あふろとおバカな家族たち① 「オバカ屋敷へようこそ」
その家からは、
たびたび奇声が聞こえてくるという。
ときには、怒号、罵声、高笑い、
そして、絶叫……
とにかく、
やかましい家(族)のようだ。
なにしろ、住人は
けったいな人間ばかりらしい。
どうやら、こんな変わり者たちが
住んでいるようだ……
あふろ
頭がブロッコリー🥦
傍若無人でムラ気な性質。
かなり短気なため、家族からは
「令和の(かつては平成の)織田信長」
と呼ばれている。
オネーギンからは「胡散臭い詐欺師」、
甥からは「情緒不安定なゴロツキ」
と思われている。
オネーギン
あふろの姉。
あふろから(プーシキン作『エヴゲーニイ・オネーギン』より)その名で呼ばれているが、
本人はその小説の存在を知らない。
ヒアリングと滑舌が悪いため、
会話の大半が禅問答のようになる。
食欲旺盛で、
その食欲に歯と胃腸と膵臓がついていけず、365日ほぼ毎日体調が悪い。
おかん(きいこちゃん)
あふろとオネーギンの母。
誇り高きボルゾイ。
かなりの認知症で持病あり。要介護状態。
天真爛漫で永遠の乙女のようだが、
たまにウラの面「ウラきいこ」が顔を出し、
悪態をつく。
甥
オネーギンの息子。
叔母(あふろ)の英才教育で、
子供の頃から笑いには厳しく育てられた。
あふろの奇行を見て育っているため、
あまり物事に動じることがない。
おかんには、座敷わらしか何かだと
思われているようで、
「上(2階)の子」と言われている。
おとん(故人)
あふろとオネーギンの父。
キング・オブ・スカタン。
生涯、そのスカタンぶりを遺憾なく発揮し、
スカタンの殿堂入りを果たしている。
「おとんのすかたん語録」なるものがあり、
家宝とされている。
気が短く「もうやめてまえ」が口癖。
あふろの短気は父譲り。
このようなおバカたちが、
日々、泣いたり笑ったり
わめいたり罵り合ったりしながらも、
シリアスにはなりきれず、
まわりの人たちに随分と助けられながら
どうにかこうにか生きているようだ。
あふろが
そんなおバカな家族たちのエピソードを、
ぽつりぽつりと話し始めた……