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笑いの祭典ザ・ドリームマッチが帰ってくる。あれこれ語ってみる 過去編①

ドリームマッチが帰って来るよ。”笑いの祭典”だよ。

相方をシャッフルしてネタを披露するお笑いガチ勢にはヨダレものな番組です。

4/11(土)19:00~22:00の3時間放送


ウィキ情報によると、最後に行われたのは2014なので、約6年ぶり。

今回放送されるのが第11回目とのことですが、”真夏の若手芸人祭り”verも含めると計12回行われました。(本編10回、真夏の若手芸人祭り2回)

ちなみ筆者はウィキの出演者リストを見る限り、一番直近に放送された2014年(第10回)の回以外は全部見てました。

※なんと、2014年だけ「ネタ作り」を担当している方のみでシャッフルコンビだったらしいので、よりお笑いガチ勢にターゲットを絞った仕様になっていたようです。コレを見逃すとは。。。


と、まぁ今回はこれまでのドリームマッチを雑多で振り返ります。

①優勝請負人 さまぁ~ず

②コントの方が披露しやすい!?(おまけで『漫才師 宮迫』)

③M1、キングオブコント世代達の参入

以下の3本立てのテーマで振り返ってみたいと思います。


①優勝請負人 さまぁ~ず

ドリームマッチ前期のMVPはさまぁ~ずと言っても過言ではないでしょう。早速さまぁ~ず信者の偏った意見になってしまいそうですが、これは紛れもない事実です。ちなみに筆者は今回の記事内で第1~5回までは前期、第6~10回と真夏の若手芸人祭りの2回分は後期と呼ぶことにします。この区切り方の意味は後述で書く③のテーマに強く関わって来る部分ですので後に書きます。

さまぁ~ずをMVPと称す理由として一番手っ取り早いのが実績です。

第1回優勝コンビ さまぁ~ず三村×ココリコ田中

第3回優勝コンビ さまぁ~ず三村×志村けん

第4回優勝コンビ さまぁ~ず大竹×出川哲郎

前期5回分の放送で3回さまぁ~ずは優勝しています。優勝こそは逃したものの、第1回のさまぁ~ず大竹×雨上がり蛍原ペアや第5回のさまぁ~ず大竹×ブラマヨ小杉ペアは会場のウケ、司会のダウンタウンや審査員のコメントからして評判が良く、きっと優勝の最終候補まで上げられていたはずです。

意外だったのが、第2回でコンビを組んださまぁ~ず三村×ダウンタウン松本はイマイチだったことです。イマイチと言ってもこの2人のネームバリューの割には・・・ってニュアンスですので、全体の中では悪くない方でした。おそらく当時も「前回優勝コンビのツッコミ担当三村と、あの松本人志が!」といった感じで優勝候補の最有力だったはず。ネタにおいては意外と相性が悪かった様に見えました。今後何かしらの考察に使えそうなサンプルです。

前期は粗削りなネタが多く、特に第1~3回までは出川哲郎、ロンブー亮、ガレッジ川田、キャイ~ンウド、雨上がり蛍原などの相方として組むのに「マジで大丈夫なのか?」って枠の人が多かったので、その中でコンビ揃って優秀なさまぁ~ずは制作側にとっても使い勝手の良いキャスティングし易い存在でした。第3回以降から行われたフィーリングカップル形式でもそれぞれ人気が高かった記憶です。

どの回でも芸歴はダウンタウン、志村けん、ウンナン内村などの所謂”大物芸人”に次ぐ長さで、全体で2番目に芸歴が長い存在だったさまぁ~ず。厳密に言うと常連組の出川哲郎が2番目の芸歴の長さですが「マジで大丈夫なのか」枠なので割愛してます

