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ドリームマッチ2020の答え合わせ①

ドリームマッチ2020放送前に書いた見どころや予想の記事と照らし合わせて答え合わせ感覚で感想を書きます。下のリンクが事前に書いた記事ですので、よかったら見てください!


まずペア毎の感想をネタ披露順に書いていきます。

①千鳥大悟×ハライチ澤部

面白坊主ペア。ボケを全部丁寧に拾ってくれる澤部を選ぶ辺り、大悟はきっと新相方もノブに近いツッコミを選んだ感がある。ホントにノブの事が好きなんだな。漫才師同士なので、やはり漫才。澤部のコメント通り「千鳥とハライチのハイブリッド」なネタになってました。

序盤はがっつりハライチ節だが、途中で急展開して千鳥節に。大悟の独特な固有名詞ボケ(イレイザージャンゴ、赤岸鉄平など)を中心に澤部を振り回し、最後はまたハライチ節に戻って終了。バンズがハライチで具材が千鳥というハンバーガー的な構成だった。区切るようなツッコミをせず常に乗り続ける澤部なので、大悟が次々とボケを展開していたが、それ故かアドリブ感が強く、常にフワフワしていた(特に大悟)。同時に楽しそうに見えたけど。

今回の中では珍しく、前期ドリームマッチの空気を感じた。個人的にかなり面白かったが、トップバッターなのが勿体ない。構成や切り口で勝負するペアが多かったので、3~4番目辺りで披露出来たら印象も違ったと思う。もう少し会場の空気が出来上がっていたら、あのフワフワ感がかえって面白い空気になったはず。芸人間では「赤岸鉄平」で笑いが止まったらしいけど、そのネーミングセンスが一番笑った。


②バイきんぐ西村×サンドウィッチマン伊達

これはかなり意外なペア。しかも伊達の方が西村に何度もアプローチを仕掛けた形。伊達はてっきり今度こそ漫才がやりたいからブレーンのボケ(塙、大悟、岩井)から選ぶと予想してました。よりにもよってノンブレーンの西村を選ぶとは。伊達本人もノンブレーンだから困るだろうに。

披露したのはコントでしたが、伊達の趣味嗜好(野球、魁男塾、水戸黄門など)が詰め込まれた、サンドウィッチマン単独ライブ用のネタって感じでした。『哀川頂』とかの類。サンドウィッチマンの公式チャンネルにあるので気になる方は是非。


西村はどことなく富澤っぽかったです。おそろく伊達がネタを書いたからか、富澤ならこうボケそうって感じを西村がやった感じですかね。カメレオン俳優西村。ただ西村って喋り方に特徴があって、そこは普段と同じだったので、あまり違和感なく見れました。本当は富澤ブランドの服を着ているんだけど、服に着られることなく着こなした感じ。

次回こそ伊達はブレーンのボケと組んで漫才で優勝を狙って欲しい。西村は猛獣使いなブレーンと組んで奇人ぶりをより見せて欲しい。


③霜降り明星せいや×バイきんぐ小峠

今回最大の芸歴差があるペア。せいやは芸歴9年、小峠は芸歴24年なので、その差15年です。せいや曰く、バイきんぐがキングオブコントで優勝した時はまだ学生だったとのこと。せいや目線では夢がある今回のドリームマッチ。あと、霜降り明星のブレーンって絶対に粗品だと思ってたんですが、どうやらせいやもブレーンっぽかったのでビックリしました。ネタ作りの様子を見る限り、一番ドリームマッチにノリノリな気がするペアでした。

披露したコントは『多重人格の容疑者を取り調べ』。設定からして中々攻めており、面白そうな展開が期待出来そうでした。終盤に多重人格は演技という急展開も中々に構成の妙というか、ダブルブレーンだからこそ成せるネタのクオリティで面白かった。特にせいやが良かった。コミカルなキャラを次々に展開して使い分けていく様は普段の霜降り明星の漫才とは違う脚光の浴び方をしていました。ここ2人のペアは思ったより相性の良さが光ったのでドリームマッチならではって感じです。


④ロバート秋山×千鳥ノブ

今回の優勝ペア。同期だったんだね。秋山はボケ側では一番ラブコールが多かったです。ノブは、なんと意外なことにTVでコントは初めてらしい。普段は漫才師だけど、売れっ子なら番組でコントは経験する機会が多いので、ドリームマッチではコントを披露する傾向にあります。『ピカルの定理』でやらなかったのか?

