芸人なら可愛いタイプにカテゴリされたら嫌だよね(笑)。

〇松尾が最近面白い

松尾が最近面白い。もっと松尾を前に出すネタをしてみるという手もあるぞ、と提案。しかし、長田はその提案を断る。

チョコプラが売れたきっかけって何となく松尾のイメージがあるよね。長田は過小評価されてる感じがあるが、上記の秀才タイプって基本的に後から評価が追いつく流れだから、5年後とかには長田の方が盤石な位置に居そう。だから今のうちに相方の松尾だけでも先にフューチャーして世間に覚えてもらえ!ってことなのかな?



(ドリームマッチ放送後)

〇苦い思い出となったドリームマッチ

松尾長田:(フィーリングカップルで)全然選ばれなくて最悪。
松尾:マジで放送流さないでほしいと思った。
長田:番組の告知とかしてないし、恐くて出来なかった。
松尾:あそこまで残ったなら、正直塙さんと粗品で組んでほしかった。
長田:チョコプラで組んで新ネタやった方がオイシかった。

〇ナイツ塙が敬遠されていた理由

長田:正直、塙さんが一番なかった。塙さんも自分とのペアが一番なかったらしい。漫才かコントどちらか決める時に、仮に漫才になったらナイツさんの漫才ベースになるはずだから、その場合土屋さんと比べられるのは荷が重すぎる。たぶん、他の芸人も塙さんを指名しなかったのは、そこが恐かったからだと思う。ナイツの完成された漫才に他者が入り込むというのは相当な恐怖。
松尾:あと、フィーリングカップルの時に塙さんがめちゃくちゃ喋っていた。 アレでたぶん皆、選びたくないって思ったはず。
長田:自分もアレ見てあまり喋らない様にした。変に刷り込みさせないように心掛けた。
松尾:塙さんが「即興で漫才をやろうよ」とか言ってくる事とか、ベテラン勢は近い仲だからこそ分かっていたのかもしれない。だから敬遠したのかも。
長田:コンビで能力値で高い人とかが組みにくいのかもしれない。ナイツの漫才が完成され過ぎている。
松尾:”漫才師・塙”というものが確立されていて、難しいのかもしれない。でも、土屋さんは他の人と組んでもハマっていた・・・。
長田:「塙さんが一体何なのか?」という話になってしまった。是非もう一回出たい。100%の力を出せてない。
松尾:それは誰が悪い?
長田:塙さん。でも逆に塙さんともう一回組んでリベンジしたい。
松尾:本当に?
長田:すみません、嘘です。

ようやく、ナイツ塙についてのぶっちゃけトークがありました。他の芸人同様、やはり最初は「土屋が凄すぎるから」「ナイツが完成され過ぎているから」という謙遜もありましたが、それだけじゃないはず。

その一つが「フィーリングカップルの時にお喋りが過ぎた」という事。塙が求める相方の条件というのが、喋り過ぎたが故に他の芸人からは厳しそうに映ってしまったのでしょう。亭主関白感をセルフプロデュースしてしまった。

ナイツ=正統派漫才師というイメージが固まってしまっている事は仕方ない事だが、それでも松尾が言うように「土屋さんは他の人と組んでもハマっていた」事実があるので、それだけが理由で敬遠というのは考え難いものがありました。今回を機に良くも悪くも、ナイツ塙は爆笑問題太田っぽいポジションにきているのでは、と思いました。

〇それぞれの相方候補

松尾:最初は若林さんとやりたいと思ってた。普段喋ったことないから喋ってみたかった。あとこれを機にビジネス的な意味でもお近づきしたかった。あとネタもつくってくれそう。ただ一番最初にカップル成立してしまった。
松尾:それ以降は、本番前に自分をなんとなく見ていた様に気がする人を選んでいた。
長田: 対面式で目が合うから、「合図かな?」と思ってしまう。
松尾:そのあと伊達さんを選んでいたが、そのうち別でカップル成立してしまったので、次は小峠さんを選んでいた。小峠さんがパッと自分を見た気がしたから「自分に気がある!」と思い選び続けたが、結局自分の後ろにいたせいやとカップル成立してしまった。自分を通して、せいやを見ていただけだった。その後に粗品が選んでくれていた。結構前の段階から自分を選んでくれていたらしい。直美も自分を選んでくれていたらしいが、フィーリングカップルの収録前に「暫く日本にいない」という話を聞いていたので、ネタ作りが困難だと思って選択肢から外していた。

