編み物難民。
子供の頃からずっと何か編んでいる。
昭和の女子はマフラー編んで彼氏にプレゼントしがちだったが、それはダサいと思っていた私は、当時うちの女子校で編むのが流行っていた5本指手袋の左手に「バ」右手に「カ」と編み込んで得意になっていた正真正銘のバカである。
大人になってからは、編み物の「ほっこり」「家庭的」「おばあちゃんの趣味」みたいなイメージを打破すべく、スカル模様のセーターやら小物を編んでみたりした。海外のニットデザイナーさんにはゴリゴリにタトゥーが入ったアーチストっぽい人が多いのに、なんで日本の編み物界は”ほっこりカフェでまったり編み物”みたいなのが主流なんだろう?とずっと不満だった。
そして時は流れ、自分が正真正銘の年寄りになってきた。ロッキングチェアーと膝掛けと編み物が似合いそうなお婆さんになる日も近い。ああ、ゾッとする。ああ、私は何を編みたいんだろう?
”素敵な歳の重ね方”なんて、私には分からない。ごめんなさい。