優勝ペアですが、正直な感想を言うと、ビミョーでした。まぁ今回は挑戦的な試みをするペアが多かったので、その中でシンプルな構成で強烈なボケと強烈なツッコミでやり取りする彼らのコントは王道スタイルでウケやすいし、優勝なのは概ね納得です。しかし、歴代の優勝ペアと比べると・・・って感じです。ジーンズの件は面白かった。

あまり筆者的に刺さらなかった理由は今回のドリームマッチの総評を後に書くので、そこで併せて詳細を書きます。


⑤ナイツ塙×チョコレートプラネット長田

フィーリングカップルで最後まで残ってしまった不人気ペア。この二人が最後まで残るのは意外でした。特に長田については事前予想で「長田は隠れ人気がありそう!」って書きましたが外れました。「この二人が余りなんて贅沢だな。普通に期待出来そうなペアだけど」ってフィーリングカップル終了段階では思ってました。何気にダブルブレーンなので、ネタ作りはスムーズにいったらしい。テイストは台本を書いてきた塙寄りなのかな。

ネタの感想としては、まぁ不人気ペアならではというか・・・

ただ、塙の演じた胡散臭いセミナー講師はかなり板についてました。新宿のレンタルスペースとかでこんな奴居そう。新しい得意キャラの発見。

長田は良さが消えてしまった形です。チョコプラはネタによってボケツッコミが変わりますが、筆者的に長田はボケのイメージが強いです。というかチョコプラは長田がボケてる時のコントの方が面白いです。『クイズショルダータックル』とか『ポテチの業者』とか。なので、今回はフィーリングカップルの段階で不向きな方の役割だったので、少し可哀想でした。塙はボケを譲らないだろうし。本職のツッコミと比べるとややインパクトに欠けるし、長田お手製の小道具も特に登場しないし・・・終盤のグラフのボケは面白かったので、アレをもう少し早くに出して、そういった方向のボケを繰り出せば長田の小道具も出せたんじゃないかな。

塙は漫才の分析は抜群ですが、コントでは相方の良さを分析出来なかったのが中々に皮肉です。


⑥サンドウィッチマン富澤×ナイツ土屋

今回一番安定してそうな正統派ペア。故にあまりハラハラドキドキしない組み合わせだけど、間違いなく面白いネタを披露してくれそう。

しかし披露した漫才は安定どころか、実験的な目新しいものでした。普段のサンドウィッチマンの漫才とは真逆なぐらい入り組んだ構成だった。しかしながら面白い。富澤はやっぱりバケモノだった。流石はM1審査員。

メタ的表現がてんこ盛りな漫才。トップバッターの大悟澤部ペアと同様に普段の漫才でのお決まり展開を掛け合わせたハイブリッド漫才。しかし、大悟澤部ペアとは工夫が全然違う。コッチはより入り組んでいる。最初はナイツの言い街違え(通称:ヤホー漫才)からつかみ、観客に背中を向けて漫才のリハーサル。フリの部分なのにコレが割と本粋のクオリティなのがウケる。ここもフォーマットはヤホー漫才。そして正面を向いて披露すると富澤がボケないというボケ、土屋はツッコミのはずなのにボケの発言に言い直すアベコベぶり。最後に「ボケろよ!」とツッコむまではもはや土屋がボケになってる。背中を向けたら出来たのに、正面向いたら役割が入れ替わる表裏一体な構成。次も背中でリハ、正面で本番という展開をするも、2回目なので正面向いたら富澤は練習と別のお題から入るというボケで土屋が早々ツッコむショートカット。1回目と同じように富澤が正面ではボケないというボケを敢えてやらずに別の角度からシンプルにボケて中だるみさせない技術がプロっぽさを感じる。