慣れない相手と短い期間でネタを作って披露するわけですからコンビを組むにあたって、とっつきやすさというのは大事です。後輩からしたら松本人志などの大物芸人と組むのは夢のようなことではありますが、おこがましいと思う気持ちとネタ作り中の気まずさがあると思います。しかしさまぁ~ずの場合、後輩からするとそんな大物芸人と比べると、とっつきやすい中堅芸人で丁度いい!というイメージがあり、上手くいきやすい環境だということです。かつて有吉がアメトークで「さまぁ~ず以下の芸歴は楽屋の挨拶はいらない」という提案をしたことからも、芸人界隈ではさまぁ~ずを基準に大物芸人の区切りを決めてるような節があります。流石に現在のさまぁ~ずを中堅芸人扱いする若手は少ないでしょうが。

つまり前期は、「マジで大丈夫なのか?」枠が多かったという事と、前期も後期も共通する慣れない相手と短い期間でネタを作るという条件により、どうしてもネタのクオリティで勝負するのが現実的に難しくなってきます。ですので、本番中のアドリブ力が優勝へのカギになります。実際に前期のネタのほとんどは舞台設定とボケのキャラだけ決めておいて、後は流れのままにって感じのが多いです。構成の妙で勝負するネタは少なかったです。松本人志がドリームマッチはツッコミの祭典!的なことをラジオで発言したらしいですが、おそらくツッコミはボケと比べて設定などがフリースタイル過ぎたので、地力が試されるということなのかも。

そしてアドリブ勝負となると支配的になるのがさまぁ~ずです。内Pで培われた”追い詰められて花が咲く”能力はドリームマッチにドハマりでした。三村の場合はボケ担当のココリコ田中や志村けんに振り回されながらも、汗かく三村のツッコミで笑いに爆発力が生まれました。普段からドSな大竹のボケに振り回されてるので、田中も志村けんの無茶ぶりもなんのそのって感じです。バナナマン設楽と組んでも優勝出来そう。一方の大竹は本人のアドリブ力というより、ツッコミ(蛍原、小杉、出川など)を振り回して三村のようなアドリブ力を引き出す様な役割でした。小杉はともかく、普段は何もできないポンコツみたいな扱いを受けてる出川や蛍原は大竹によって魅力を引き出されたって感じでしょうか。

まとめると、ドリームマッチ前期は過酷な条件でネタを披露しなければいけない状態で

さまぁ~ずは、とっつきやすく、なおかつアドリブに強いのでドリームマッチ向きだった。だから何度も盛り上げ、優勝をすることが出来た。

そんな感じです。こんなに長々と説明しましたが、ドリームマッチを全部見てきた方ならさまぁ~ずがMVPと言っても「当たり前じゃん」って感覚だと思います。なので、さまぁ~ずがドリームマッチに強かった理由を語ってみました。


②コントの方が披露しやすい⁉

ドリームマッチは前期も後期も圧倒的にコントを披露するペアが多かったです。

気になったのでエクセルで表を作ってみました。エクセルを使ったのは高校の授業以来ですのでご容赦を。見づらいと思うので、ファイルも添付しておきます。

コメント 2020-03-27 043337 (2)

※赤字は筆者が気になった部分です

縦軸(行)は行われた回、横軸(列)は数えた項目名です。左から項目名について説明すると、組数はペア(コンビ)の数です。つまり、披露されたネタの数でもあります。次にその中でコントを披露したペアの数、漫才を披露したペアの数です。漫才を披露したペア(コンビ)はあまりに少なかったので、次に漫才を披露したペアの組み合わせを記しました。

次に漫才師(人)、コント師(人)、両刀(人)、ピン芸とありますがこれは参加した芸人がTVやライブ時に主に披露するネタのジャンルです。例えばバナナマンはコント師なので、参加してる回は2人分をカウントしてます。漫才師とコント師は分かると思いますが、両刀は説明が必要ですね。両刀は漫才もコントも両方ともバランスよく披露するコンビです。今回それに該当するのはダウンタウン、サンドウィッチマン、ジャルジャル、世界のナベアツ(ジャリズム)、飯尾(ずん)、オリエンタルラジオです。この分け方に違和感を覚える人も多いかもしれません。

