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ルヴァン杯GS第1節 vs清水 マッチレビュー 『若手の躍動 エースの意地 アルウィンに響いた勝利の街』

こんにちは。わらびです。

ルヴァン杯が始まりました。若手大好き人間の筆者としては、心の底から楽しみにしていた大会です。この6試合で何人がアピールに成功するか。6試合で終わらせず次へ進めるか。ワクワクが止まりません。

と同時にホーム開幕となりました。サンプロアルウィンとして初の開幕です。ビジョン下の光り輝く『SUNPRO ALWIN』が個人的に凄く好きです。あのゴール裏に何度「アルプス一万尺」を響かせる事が出来るでしょうか。ちなみに前回J1でのホーム戦績は5勝2分10敗。シーズン通して7勝だった事を踏まえると、ホームで如何に勝てるかが大事になるのはよく分かりますね。

さてレビューに行きますか。ターンオーバーで迎えたルヴァン初戦。とにかく楽しかった。それではどうぞ。


基本システム

中2日でリーグ第3節を控える中で、両者共にターンオーバー。3-4-2-1と4-4-2という、ここから飽きる程見ることになるであろう噛み合わせ。

松本は、リーグ前節で先発した11人全員がベンチ外。それでもこのメンバーが組める選手層の厚さに、チームとしての成長を感じる。安東輝と中美慶哉のポジションは流石に想定外。ここは後ほど詳しく。ターンオーバー組のサブに塚川孝輝、杉本太郎って中々の贅沢。

中2日でアウェイ札幌を控える清水。当たり前にターンオーバー。かと思いきや新加入CBヴァンデルソンは開幕から3試合連続スタメン。早急にフィットさせたいヨンソンの狙いが見える。ちなみに今季は3バックに挑戦していた清水だが、この試合は見慣れた4バックに。この試合だけなのか4バックに戻す方向性なのかは不明。

町田也真人の先制ゴール

立ち上がりペースを掴んだのは松本。とにかくボールがよく動く。セカンドボールもよく拾える。そして高崎によく収まる。というより清水の守備が.....。解説ガチャに散々disられる始末。そのままあっさりと先制。町田也真人の加入後初ゴールで松本が先行する。

このゴール、まずは田中→高崎のクロスから。これを難なく収める高崎。高崎寛之のこの収めは松本の十八番。清水さんここは抑えなきゃ....。高崎の落としに反応した安東のシュートはブロックに遭うも、そのセカンドを町田があっさり回収してあっさり決める。なんともあっさりしたゴール。まぁあそこできっちりセカンド狙えるのが町田の良さ。ちゃんと決めるのも町田らしい。リーグ戦でのゴールも期待せずにはいられない今季初ゴールだった。

中美が左に・安東が前に

スタメン発表を受けて「ん?」と思った方、安心して欲しい。筆者も勿論「ん?」と思った。『安東輝を左に置けば他はしっくりくるなぁ。昨季天皇杯ではCBもやらされてたし今年は左やらされるとは....アンドゥーも気の毒ねぇ...。』とか思ってた。ところが蓋を開けてみれば、安東が前にいて、中美が左にいる。やられた。その手があったか。キックオフ直後にチャントを歌いながら頭を抱えたのは筆者だけではないはず。

中美慶哉は第2の石原崇兆となれるか

石原崇兆という選手をご存知だろうか。ご存知の方が多いと信じて説明は省略する。第2の石原崇兆が生まれるかもしれない。その名は中美慶哉。彼がこのポジションでやってるのを見て、筆者は第一印象として「面白い」と思った。さらに「初期の石原より適任なのでは」と。

個人的には悪くないなと思った。まだまだ「悪くない」レベルではあるが。彼はフィジカルで勝負出来るタイプである。少なくとも石原よりは。そうなると対人での守備面に、ある程度の期待が出来る。このシステムのWBは、どうしてもサイドでの対人守備で評価されがち。何度も名前を出すが、石原はこの守備が数年で凄まじく伸びた。だからこその昨季の活躍だったのは言うまでもない。

ただ、その『対人守備』だけがこのポジションの守備ではない。反町戦術では特に。この試合、清水が4-4-2だった事で、LWB中美とLCB當間の間のマークの受け渡しは非常に重要になった。その辺のやり方はまだまだ。実際、相手の攻撃の起点となってしまったシーンもいくつか。勿論これは周りとの連携であるから、試合を重ねれば解消される問題でもある。が、反町戦術のWBは戦術理解の面において本当に難しいらしい。そこを反町康治の求めるラインまで持ってこれるか。その点において中美は苦労すると思う。決して中美を悪く言うつもりは無いし、むしろ筆者はそーゆータイプが大好きなのだが、中美は頭の良いタイプでは無い。そこがどう出るか。

シャドーの激しいポジション争いと比べて、LWBの層の薄さは気になるし、彼がここを出来るようになればチーム力は確実に上がる。期待して見守りたい。勿論、本当にWBにコンバートされるかどうかも不明であるが。

安東輝のユーティリティ性

安東輝が輝きを放った。それもシャドーで。ボール奪取能力と推進力を持ったボランチ、という前評判で湘南から加入した昨季。リーグ戦出場はたった1試合。パウリーニョが負傷してボランチが固定出来なかった夏にも、出番は回って来なかった。並々ならぬ思いを持って迎えた(と思われる)今シーズン。リーグ開幕戦でメンバー入り。安東には申し訳ないが、正直驚いた。それと同時に、塚川やら米原やらライバルを押し退けて彼がベンチ入りした事は、競争の激しさも感じさせた。

