歌えば口が曲がりそうになるかも……由紀さおりさん「夜明けのスキャット」①
日時は、2022年9月某日午後。
場所は、カラオケボックス「まねきねこ」札幌月寒店。
由紀さおりさん(現在73歳)の「夜明けのスキャット」にカラオケ挑戦してみた。
この曲をカラオケで歌うなんて無理だよ。
無茶・無謀の道である。
名曲中の名曲は難曲中の難曲でもあるはずだ。
ずっと以前からそう決めつけていた。
中途半端な姿勢では、バチが当たって、歌う口が曲がるかも。
(ちょっとばかり大げさか)
でも今回、不思議なひらめきがあり、トライしてみた。
昼下がりの一人カラオケである。
まずそのまま3回連続して流し、小さく声を出してみた。
この機器のキー設定は、オリジナルより2つ下げである。
例えば若い女性のカラオケ客にとっても、さすがに由紀さんの高音には届くにくいだろうという推定の結果措置である。
さあ歌おう。
老年の男である私は、オリジナルより4つ上げ(つまり設定キーより6つ上げ)て、その1オクターブ下げた。
<女性歌手の曲にぶつかる際の私の基本技のひとつである>
最初のイントロで胸がドキドキした。
気持をしゃんとさせて声を出した。
10回繰り返した。
………けっこう歌えるかも。
難曲でもなさそう。
カラオケ編曲者の腕がことさらいいのかもしれない。
口は曲がらなかった。
◇
この「夜明けのスキャット」を初めて聴いた夜のことを思い出す。
私は高校の1年生になったばかりだった。
寂しく受験勉強をしていたとき、ラジオから流れてきた。
◇
そのラジオ機器について書きたい。
想い出が凝縮したラジオ機器である。
次回つづってみる。
(いやつづらせてください)
(続く)