Me before you
"世界一キライなあなたに"を観て。
絶対に越えられない苦しみなんてない、
死ぬのは負けなんだ、と信じたいのに
そうはいかない現実を突きつけられた作品。
ウィルが本当の愛を知ることで改めて自分の不自由さを実感してしまう海辺のシーンはずっしりときた。
ウィルの計画を聞いたルーのお母さんはウィルの両親に対して「自殺することを許すなんてどんな親なのか」と激怒していた。ウィルの両親が思い悩むシーンはさほど多く扱われていなかったが、両親がウィルの選択を尊重したのは、こちら側が想像もできないほど事態が複雑であることを物語っていた。
スイスの自殺ほう助は、どちらにせよ死を選ぶ人ができるだけ楽に旅立てるようにするものだとわかっている。けれど自殺ほう助なんて制度は悲しすぎる。
別世界、別の地に行くことで解消される苦しみと、身体の今後一生付き合っていがなければいけない苦しみは全く別のもので、
"自分が思う何にせよ絶対に死んではいけない"の"何にせよ"が揺らがされた作品。
ずっしりと重く、悲しく、とても悔しくなる作品。映画と分かっていながらも、ルーにはウィルの分まで幸せに生きてほしいと強く思った。