”ドリームマッチを機に仲良くなってプライベートや仕事でメリットがありそうな人と組む”。そういった下心はあるのではと予想記事でも書きましたが、やはりありましたね。芸能界における現在のポジションと将来性を考えると、マルチな活躍をしてる若林と組みたいと思うのは自然です。将来性重視なら粗品と組むという考えもあるでしょうね。そう考えると松尾は相当にしたたかだな。

長田:自分は春日さん狙いだった。ネタも考えていた。会場の空気的にハイテンション系のネタじゃないとウケないと思っていた。即興のパターンはロートーン系はウケづらいということを『有吉の壁』で学んだ。自分と春日さんのポテンシャルならハイテンション系をやればイケると思った。ただ、山里さんと競合するので、勝てないと思い諦めた。その後はコントが出来そうな西村さんや秋山さんを選んでいた。

なるほど。ただドリームマッチは微妙なところで、今回はネタ作りに約2週間の猶予があったので、そこまで即興というわけでもない。けれど新しい相方と新しいネタを作り込むには少し足りないと思ったりもする長さ。たぶん、ネタ作り期間はドリームマッチ史上最も長かったはず。当初はカップル成立後3時間で、とかだったもんな。本当かどうかは知らないけど。今回は凝ったネタが多かったが、それなりに期間があったからという見方も出来る。

〇コンビ共に居残る寂しさとベテランへの怒り

長田:結果、誰からも選ばれず。ただ、それは想定内だった。実はTV局側からきたオファーの段階では自分がボケ、松尾がツッコミ側だった。メンツを見て、自分達は後半まで残ると予想していた。そうなった場合、自分がボケで松尾がツッコミ側だと使い勝手が悪そうで両方とも得しないと思い、逆にする様にTV局に頼んだ。松尾がボケ側なら、いい感じの相方を見つけてハネてくれる可能性があるので、チョコプラ的にはメリットがあると思った。

あぁ、やっぱりそうだったのか。長田はボケのイメージが強かったから違和感があった。けれど、松尾もボケorツッコミなら、ボケだもんなぁ。この役割分担はチョコプラ判断だったというわけか。結果的に裏目に出ちゃったのが悔やまれる。

長田:しかし結果どっちも死ぬ羽目になってしまった。もうちょっと早く松尾はカップル成立すると思ってた。自分が残るのは勿論、相方が選ばれない寂しさもある。「俺こんなに選ばれない奴とコンビ組んでるのか・・・」って気持ちになる。
松尾:こんなことになるなら番組に出たくなかった。ベテラン勢がカップル成立して上からニヤニヤ見てくるのが腹立った。粗品と組んだ日は一日中ベテランへの愚痴だった。
長田:ベテランには冒険してほしかった。アレは良くなかった。上の人が自分達若手を引き上げてくれてないと厳しい。
長田:若手だけのパターンもやってほしい。だけど変に若手だけ集めて第7世代の中でチョコプラが入っちゃって、残ったらより悲しい。その感覚で言うと今回の塙さんは自分より恥ずかしかったと思う。

若手の立場からすると、ベテランの”なぁなぁの関係”が気に食わなかった模様。気持ちは分かるが、霜降りとかチョコプラの若手勢の方が直近でネタを作って披露してることが多そうだから、感覚が鈍ってない若手と組んだほうが良い!っていう発想はないのかな?ベテランも若手も。あと今回マジの若手って霜降り明星だけだから、何とも言えないよね。

そういった中で若手と冒険をした小峠はお笑いガチ勢間では好感度爆上げ中です。若林も今回はベテランのくっきーと組んだけど、冒険したがりなので今度は若手と組みそう。

〇粗品との実験的なネタ作り

松尾:粗品はやっぱり第7世代の頭を張るだけの事はある奴だった。以前から粗品の才能を買っていて、いつかお笑い界を背負って立つ存在と思っていたので、飲みに誘ったりしていた。
松尾:ネタ合わせでは”どうしたら埋もれないか”を考えた。岩井直美ペアはリズム系のネタでくると予想し、自分達はその次だったのでシンプルなコントをやってもダメだと思った。そこで粗品が凄かったのは「その場でハネるやつか、後々ネットとかで評価されるネタをやるか、どっちが良いですか?」と聞いてきた。自分は欲張りに「どっちもほしい」と答えた。

