お金を払って見るディープなお笑い③
最後となる③は以下の2つのライブについて書きます。ライブレポなのに書くペースが遅すぎて鮮度が終わってることに猛省。
2/18 ロングコートダディのとんぷう~ゾフィー編~
2/27 金属バットもういっちょ2周年記念オンラインフェス
2/18 ロングコートダディのとんぷう~ゾフィー編~
ロングコートダディがコラボしたいコント師とツーマンしちゃうライブ。今回が2回目でグレープカンパニー所属のゾフィーとのコラボでした。ちなみに前回の第1回はTHE・GEESE。
まだ第2弾までしかやってないので、このライブシリーズのコンセプトは分かりませんが「THE・GEESE、ゾフィー...」と、きてるので「共演する機会が少ない東京の非吉本のコント師とコラボがしたい!」って目的な気がします。ちなみにロングコートダディは大阪吉本です。とすれば次は、かが屋、ザ・マミィ辺りかな?
コラボしたコント師達は上記画像の動物シルエットのどれかに当てはめられます。ロングコートダディがそのコント師を画像の動物シルエットの中からイメージ出来るものに(無理矢理)当てハメます。とんぷうの「と」の左隣にあるフラミンゴのシルエット内に「THE・GEESE」と記されています。猪のシルエット内には今回コラボしたゾフィーの名も。このツーマンライブのゴールは上記の動物シルエット集を埋めることっぽい。スタンプラリー感覚。
ー ライブ構成 ー
■兎VSサイトウの構図
最初は2組でフリートーク。今回のライブMCは何故かロングコートダディの兎の方。敢えてブレーンの堂前にやらせず、天然の兎が担当する事が結果的にこのライブの肝でした。案の定、兎のグダグダなMCぶりに一同で総ツッコミです。
初っ端からいじられまくる兎ですが、何故かゾフィーのサイトウにだけは対抗意識メラメラで風当たりが強い、という関係性を築きます。お互いネタを書いてない方のマウントの取り合い。兎曰く「サイトウさんは(自分と)同じ匂いがする」とのこと。
■交互にコントを3本ずつ
ロングコートダディ 青春づくり・遭難・あだ名づけ
ゾフィー 子供探偵・2人の新任教師・麻薬捜査
計6本のコントを堪能出来ました。筆者は全部初めて見たネタだったので、お得感満載。筆者的に面白かった、凄かったと思ったネタは太字にしてます。ロングコートダディは3本とも全部安定して面白かったのですが、ゾフィーは「2人の新任教師」「麻薬捜査」が強烈でした。特に3本目の「麻薬捜査」はメチャクチャ凄かったです。詳細は感想パートで書きます。
■質問コーナーとバドミントンと"大人”だったサイトウ
最後はお笑いライブでは常套の質問ボックスのコーナー。質問が書かれている紙の中に一つだけ”バドミントン”という紙が混ざってます。それを引いたら4人で只ひたすらバドミントンを楽しむだけです。どうやら前回ゲストのTHE・GEESEの時もバドミントンをした様です。完全に親睦目的。
ちなみに質問コーナーの時に明らかになった衝撃の事実として、ゾフィーのサイトウは最近まで居酒屋を3店舗経営していたらしいです。それがコロナ影響で2店舗が閉店し、4000万借金がある、というヘビーな出来事をサラッと言ってました。ちなみに現在40代でバツイチで再婚もしてます。一番上の息子は既に成人です。紛れもない”大人”だったサイトウさん。『チャンスの時間』でも”大人”イジリをされてました。
ー 感想 ー
■ゾフィーのコントは強烈
上記で触れた「麻薬捜査」のネタについて。ネタの内容・構成的に「展開が凄い!」「オチが秀逸!」とかのタイプじゃないので、軽く内容を書きます。2人共刑事という役柄で、犯罪現場にあった麻薬を上田が吸って病みつきになってしまう、という内容です。コレだけなんですが、その麻薬で病みつきなっている上田の演技がとにかく凄かった。コレは是非ネタライブで見て欲しい。内容的にキングオブコントなどのテレビ媒体で披露出来るかどうかはグレーゾーンなので。YouTubeでいつかアップされるかな。
ゾフィーのコントって”強烈”なものが多いんですよね。2019年キングオブコント決勝で披露した「謝罪会見」も芸人界隈で話題になったらしいですし、自身の名を轟かせる初めてのチャンスだった2017年 キングオブコントの時も「母が出て行った」を披露し、その内容が故に少々炎上しちゃいました。つまり、結構尖ってるコント師です。厳密に言うと「ゾフィーが尖ってる」のではなく「ネタを考える坊主の上田が尖ってる」のですが。内容・メッセージ性の強烈さだったら、今ライブで披露した「2人の新任教師」も凄かったです。
コレとかはある特定の人物に対して盛大にディスってます。ゾフィーのおすすめ記事みたいになってしまってる。
■ロングコートダディの兎が今ノっている!