「ダウンタウンは漫才上がりなんだから、漫才師だろ!」

「サンドはM1王者なんだから、普通、漫才師のジャンルだろ!」

「ジャルジャルはどう考えてもコント師だろうが!」

「ずん飯尾、オリラジが両刀ってどういう事だ?」

こんな疑問があっても不思議ではありません。

ダウンタウンは漫才上がりかもしれませんが、TV進出後は圧倒的にコントを作って披露する事の方が多かったので、そういう意味では両刀だと思います。サンドやジャルジャルもM1とキングオブコント両方で決勝に進出してます。どの相方と組んでも漫才とコント両方イケる達者ぶりを見て両刀に入れました。

さぁここで筆者を悩ませた問題児がナベアツと飯尾とオリラジです。正直、ジャンルが良く分からなかったからここにぶち込んだというが本音です。ナベアツに関してはピン芸人じゃないのか!?と思われるでしょうが、元はジャリズムというコンビであり、組んだり解散したりを繰り返すので今回のカウントすべきジャンルにかなり悩みました。出演時期的(2009年)にピン芸でブレイクしたので呼ばれたのですが、この時はコンビを復活していた時期であり、YouTubeで検索をかけてみると漫才とコントが半々に出てくるので、両刀にしました。まぁナベアツは放送作家でもあるので、どっちも書けるでしょ。

ナベアツより問題児の飯尾とオリラジ。ずん、ってそもそも若い頃のネタも知らないし、検索かけても飯尾のギャグしか出てこないです。この前TVで見たときは”ずん”として漫才を披露していたので、たぶん漫才師だ!と思ってウィキったら「ネタはコント形式が多い」とのこと( ^ω^)・・・

「じゃあ両方出来そうなんで、両刀でいいか」

はい、申し訳ございません。確固たる答えが見つからないので、両刀に無理やりぶち込みました。一瞬「ギャガ―」ってジャンルを作れば良いんじゃね⁉と思いましたが、それだと細分化し過ぎてややこしいので辞めました。

オリラジはネタ動画はそれなりに出てくるのですが、武勇伝やパーフェクトヒューマンを漫才かコントか決めるのはナンセンスです。どちらかに無理やり入れようとすると、漫才とは?コントとは?という別の方向性に話が膨らんでしまい、趣旨から遠ざかりそうです。「ずん飯尾、オリラジが両刀ってどういう事だ?」という疑問には「お答え出来ません」が筆者の答えです。

ピン芸人なんかも地味に厄介でして、元々この項目は設けるつもりはありませんでした。ピンで主に活動する芸人はそれぞれ芸風が漫才師っぽいか、コント師っぽいか考えてみようと思ってました。出川なら劇団の座長だからコント師かなとか、友近は憑依系のひとりコントだからコント師かな、とか。しかし徐々に たむらけんじ、スギちゃん、椿鬼奴 などの「どっちだよ・・・」というピン芸人が続々と登場したので、ピン芸人というジャンルを追加で設けました。


表を見て分かる通り、漫才を選択するコンビは毎回1~2組程度です一度も漫才が披露されなかった回はなんと、3回もあります。前期は特にコント師が多かったので仕方ないかなと思いきや、後期は漫才師の比率が高い回が多いにも関わらず、披露される漫才の数はほとんど増加傾向にありません。

特筆すべきは第6回と若手芸人祭りの1回。

第6回は過去最多出場の14組のペアが生まれた回です。前期と比べても漫才師の数もコント師の参加人数とあまり差がない12人(コント師は16人)。両刀も含めると14人が漫才慣れしている状況です。しかし、14組のペア中、漫才を披露したのは2組だけです。

極めつけは第1回の若手芸人祭りの時は漫才師の方がコント師よりも2倍多くいたのにも関わらず、漫才を披露したペアは0です!