岩井直美ペアがリズムネタでくることを見事に当てました。まぁ直美がいるとリズムネタっぽさは感じるけど、これまでのドリームマッチではリズムネタはやってないんだよね。

粗品も岩井の様にネタ後の反響まで操ってしまう策士ぶり。現代的な芸人のブレーンを象徴する2人。次は岩井粗品ペアでやろう。衝突もしそうだけど、上手く行った時はとんでもないネタが誕生しそう。

松尾:粗品が「サーモグラフィーを使ってみたい」という提案をしてきた。そこからサーモグラフィありきのネタ作りを始めた。ネタ合わせ中はずっとカイロをつけてやっていた。あの映像は事前に撮った映像ではなく、本当に本番中にサーモグラフィと連動させたLIVE映像だった。なので、袖で半分熱いシャツに着替えてたりしていた。事前に撮ってからやる事も考えたが、本番中の自分達の動きと映像がズレる可能性もあるので連動させることにした。

てっきり事前にVTRを作って動きを合わせたのかと思ってました。これぞ裏話。

〇ネタ作りは順調だったが、上手くいかなかった本番

松尾:塙長田ペアのネタを見て思ったのが、前半部分は塙さん、後半部分は長田が作ったぽい内容だった。
長田:ネタ作りを始める時は2人共頭が真っ白だった。塙さんから漫才の提案をしてきたが、出来ないので断った。しかし念のため即興で漫才を試すことに。案の定、アワアワしてしまったのでコントにすることにした。丁度チョコンヌ(チョコレートプラネット×シソンヌのコントユニット)でやろうとしたが不採用にしたネタがあったので、それを即興で試しにやってみると、バッチリハマった。双方が生きるネタが3時間弱で出来たので二人とも満足していた。セリフなどの台本は塙さんが担当し、自分は設定と小ボケ(グラフなど)を考える担当だった。

特にグラフのボケとか、長田っぽさがあるよね。

長田:初っ端に概ね完成していたので、その後何回か稽古をやってもいい感じだったが、徐々に「?」が浮かぶようになっていた。前日のリハーサルでやった時には「あれっ、コレ大丈夫か?」と不安が強くなった。俗に言う”一番最初が一番面白いネタ”だった。ノリでやっている時は面白く感じたが、帳尻を合わせていくと歪みが出てくる感じ。前日だったので焦って急遽調節を始めてしまい、翌日の本番に挑んだ結果、めちゃくちゃ微妙な出来に。結局、最初に懸念していたローテンションなネタに仕上ってしまった。
長田:塙さんのテンションをお客さんに向けないと、ダメだと思った。コントなので自分に向いてしまっていて伝わらなかった。会議室のサイズでやる分には面白いネタだった。結局こじんまりと収まってしまった感があって悔しかった。塙さんも自分も良さが出ない形に。こうなるぐらいだったら、いっそのこと漫才にチャレンジしてもよかった。

ざっくりとした未完成品の時は魅力的に感じたのに、形づけて完成品にしたら思っていたよりアレっ?ってなるパターン・・・ネタでもやっぱりそういう事はあるのか。

”会議室でやる分には面白いネタ”。キャパ50~60人ぐらいのお笑いライブとかだったらイケたのかな?そうやって考えるとテレビ用のネタではなく、ライブ用のネタに思えてきたし、ハイテンション系に行くべきという長田の自論も少し合点がいくところがある。

〇全体的にウケがイマイチだった今回

松尾:自分の出番が終わるまで、他のペアのネタも笑えない。
長田:全体的にあまり爆発してなかった。「あれっこんな空気かぁ・・・もっとハネても良いのになぁ」という感じだった。そんな空気だから緊張も伝わっていた。
松尾:それでも秋山ノブペアは凄かった。あそこには勝てない。
長田:2人の良い所が出ていて完璧だった。アレこそドリームマッチ。塙さんには悪いけど自分らのペアは残りカスになってしまった。