そして今回、シャドーで先発を果たす。すると、本職ボランチらしくルーズボールをガシガシ回収。精力的な守備貢献で存在感を放つ。更には攻撃面でも、JFAアカデミー育ちっぽい上手さを見せ付ける。周りとの関係性も良好。良いワンツーで抜け出す場面もいくつか。もはやシャドーが本職なのか。そう思わせるプレー振り。

なんなんだ彼は。何度筆者を欺けばいいのか。開幕からベンチ入りしていたのはこれだったらしい。驚きを隠しきれない。昨季の天皇杯ではCBで安定感を見せていたのに、今回はシャドーで凄まじい存在感。あれはベンチに置きたくなる。安東輝のこれからにワクワクが止まらない。

米原秀亮が良すぎた話

この試合が山雅での公式戦初先発となった米原秀亮。米原については開幕前に記事を出してるので、まずこちらを是非。

まだ20歳である。そう見えただろうか。少なくとも筆者には見えなかっった。あの試合を見れば彼の良さは伝わると思うので、ここでは1つだけ。

クサビのパス。ざっくり説明すると前の選手にグサッと縦パスを付けること。「クサビを入れる」なんて言ったりする。彼は、この「クサビを入れる」事を臆さない。これは恐らく自分の技術に自信があるから。クサビだけに限らない。彼は、前へのパスで攻撃のリズムを作れる。ブラジルで言えば『第2ボランチ』タイプ。

昨季の松本にもこのタイプが居た。そう、岡本知剛である。彼も米原と同タイプ。ボールを触ってリズムを作り、攻撃の起点となる。パウロ×藤田コンビには無い色を出し、攻撃のスイッチ役として昨季は試合出場を増やした。米原も岡本と同じ使われ方になると思う。が、それを超えていけるだけのポテンシャルを秘めている。はずである。

ただし課題も。ここは我らが監督のコメントをお借りしたい。

『彼(米原)がボランチに入ると非常にボールのルートが見えてきて良いリズムだったんですが、少し丁寧になりすぎたという言い方が正しいのか分かりませんが、逃げ腰になってしまうと向こうの前線の2トップ含めた4人の圧力に押されてしまうところがある。』(「松本山雅FC公式HP 試合後コメント」より)

ということである。失点後、米原の良さは影を潜めてしまった。もっとやれるはずである。

東京五輪世代の長身レフティボランチ。この響きだけで熱くなる。この日はマッチデープログラムの表紙も彼だった。期待値は上がる一方である。米原秀亮のこれからに注目したい。

見せつけたエースの意地

松本のエースは高崎寛之である。と言いたくなるような展開だった。後半立ち上がりに同点弾を許してからは中々ゴールへ迫れない時間が続く。杉本太郎や塚川孝輝を入れて流れを掴み直すも、フィニッシュまで行けない展開。「たかさーきもそろそろ苦しい時間だなぁ...榎本も見たいし.....」とか思っていた。そんな中であれである。田中隼磨のボール奪取から宮阪の頑張り、そして高崎のゴラッソ。文句無し。

宮阪は本当に成長を感じさせた。固定砲台から移動砲台へ進化しようとしている。ここ数年、序盤に出場機会を掴むも夏に掛けて出番を失うシーズンが続いているが、今年こそシーズン通して試合に絡みたい。そんな意気込みを90分通して感じた。

話が逸れた。エースの1発。高崎がゴール後に押し倒されるのは珍しいのでは。彼が決めた事に意味がある。ペレイラが加入して、永井龍が結果を出した。ここしかないタイミングで仕事をしてくる。これこそ高崎寛之。頼れる松本のエースは、J1の舞台でも結果を残すべく奮闘する。

雑感

リーグに出れていないメンバーの意地、気持ちを感じられる90分でした。これだからルヴァンが欲しかったのです。なんて幸せ。ここから何人がJ1の舞台へ這い上がるか。監督も頭を悩ませている所でしょう。次節のメンバー18人には誰が入るのでしょうか。浦和戦はもう明日に迫っています。

感想垂れ流しレビューになってしまった事をお詫びします。正直もっと書きたかった.....。途中から入った塚川やら杉本やらも素晴らしかったし、最終ラインの安定感は別格でした。ルヴァンも期待していいのでは、そんな出来だったと思います。

浦和戦へ向けて

明日は浦和戦。リーグでもホーム開幕を迎えます。満員のサンプロアルウィンに迎えるのは、J唯一の3連覇達成監督オリベイラ率いる浦和レッズ。ここまでリーグ2戦勝ち無しという事で、並々ならぬ気迫で乗り込んで来る事が予想されます。大分戦に続いてミラーゲーム。個の勝負で如何に自由を与えないか、逆にどれだけ自由にプレー出来るか。ここに注目して見たいですね。

浦和はホームACLから中2日、そして中3日でアウェイ北京。多少メンバーを弄ってきそうな感じもありますね。酷評されている杉本健勇さん辺りも出てくるのではと思ってます。一方、主力がフルコンディションで臨める松本。勝機は十分。この日程でACL組と当たれる事に感謝して、満員のアルウィンに歓喜の渦を巻き起こす勝利に期待しましょう。ただただ楽しみ。


今回、新たな試みとして公式の画像をお借りしてみました。これってどうなんでしょう。別に収益を得てる訳では無いので大丈夫かと思いますが、何かご意見ありましたらお気軽にお願いします。

今日は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。それでは。




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