この異常なコントへの偏りの理由を考えてみました。


と、その前に個人的に一番気になったのは、

『漫才師 宮迫』

です。漫才を披露したコンビの欄を見ると、なんと雨上がり宮迫は5回参加して4回も漫才を披露してます。何気に相方のホトちゃんも1回漫才をやっています。

「アレ?雨上がりってコント師じゃないのか???」

雨上がりが漫才師ならまぁ分かるんですが、彼らはコント師です。正直、Excelで表を作ろうとした段階では雨上がりのネタや、何を評価されて売れたかを知りませんでした。大人気だったコント番組の「ワンナイ」は少し見たことがあるので、何となくコント師なのかなとは思ってました。いざ調べてみると、ウィキには「芸風は主にコントを行っている」とのこと。YouTubeで検索しても全部コント。そう、純正のコント師でした。しかも宮迫はコンビのネタを考える方。Excelで作っていく中で、特に宮迫の浮きっぷりが筆者的には気になって仕方ないので、少し話題が逸れましたが書きました。

なぜコントではなく、漫才を選択したのか

これはぜひ本人に聞いてみたい。現在はユーチューバーになってるのでコメントしたら答えてくれるかな。


話を元に戻すと、コントへの偏りの理由として

漫才師もコント慣れしてる

という事です。これは”漫才コント”という言葉があるように、漫才師は漫才中にコント的な展開を披露することもあり、それの延長として純正のコントを披露することになってもすんなり出来るからだと思います。他にはコント番組での経験などです。ドリームマッチに参加する面々は前提として売れっ子です。それぞれ1度や2度レギュラーとしてコント番組を経験したことでしょう。逆にコント師が漫才を経験する機会って・・・番組でもそういった試みはパッと思い浮かばなかったので、たぶん漫才未経験のコント師って、売れっ子だからこそ多いのかもしれません。


漫才は特殊技能性が高い

という事もあるかもしれません。こんな言い方をしてはアレですが、コントの方が漫才より敷居が低いというか、芸人ならクオリティはさておき、作って披露することは割と可能なのでしょう。一方漫才は(変わり種系の漫才は例外として)前提として喋りが上手くないといけません。どちらか一方が喋りが達者であればもう片方はそうでもなくても漫才は成立するケースは多いですが、それには長年相方と培った”間”がものを言います。流石にドリームマッチのネタ作成の短さではそれが困難だと芸人は悟っているのかもしれません。ただ、これには少し根拠が曖昧なので、やはり芸人全体でコントは経験済みが多いから自然とそっちに流れるものなのかなと。

漫才師とコント師という分け方より、ネタを書く方とネタを書かない方という分け方をしてみても良いかなと思ったのですが、傾向として漫才師のネタを書く方同士のペアなら漫才になる傾向にはあります。しかしそういった漫才師のブレーン同士でもコントを披露するパターンもあります。(矢作×岩尾ペア)

逆にコント師同士のブレーンで漫才は・・・あった! 第5回の宮迫×堀内ペア。やはり宮迫がこのドリームマッチの傾向に抗っています。そして相方は堀内という分析泣かせでジャンルに囚われない男。しかもこのペアは面白かった。


・・・と言った具合にコントの方が披露しやすい⁉理由を探っていきましたが、それには

・芸人全体でコント慣れしている

・漫才はボケツッコミ両方に特殊技能が必要

という答えが筆者のはじき出した答えです。漫才の特殊技能についてはまた別の記事で詳細を語ってみたいです。しかし、宮迫という良い意味で浮いた存在と堀内というファンタジスタの方が途中で妙に気になってしまいました。


思ったより記事が膨大になってしまったので、一旦区切って過去編②を書きます。続きのM1、キングオブコント世代達の参入からです。それと併せて筆者的ドリームマッチ傑作選も紹介します。




















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