「実験的な試みが多い故に全体的に笑いの量は少なめ」と、過去のドリームマッチ2020の感想記事に書きましたが、やはり芸人側もそう感じてたのか。

その代わりに岩井直美ペアみたいな、会場ウケだけでなく、Twitterなどのネット界隈で話題になるという戦い方があったのも今大会の特徴でした。

4月度ギャラクシー賞も受賞しましたね。




ー ナイツ ー

※リスナーから「安牌過ぎる富澤土屋ペアの方が問題だと思った」という投稿を受けて

土屋:なんでだよ。
塙:この文章もおかしい。そもそも自分のペア(長田塙)が問題だったみたいな。

・・・・・・・・・・えっ、コレだけ???

今回、芸人ラジオ間ではある意味一番話題だったナイツですが、当の本人達は多くを語らずでした。いや語らな過ぎだって。言い訳でもよかったから塙視点から何か文句やらを聞いてみたかった。土屋も土屋で改めて対応力の凄さを見せつけたので、少し調子に乗ってみてもいいのに、まぁそういう気質ではないんでしょうけど。

一応、ラジオで他にドリームマッチについて語ってないか検索してみると

放送の数時間前にラジオで予告程度でしたが、語ってました。

塙:ドリームマッチは最高に面白かったから。でも僕は今日ツイッターが炎上すんじゃないかと。
土屋:ドリームマッチ収録日のあとにダウンタウンさんと番組出た全員、全10組が打ち上げに参加したけど、塙さんだけ来なかったんだよね。次の日に仕事があるわけでも、予定が早いわけでもなかったのにね。

当然ですが、思うところはあるということです。それを墓場まで持っていくのか、後日談でいつか語られるのか。




ー アルコ&ピース ー

平子:家族でドリームマッチを見てた。子供も嫁もくっきー信者だから、くっきー若林ペアはよだれ垂らしながら笑ってた。
酒井:秋山ノブペアが面白かった。
平子:もし自分が出演していたら、若林を選ぶ。
平子:ただ、想定してるのは、粗品がずっと自分を選んでくる・・・etc

粗品から選ばれる件以降は全部平子の妄想・虚言なので、今回は省きます。本人達のラジオ音源を聞いた方が絶対に有意義です。YouTubeのコメント欄にも沢山書いてありますが、まとめの中で一番面白いのがドリームマッチに参加していないアルコ&ピースという謎。流石は令和のラジオスター。案外本家に出演しても大丈夫じゃないかと思いますが、どうでしょう。粗品平子のギミック満載ネタを見たいです。




ー 霜降り明星 -

〇せいやの相方候補

せいや:ドリームマッチ出演のオファーがきて、出演リストを確認して誰と組むかを想定していた。自分達は圧倒的に後輩なので、もしも自分が先輩のツッコミと組む場合、どうネタを作るか悩んだ。
せいや:最初は伊達さんを選んでた。伊達さんの気持ちいいツッコミを食らってみたかった。スマホで伊達さんと漫才する前提のネタもメモ書き程度で書いていた。てっきり伊達さんもネタを作る人だと思ってた。フィーリングカップル当日に楽屋で伊達さんが「せいやは誰と組むの?」「せいやってネタ作る人?」と聞いてきたので、絶対に自分にくると思った。

伊達みたいなシンプルで強烈なツッコミが人気だよね。最近は若手もボキャブラリ系ツッコミが多いから、伊達みたいなタイプは希少価値が高い。

せいや:変な話、フラれたりフッたりなどのフィーリングカップルの醍醐味を味わいたかったので、1回目に伊達さんを選んだらカップル成立してしまうと思い、敢えて選ばず、伊達さんと同じぐらい組みたかった長田さんを1回目には選んだ。ちなみに小峠さんも伊達長田並みに組んでみたい候補だったが、おそらく選んでくれないだろうと思って諦めてた。

せいやからすればドリームマッチは正にドリームなものだから、遊びたくなる気持ちは分かるよ。前回の放送時にはまだ大学生だったもんね。

そして、長田選ばれてるじゃん!!!チョコプラは自分達よりもう少し若い世代には高く評価されてる気がします。特に長田みたいな”秀才”タイプは先輩からしたら可愛げがなく見えますが、後輩からしたら憧れの対象でしょう。