そして次はなんと土屋が主導権を握る展開。サンドウィッチマンみたいな漫才コントがやりたいということで土屋がボケで、富澤がツッコミというアベコベ。サンドテイストの漫才なら富澤は富澤の役をやれば良いのに逆っていうのがミソ。後はサンドっぽいテイストでひたすら土屋がボケ続け、富澤がツッコむ。富澤は何故かオーバーなリアクションでツッコむからちょっとボケっぽかったけど、一応ツッコミ。オーバー過ぎて背中を向けながら大声でツッコんでたけど、カラダを反転させるとアベコベになるっていう裏設定でもあるのかな?

普段のコンビでは見せることがない富澤と土屋の一面を見せまくった凄い試みの漫才でした。かなり実験的だったので、正直爆笑に至るほどではなかったのですが、この構成は只々凄い。この構成でより完成したverを見てみたい。ネタを書いてきた富澤は当然の事、土屋の対応力もエグい。アメトークでツッコミ界の”精密機械”って称されてましたが、その精巧さに惚れ込んで富澤はこんなネタを考えたっぽい。


⑦ハライチ岩井×渡辺直美

『ピカルの定理』メンバーのペア。最初から渡辺直美に決め打ちしていた岩井。ハライチでは出来ない、直美が相方だからこそ出来るネタがある!っていう正にドリームマッチの醍醐味。そしてまさかの「バズりたい」願望。

『調味料の魔人がもてなすエンタメ系レストラン』というコントを披露。これは確かにハライチのイメージにはないネタだな。直美ならこのディズニーっぽい世界観にドンピシャ。ハライチだとこのテイストのコントをやっても世界観にスッと入りこめないだろうな。直美を最初に登場させて「あぁそいう世界観か」って納得させるのがミソ。いや、醤油。もし最初に岩井が登場してたら、たぶん少し変な空気になってコントが進むことになると思う。仮に澤部が魔人に扮して最初に登場しても同じく変な空気になっただろうし、ハライチでは難しい設定のコントだった。

コレも設定はかなり面白く、岩井がイキイキしてるのが絶妙に面白い。終始同じ展開だったから、ちょっとしつこい気がした。しかし、バズるのが本当に目的なのだとしたら、ちょっとしつこいぐらいが見る人の脳裏に焼き付くからコレは狙いなのかもしれない。そしてその思惑は見事果たせたと言えるだろう。Twitterでもこのペアが病みつきだったという声が多い。おそらく今後、このネタを元とした企業案件もありそう。CMやらイベントやらで。

次の仕事に繋がるコント。”策士”岩井ここにアリ!っていうペアでした。ある意味、一番の勝者。


⑧チョコレートプラネット松尾×霜降り明星粗品

これもかなり意外なペア。”粗品は誰と組みたいのか”。フィーリングカップルにおいてはココが一番気になるポイントでしたが、松尾ってのはノーマークでした。春日や西村みたいな操り甲斐のあるラジコン、もしくは富澤や塙みたいなガチガチのブレーンと漫才をやってみたいのか、なんて思ってました。

披露したコントはコレもまた構成で勝負するタイプのネタ。というか構成に全振りしたみたいなコントです。友達を家に招いて、もてなすという設定で何気ないやり取りを終え、次はサーモグラフィ映像を見せながら全く同じやり取りを見せることで隠された要素があぶり出る手法のコントでした。というかホラーでした。

漫才師の粗品が考えたネタですが、やはり才能がえげつないです。お客さんを選ぶぐらいに少し突き離した発想はコント向きな気もします。『粗品が今一番やりたい企画TV』で魅せたタイムループ要素を持ち込んだロケといい、笑わせるネタというより、全く新しい切り口を試してる節があります。ネタ作り時に発言していた「エゴサーチカードバトル」なんかも面白そうな臭いがします。

コメント 2020-04-14 195416

※Amazonプライムビデオの大阪チャンネルを登録すると見ることが出来るので、是非! メチャクチャ実験的なバラエティです

少し気になったのはやり取りでの粗品の喋り方が完全に漫才口調だったことです。ワーカホリックなのか?まぁ別にコントに支障をきたすレベルではなかったのですが、少し違和感がありました。

