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大学生に人権を
大学の通信課程に編入したら
大学生の日常も大事だ
というハッシュタグを見たことがあるだろうか。
マスコミが取り上げるのは、ひたすら偏っている情報なので、
もしかすると、「大学生はオンライン授業で何の支障もないでしょ!」
と思っている人もいるかもしれない。
「もっと早くオンライン化するべきだっただろ?」とか。
とんでもない。
もう一度書く。
とんでもない。
何十回でも書きたい。
なぜかと言うと、私自身がこの4月に、某大学の通信教育課程の3年に編入しているからである。
随分前から考えていて、色々な方向から勉強したいことと、取れる資格を検討していたのだが、この際大学に編入しよう、と考えたのである。
休校要請直前に出願手続きを済ませ、その後、まさか世の中がこんなことになると思わずにいた。
合格通知が来た時には時既に遅し…といった状態であった。
こんな状態だったら、何もこの年に入学しなかったと思う。
大学が全てオンライン授業となり、「これなら通信制と同じだ!」
の声も上がっていたが、
いや、通信も色々あって、私の場合、オンデマンドは一切なく、レポートとスクーリング制度で、通学に比べたら少ない貴重なスクーリング、対面授業の予定だったが、結局、スクーリングはオンラインに変更となった。
そして、なぜかオンラインに変更になったら、日数が減り、減った分は課題レポートの提出。
この課題の量がすざまじい。
仕事を調整して、スクーリングの日程は確保していたが、オンライン授業をひとつやるたびに、1か月がかりで書くほどの課題が出される予定など立てていない。
通学がオンライン授業となり、通信どうなるのだろう?と、連絡をしても、「スクーリングがどうなるかは今調整中です。決まり次第連絡します。」とだけ。
とりあえず、スクーリングがひらすら延期、延期、となっていく中で、「通学のオンラインの対応に追われているのだろう、まあ、でもスクーリングは、週末だけだし、延期しつつ、通学の夏休みくらいからやるだろう」と考えていた私に来た連絡は、延期された全てのスクーリング予定だった科目も含め、オンライン授業に変更とのことだった。
しかも、なぜか日程は減らされるとのこと。
日程は減らされオンラインに変更。ここまで延期されてきた分がギュウギュウ詰めで押し込まれてきた。
どこかで、もともとのスクーリング日程に追いつこうということか…。
いざ、始まったオンライン授業。
オンライン授業の実際①
私自身の体感として
「これ、大学生に精神を病む子や、身体を壊す子、下手すれば自殺する子も出かねない」
という危機を感じ、何か一石を投じたい、と考えていた。
私も大学生の日常も大切だ、のハッシュタグをつけて書きたいことが色々あったが、(大学3年の息子も、全国の大学生同様この春から大学に
足を踏み入れていない。)課題に追われて書けずにいた。
そうしている間にも、大学生の置かれている状況は全く何も改善されず
懸念していた状態に陥っている人達も出てきているのを、最近の報道やSNSを見ていて感じていた。
書きたい…しかし、とにかく課題の量がすざまじい。
普段、文章を書いている私が感じるのだから、これは通常の大学のイメージで入学した子達は大丈夫だろうか。
大学はある一定の文章を書く能力だけが、求められる所だったか。
◯十年前、卒論を書いた時でもこんな文字数書いたことがない。
本を一冊出版するより遥かに多い。
オンライン授業を一回やるごとに、課題が出るので、延々と書かなければならないからだ。
仕事をしながら、資格を取ったりする人にも対応の、通信制ではなかったか。
スクーリングで、丸一日かけて終了する分を課題レポートに…って理屈らしいが、丸一日などでとても終わるわけがない量である。
さらに、やってない所を学生が自分で学習して書くような課題にしてください、と先生達に指示が出ているようだった。
それが、対面授業の補いになるということなのだろうか…
先生達は学生に同情的で、Zoomでの丸1日ぶっ通しの授業に色々工夫してくださっている。
「オンラインでスクーリング分の日程やった方がいいよね」と言ってくれる先生が多く、一体誰が全てをオンライン授業へと決定しているのか謎である。
1日ぶっ通しのオンライン。(昼休みはもちろんあるが)
見ず知らずの人たちとオンライン授業は、実際に対面で講義を受けるのと違う、疲労が襲う。
見ず知らずの誰かたちと一緒に、オンライン授業をやりたくないのではない。
ただでさえ、通信で他の学生と知り合える機会はスクーリングだけだったから、むしろ知り合いたいのだが、最初から全てオンライン授業では……
オンライン授業の実際②
私は大学3年の息子がいるので、軟禁状態に置かれた大学生の様子もよくわかる。
うちの息子など、特に資格を取るわけでなく、3年はなるべくゆるくなるように2年までに単位頑張った、なんて言ってるような大学生である。
オンライン授業当初は
「1限通わなくなってラッキー」と言ってたくらいである。
それが、1か月も立たないうちに、オンラインだからと、出席確認という課題が毎時間全てについてきて、課題、で、キツい…とこぼすように。
毎日授業を受ければ、やってもやってもまた出されるわけで、終わりはない。
何かの資格などの単位分の履修登録をしていない息子がこの状態では、
教員免許取得など目指してる子はどうなっているのだろう?
