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あふろのひとりごと「その名は紅茶豚」


真打ち登場。

友人から頂いた手料理の大トリであり、
未知との遭遇である料理、

その名は

「紅茶豚」。


友人からその料理名を聞いた時は、

「豚が紅茶を飲んでリラックスし、
 ストレスなく育ったので肉が美味しい、

とかそういうやつかな?」

と思ったのだが、

そういうアフタヌーンティー的な
わけではなく、

「紅茶で煮あげた豚肉を
つけ汁で仕上げる料理」とのことだった。

これが「紅茶豚」


本来は、写真のように
「薄くスライスしてお召し上がりください」
なのだが、

いかんせん、
わが家には包丁もナイフもフォークも
ないので、

「お縄頂戴します」
罪な美味しさ


このような姿のままで登場した。

しかも、つけ汁にどっぷりと浸かっており、

「紅茶を飲んでリラックス」
どころか、もはやもう湯治状態。

「お召し上がりください」


それでも、私とオネーギン(姉)は
「紅茶豚! 紅茶豚!!」と、
心躍らせ、
箸を駆使して頬張った。

ほう……これが紅茶豚か……
うむ、美味である。

姉妹は無言で紅茶豚と対峙し、
また、堪能した。


英国の香りがする名の「紅茶豚」。
なんという優雅でハイソサエティな
響きであろうか。

しかし、
必死に箸で凧糸をよけながら
肉を切ろうとし、
つけ汁の中から
肉のかけらをすくい上げて食べようとする
その二人の鬼気迫る形相や所作は、

間違いなく、社交界デビューなど
無理な話なのであった。



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