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あふろのひとりごと「中華に抱かれた夜」


25円のうどん
パックごはんにふりかけ
即席みそ汁

ほぼ毎日登場する、
わが家の食卓の顔。

諸般の事情により
なかなかストイックな食生活を送っており、
もはやミート様などは
手の届かない遠い憧れの存在となっている。
meatにmeetできない日々。

そんなある日、友人が

日々の介護生活に奮闘している
アフロとおバカな家族たちへ
「ご褒美」と称して、
素敵な中華オードブルを贈ってくれた。

華麗なる中華たち


おぉぉぉぉぉぉ……!!!


絢爛豪華な衣装をまとい
美しく光り輝くその姿に、
アフロとオネーギン(姉)は息を呑んだ。
唾も飲んだ。

もう見るからに
その美味しさを物語っている麗しさに、
見ているだけでもうっとりさせられたが、

実際に味わったその美味たるや、
それはもう身も心も舞い上がる
フライハイ。
蝶になり舞い上がる
フライハイ、バタフライ。


一口食べるごとに
目の前に広がる万里の長城に心は登る。
目を閉じて、
美味しさと幸せを味わい、噛みしめる。

あぁ、あんかけの海に溺れたい。
春巻きに身も心も巻かれ、
こんな春雨ならずっと打たれていたい。

しあわせは悠久の時。


しかも、気の利く友人は、
かつて私達を酔わせてくれた
黄金色のにくいお方も
連れてきてくれたのだ。

久々の再会に、
涙も泡もあふれた。


料理の美味しさはもとより、
それに友人の優しさが加味され、
これまで食べた中華の中で
一番美味しかった。


人生において
苦味酸味たまに甘味、と、
いろんな味を味わってきて
正直もうお腹いっぱいになり、

もう何も味わいたくない、
と思ったりもしたが、

まだまだ貪欲に
これからもいろいろな人生の味わいを
頬張って生きてやろう、と思った。


こうして今、
私の体を動かすのも
いつもの食卓の顔ぶれがあってこそ。


この甘美な夜のことは
よき思い出としよう。



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