せいや:2回目は本命の伊達さんを選んだが、伊達さんが選択した相手は、まさかの西村さんであることが分かり、頭が真っ白になった。そこで伊達さんへの気持ちが冷めた。ただの片思いだった。
粗品:演出の妙もあって、せいやが伊達さんを選択って意思を皆の前で見せる事が出来たら、結果が違ったかもしれない。その演出がなかった人は意思表示が出来なくて難しい。

ずっと前から気になっていたのですが、

コメント 2020-05-21 164845

この演出の有無って、かなり運命を左右すると思うのだが、誰判断でやってるのか。司会のダウンタウンかそれとも演出ディレクターか。たぶん演出ディレクターなどの裏方判断でしょうけど。

せいや:一気に焦ってしまい、次は長田さんを選んでた。一方の長田さんも春日を選んでいたので、余計に焦った。そこで遂に小峠さんを選ぶことにした。1回はフラれたものの、そこは演出で可視化された。その時に小峠さんは春日を選んでいた。「春日の前はせいやを選んでた」と後に小峠本人から告げられた。フィーリングカップル後に伊達さんに「てっきり伊達さんと出来ると思ってましたよ」と告げたら、「まぁ、そういう時もあったよ」と軽く流された。

人たらしな伊達みきお。

〇粗品の相方候補

粗品:一番最初はくっきーさんを選んだ。

いた!!!くっきーを選ぶ猛者がここにも!!

粗品:ドリームマッチの出演が決まってからフィーリングカップルの収録をする間にハライチの澤部さんと仕事で一緒になる機会があり、誰と組もうとしているかを話し合った。「せいや、どうですか?」「岩井さんってどうなんですかね?」と尋ねて探りを入れた。澤部さんは「せいやねぇ、確かにねぇ」「岩井は粗品の事結構好きだと思うよ。岩井はあるあるとか好きだし」と返してくれた。それを聞いてから岩井さんと組もうと思い、3回程選んでいたがフラれ続けた。
せいや:岩井さんは最初から直美さん一択と言っていた。
粗品:岩井さんがどこかで考えを改めてくれないかなと思ってたが、フィーリングカップル中に岩井さんが「俺、ずっと一緒の人なんだけどなぁ・・・」ポロッと呟いたのが聞こえてしまったので、傷付いた。

「俺、ずっと一緒の人なんだけどなぁ・・・」←月9みたいなセリフ

〇頼りになる先輩に恵まれた霜降り明星

粗品:でも最終的に組んだ松尾さんとメチャクチャ仲良くなった。他の人とコントを作る事が初めてだったから、コント師の松尾さんが頼もしかった。
せいや:小峠さんがメチャクチャ優しかった。本番30分前ぐらいまで、ネタの内容が変わり続けていた。リハーサルも急遽2回やったり、オチも変わり続けていた。自分が小峠さんにネタの提案をすると、全部採用してくれから、どんどん変わっていった。「もうこれでいいよ」とは言わずにどんどん広げてくれるから遠慮することなくアイデアを出せた。

何となく分かったのは、若林と小峠の2人はベテラン勢の中でも、まだまだお笑いに前のめりだということ。ネタ合わせの映像を見てもめっちゃ楽しそうだもんね。安定感より未知数に手を出して、新しいことをやってみたがりな2人でした。

〇おまけ

※「ラジオでドリームマッチをやるなら誰と組む?」というリスナーの投稿に対して

粗品:中山功太さん。あの人のラジオが大好きだった。
粗品:アルコ&ピースの平子さんともやってみたい。平子さんがラジオでドリームマッチの話をした時に自分をあげてくれたらしいので、気になってる。
せいや:大竹まことさんと組んでみたい。年上の古い話聞いてみたい。爆笑問題の太田さんともやってみたい。

中山功太、大竹まことを選ぶ霜降り明星・・・お笑いガチ勢かよ。

そして、真・ドリームマッチの世界線では平子粗品ペアでカップル成立しましたとさ。



長くなり過ぎました。今後はもう少し簡潔に書けるようになりたい。。。



サポートしてくれたら、よりお笑いコラムの虫と化します。 本業として食っていけるように努力致します。