1年生はパソコンを持っていた子ばかりじゃないだろうから、操作に慣れるのにも時間もかかるだろう。
(どうなっているのだ…?と、思っていた数か月後に自分が身を持ってどうなっているか知ることになったという…)
息子がオンラインでのゼミの後にぐったりしている理由を聞いてみた時。
「実際に集まってる時は、自分の発表の時に先生に突っ込まれても、誰かがクスって笑ってたり、自分も助けてくれ、て目線を送ったり出来たけど、
そういうのが一切出来ず、ひたすら先生に説明するのが心底キツい」
と。
この息子の説明は非常にわかりやすく、オンラインの何が、どこが疲れるかの、要因の一つだと推察できた。
膨大な課題は書け。
図書館は開けないよ。
高校と違い、専門分野を学ぶ大学では専門書などは大学の図書館でないと置いていないことも多い。
高齢者を守るために、オンラインで授業をしてね。
課題を1日中やってる?学生は勉強をするのだから当然でしょ。
この現状に違和感を感じる人はいないのだろうか。
文章、しかも、ある一定の書き方でそれなりの文字数を書ける人が、単位を取れるのが、学びの場だとしたら、別にオンデマンドもZoom授業もしないで、ただ課題を書かせる所にしたらいい。
大学生に人権を
通信の人達と、オンライン授業のグループディスカッションの時に、ほんの少し余分な話をすると、「本当は今年で卒業を考えていたが、多分1年延ばす」という声と数人出会った。
私も全て予定を組み直しである。
その辺は、やはり社会人になってから、大学へ、と行動を起こしたような人達だと、自力でどうしたら良いか、今のベストを、と動く。
学費を自分で払っている、というのも大きいかもしれない。
それでも、誰もが「課題が本当キツイ」「これでは仕事いけない」と、授業で先生からオンライン授業どうです?の質問に対し、チャットにそんな言葉が並ぶのを見た。
学生も、何か主張があるなら自分たちで動いたらいい、という意見なども見かけるが、課題で一歩も外に出られなくて何も出来ない人も少なくないのではないだろうか。
様々な経験を積んできた社会人達でさえ、オンライン授業にぐったりしつつ山積みの課題と格闘している。
誰も知り合いもいないし、大学がどんな感じかもわからない大学1年生は、大丈夫だろうか。
日本国憲法13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
大学生が幸せに生きる権利はどこへ行ったのだろう。
入学後一度もキャンパスに入ったこともなく、外に出ることも出来ない大学生のために、昔ごくごく普通のキャンパスライフを送った大人達が出来ることがあるのではないだろうか?
感染者を出した学校に謝罪会見をさせ、いつまでも恐怖を煽り続けているマスコミは、その影響で既に命を落としているかもしれない人がいることを考えて欲しい。
自分たちでもっと行動したらいい、と言うのなら、声を上げている大学生の声を偏りなく取り上げてあげて欲しい。