このライブでMCを務めたロングコートダディの兎。自由奔放なMCぶりに共演者達もツッコミやイジリが追い付かないほどでした。天然がウリの兎ですが、最近は吉本の同世代だけでなく、先輩芸人や別事務所の芸人などにその存在とキャラが浸透してきています。
近い内にお笑い界に新しい”天然キャラ”としてブレイクしそうな気がします。あの絶妙なルックスと喋り方から醸し出す「腹立つけど、面白い」感はこれまでの天然キャラ界隈にいそうでいなかったタイプです。
でもこの「旅人」のコントとか見ちゃうと、天然キャラは意図的に出来たりするのかな?とか思っちゃうよね。天然キャラにありがちな演技とか絵心とかの芸術スキルがメチャクチャ高いパターンかもしれない。けれど、なんとなく兎はソレじゃない気がする・・・掴みどころがない男。
「ネタが面白い!」の王道路線で知名度を上げても、その先の「バラエティ番組でどう扱ったら面白いのか」という部分で躓く人が多いお笑い界。その点でロングコートダディはネタは当然の事、コンビ揃って醸し出すユルッとした雰囲気はどんな番組で誰と共演しても笑いを生み出しそうな万能性を感じます。今回は他事務所であまり絡みがなかったゾフィーとのフリートークも面白く、相性抜群でした。
■このライブが一番面白かった
1月から2月にかけて堪能した配信形式のお笑いライブ。計6つ鑑賞しましたが、このライブが一番面白かったです。メインのネタもどれも面白く、サブのトークやコーナーも兎の奔放なMCぶりと”大人”なサイトウと笑い所が豊富。それを一歩引いてフォローするブレーンの堂前と上田。非常にバランスの良いライブでした。
他のライブもネタ部分は間違いないんだけど、トークやコーナーになると探り探りな時間が長くて微妙な空気が流れる事が目立ちました。このライブはそんな微妙な空気を”絶妙な空気”に変えるロングコートダディのユルさと皆を巻き込む兎の天然ぶりがあったおかげか、ずっと面白かった。
2/27 金属バットもういっちょ2周年記念オンラインフェス
テレビ朝日が運営するYouTubeチャンネル「もういっちょTV」でレギュラー番組をもつ金属バット。その「金属バットもういっちょ」が見事に2年もったので記念の生配信ライブ。ちなみに普段の「金属バットもういっちょ」ではピー音(放送禁止用語)とモザイクの盛り合わせ状態です。そんな金属バットで生配信っていうのはド派手な自殺行為。コレは見るしかないぞ!!!
もういっちょTVのコンテンツ欄を見て頂ければお分かりになりますが、ほぼ金属バットorアイドルファン層にターゲットを置いてるチャンネルです。そして再生回数や動画数などを見ると・・・金属バットが断トツなので、
もういっちょTV = 金属バットの番組
みたいになってます。そりゃテレ朝側は暫く金属バットを手放すわけがない、という大人の事情。「アメトーーク」にも過去に2回出演したし、テレ朝だけは金属バットに何かを期待してくれてるのはファンにとっては非常に嬉しい。。。M1もテレ朝だしね。そろそろ「バラバラ大作戦」の方に名乗りを上げても良いんじゃないかな。
この「もういっちょTV」チャンネル自体が発足して約2年です。つまり、起ち上げの段階で「金属バットとアイドルの2本柱でいくぞ!」と頭のおかしいお偉いさんが存在してくれたおかげで、今に至っています。しかし”テレビ朝日が運営するYouTubeチャンネル”だというのに登録者数や諸々のコンテンツの再生回数を見る限り伸び悩んでるのが正直なところ。金属バットだけが順調に再生回数等を稼いでるので、最近は「金属バットもういっちょ」のアップ頻度だけやたら多い。素人目でも必死さが伝わります。
そんな金属バットだけが好調な事を参考に「芸人のチャンネルをもっと増やすぞ!」と意気込んで約1年前に蛙亭を抜擢し「蛙亭もういっちょ」を増設したのに当時はあまり伸びなかったことが原因か、開始から3カ月後には新規動画がアップされなくなりました。。。しかし、その直後に蛙亭がテレビで引っ張りだこになってブレイクしたので、過去の蛙亭もういっちょ動画の再生回数だけ見れば金属バット並みに順調に見えます。タイミングが悪かった。
とまぁ、そんなもういっちょ事情が前置きとなって長くなりましたが「唯一の希望の光となっている金属バット」という感じにはなっている事はお分かり頂けたかと思います。
※筆者は金属バット信者ですので、3割増しで誇張してます。
ー ライブ構成 ー
■間違いなく、番組プロデューサーは早死にする
この番組のプロデューサーを務める高橋P(通称:TP)。芸人畑出身で将来はラーメン屋一本で食っていく野望があるそうです。前述の通り、ピー音(放送禁止用語)とモザイクの盛り合わせが通常運転の番組ですので、生配信となると金属バットにガチでSTOPをかける人が必要であり、その担当者の負担がえげつない事は容易に想像できます。今ライブではそのTP以外にもお偉いさん達が数人現場に居た模様なので、いつも以上にTPの金属バットへのガチ対応が観てるコッチ側にもピリピリ度が伝わりました。金属バットはそれでも懲りずにギリギリを攻めては、ほとんどがギリギリアウトなワードばかり。これぞ生配信。