ただ支障をきたすレベルで気になったのは松尾の方です。チョコプラ時でもよく使う奇声ボケ。今回も幾度か使われてましたが、正直邪魔でした。その奇声が後に意味があったり、奇声そのものがボケの中心部という事なら問題ないのですが、特に意味なく奇声をされたら趣旨とブレるだけです。特に今回のような構成で勝負するタイプのネタではやるべきではないです。チョコプラの時もコントでも意味なく奇声ボケをかますことが多いですがマジでいらないです。平場でやるには大いにアリですが、ネタ中はブレるだけです。しかもそんな奇声に加えて、性別やキャラに含みがありそうな部屋着衣装。見終えて、ただの同性の友達って関係性だと分かりますが、あの感じだと何か意味ありげなのかなと勘ぐってしまいます。普段の相方である長田も「松尾は緊張するとネタの設定とは関係ない柄物を着だす」ってコメントがあったので、本当に何も関係ないことが分かります。

なぜ粗品は松尾を選んだのか。今でも疑問ですが、粗品の才能の片鱗が見れたので良かったです。この書き方だと筆者は松尾のことがキライと思われるでしょうが、平場なら全然アリなボケな事をお忘れなく。IKKOのモノマネとかやっぱりハネるしね。


⑨野生爆弾くっきー×オードリー若林

最初にカップル成立したペア。若林はツッコミ側では一番ラブコールが多かったです。ヤバい人が好きな若林がくっきーを選びたくなる感じは分かるのですが、くっきーが若林を選ぶのは意外です。絵をかいてからネタを膨らませるくっきーは芸術家っぽい。若林の「タランティーノみたいな作り方する」って発言が妙に納得出来ました。

ネタを書いたくっきーが「果たしてこれはお笑いなのか」と自問自答。そんなスケールのコントをぶちまけました。ツッコミを排除して若林も端からくっきーの世界の住人となってました。この物語の前後が気になって仕方ないです。

コメント 2020-04-14 061223 (2)

コメント 2020-04-14 061855 (2)

筆者的に今回のドリームマッチで一番笑ったペアです。それにしてもくっきーはガラスを突き破るボケが好きだな。かつて矢作と組んだ時のドリームマッチも家の窓ガラスを突き破ってました。でも何度見ても笑っちゃんだよなぁ。今回も美術費がぶっちぎりで高そう。矢作と組んだ時は130万円だった。相方が若林である必要性はなかったのですが、ツッコミを忘れてノリノリで血だらけになっていましたので、まぁいいか。若さま楽しそうだったな。


⑩オードリー春日×南海キャンディーズ山里

4回のラブコールを経て春日をものにした山里。この時点から彼らのネタは始まっていた。上下関係がハッキリとしている2人。若林と組めないからってその隣にいる春日を選ぶ辺り、不倫相手の身内に手を出すみたいな高度な変態プレイ。しかも若林にしろ、春日にしろ、山里はマゾの立場を築いてしまう。もうどうしようもない変態だ。だが、『それがいい』。何気に春日は山里以外からもラブコールがあったりと結構人気があったね。オードリーの八面六臂ぶりが顕著だった。

そんな2人が披露した漫才は『たりないふたり』を彷彿とさせるメタ的要素がてんこ盛り。富澤土屋ペアと同様、漫才中に漫才のリハをやる構成。お笑いの込み入った事情をひけらかすメタ漫才。もっと言うと、山里の裏側を露出する漫才。しかし、これは当然山里が考えた台本なので、自作自演の露出SMプレイです。(変態性の)レベル高すぎです。

という事で今回は春日を利用して自分(山里)のお笑いスキルを見せつけた形になります。いやらしい男です、しかし、それが面白いんだから凄い。後半に春日の注文通りのツッコミを演じながら最後にエスカレートして山里節で独壇場にする件は最高でした。


この後に総評を書きたかったのですが、かなりのボリュームになってしまったので、一旦区切ります。part2に総評の記事を書きます。


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