■金属バットに耐えうる鉄人アイドル・沢口けいこ
シーズン2から時々ゲストやアシスタントとして駆けつけてくれるほぼ準レギュラーのアイドル沢口けいこ。”可愛いだけじゃ物足りない、大人の遊び場へようこそ”というコンセプトで活動してるprediaのメンバー。そのコンセプト通りメンバー全員がアラサーで構成されています。社会人歴がしっかりあるということもあり、金属バットの訳の分からないボケや専門的なワードに対して”動じない”事が出来る稀有な女性アイドル。ちなみに彼女も「キニナルもういっちょ」という番組を持ってます。今ライブでは(監視役)になってますが、要するに司会進行です。実質の監視役はTP。金もうの主な登場人物は金属バットとTPと沢口けいこの4人ですね。
■金属バットに賭けてくれるテレビ朝日
「金属バットもういっちょ」はシーズン制をとっており毎回(一応)コンセプトがあります。今ライブの半分はこれまでの撮影の裏話についてです。
裏話の一つとして「当初はシーズン1で終わる予定だった」らしいです。なので、撮影日を1日だけにして撮れるだけ取ってサヨナラする予定だったらしい。マジでヤリ捨て感覚だったのが酷い(笑)。友保も「雑なエッチをしてる感覚だった」との事。
そして「シーズン2は別のタレントで始めるつもりだった」とのことですが、その候補というのが、四千頭身・EXIT・眉村ちあき だったらしいです。筆者は眉村ちあきは存じ上げてないですが、今を時めく四千頭身・EXITを跳ねのけて続投してるのはマジで凄い。続投したのも「金属バットもういっちょが面白かったから」というシンプルイズベストな理由。ちなみに候補だった四千頭身・EXITには一度オファーを出してOKをもらっていたのに、それを白紙にして金属バット続投を選んだらしいです。テレ朝には最高に頭のおかしいお偉いさんがいるぞ!!!(誉め)
他にも滑った回の反省、好評だった回、共演した素人やタレント達の印象や思い出話等々を語ってました。まぁ半分ぐらいはボケとピー音発言です。
■コーナーと見せかけての大喜利&アカンワードタイム
ライブ配信を見てる人に向けて金属バット側から逆質問のコーナー。最初に「金もう視聴者はどんな層が観てるのか」を知りたいということで、視聴者の年収をTwitterでハッシュタグをつけて自己申告してもらってました。
次の質問が「最近食べたもので一番美味しかったのは」・・・2つめの質問で消化試合と化しました。そしてそういう時に金属バットはマジでアカンワードを連発しまくり。この時は流石にTPからも一番ガチっぽい注意が入りました。
■生配信ライブなのにガチ休憩する金属バット
「司会進行の沢口けいことファンが交流するコーナー!」と称して金属バットがガチでタバコ休憩をする時間帯でした。なので金属バットはその場を離れ、その間は沢口けいこ一人でフリートークをする、という相当に無茶ぶりなコーナーです。約10分ホントにちゃんとフリートークしていた沢口けいこさんも凄いし、これを予め盛り込んでくれてるスタッフの優しさたるや。。
■再び大喜利
しかしそんな恩義を仇で返すのが金属バット。次の「沢口けいこプロデュース」のコーナーまでには戻ってくる段取りなのに、マジで戻ってこないのでガチ焦りするTP。仕方ないので金属バットなしでコーナーをスタートさせたら少し遅れて再登場。
「アイドル・沢口けいこがさらに飛躍するためにプロフィールを金属バットにプロデュースしてもらおう!」というコーナー内容です。つまりは大喜利タイム。
■こばちゃん、誕生日おめでとう!!!
金属バット小林圭輔の誕生日記念のコーナー。金もうではすっかりお馴染みの小林×足つぼの組み合わせを堪能した後は、待望のお漫才。皆が誕生日小林のボケに大げさに笑ってあげる、という茶番仕様でお送りしてました。
漫才パートはYouTubeでもアップされてるので是非。
■新たなもういっちょに「ランジャタイ」
ライブの最後は「もういっちょTV」で新たにレギュラーを務めるタレントの発表とご挨拶でした。新たにランジャタイがもういっちょファミリーの仲間入りです。「金属バットもういっちょ」とは別に「ランジャタイもういっちょ」が近日スタートします。
金属バット・蛙亭・ランジャタイ・・・すげぇセンスだよホントに。
ー 感想 ー
■テレ朝ありがとう!!!そしてこれからも金属バットをなにとぞ!!!
構成が長くなってしまったので短めに書きます。金属バットファンには最高なライブなのは言うまでもありません。ホントにテレ朝さんはいいセンスを持ってらっしゃる。これからも見続けるので何卒宜しくお願い致します。
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