扇風機ちゃんと玄関扉くん
みんなは暇なとき何をするだろうか、、、
スマホ?
いいな、、、
僕にはスマホがない、、、
だから何かをして暇を潰したい!
僕は、暇を潰すために考えた。
誰かと会話がしたいな、、、
僕には、兄と姉がいるがどちらも冷たく話にならない。
だからといって知らないネッ友と話すのも気まずい。
そこで考えた!
そうだ!物と会話しよう!
早速やってみようとして近くにあった扇風機に話しかけてみた。
「はじめまして!扇風機くん、好きな食べ物はなんだい?」
「、、、」
どうやら人見知りのようだ。
まったくもう、、、
かわいいな。
僕は、「人見知りな子 接し方」と検索してみた。
すると、
はじめは、簡単な話題を出し、そのあとディープな話題を出すそうだ。
やってみよう!!
「扇風機くん。趣味はあるかい?」
「、、、」
反応がない。
なぜなら。
物だから。
そこで僕は、話題を振って一番最初に思いついた事を応えとして会話をしようと考えた。
「扇風機くん、好きな食べ物はなんだい?」
「ちゃんなんですけど。」
ん?
自分でもびっくりした。
そう、
会話ができた!!
これは、暇を持て余した僕にとっては大発明だった。
「そうか!扇風機ちゃんは女の子だったのか!」
「そうですけど。」
しかも、「サバサバ系女子」だった。
かわいいな。
「扇風機ちゃん、好きな食べ物はなんだい?」
「酸素。」
本当に受け答えができた。
「酸素っておいしいの?」
「おいしくなければ好きじゃないよ。」
なんと、僕は扇風機に論破された。
ここで、僕は距離を縮めようとさっき調べたこと使おうと考えた。
(よし!簡単な話題を振ったから次はディープな話題だな!)
「扇風機ちゃん、好きな人はいるの?」
「いるよ。」
さすが、サバサバ系女子。
スッと答えてくれる。
「え!いるんだ!だれだれ?」
「目の前にいる玄関扉くん。」
そう、
扇風機の前には玄関扉があったのだ。
「でも、うち達物だから会話ができないんだよね。」
なぜか、物どうしは会話ができない設定らしい。
ここは、僕の出番だ!
そう、思った。
だがしかし、ここですごい事に僕は気づく。
僕は。いつのまにか。
扇風機ちゃんのことをかわいいと思っていた。
なぜだ。
顔をみれば扇風機だぞ?
なぜだ。
そんなことを思いながらも僕は玄関扉くんに話しかけにいった。
「はじめまして。玄関扉くん。」
「ウェイ!!よろしく!」
マジか
玄関扉くんは「ウェイ系男子」だった。
「え!!なに?!急に話しかけてきて。ちょっと引いてるんちゃうん?w
まぁまぁ気軽に話そや!」
しかも、僕は玄関扉くんに舐められているようだ。
「玄関扉くんってさ、あそこにいる扇風機ちゃんのことどう思う?」
「え?!w何急に?w まぁ、強いて言うには中の下くらい?w」
クズ男だった。
僕は腹がたって、一発みぞおちをぶん殴ってやった。
「うお”」
痛がっているようだ。
僕はそのまま帰ろうとした。
そのとき、
「すみません。僕、扇風機ちゃんのことが好きなんですけど、、」
と声をかけられた。
声のした方を向くとそこには
蚊取り線香くんがいた。
「僕、扇風機ちゃんのことが大好きなんです!この気持ちを僕からは伝えることができないので、あなたに伝えてほしいのです!」
僕は感動した。
こんなにも愛することができる物がいるのかと。
僕はキラキラした蚊取り線香くんの目を見て確信した。
「扇風機ちゃんはこの子にまかせよう」
そう決めた僕は扇風機ちゃんの所に走っていった。
「扇風機ちゃん!!」
「あ!おかえり~。どうだった?」
僕は玄関扉くんのクズっぷりと、蚊取り線香が君のことが好きだということを伝えた。
「そうなんだ。」
意外にも扇風機ちゃんは悲しそうではなかった。
僕が少し好意を抱いてしまったからか、今になって少し悲しくなってきた。
すると、扇風機ちゃんは衝撃なことをいった
「蚊取り線香くん、金もってそうだから蚊取り線香くんでいいや!」
そう
扇風機ちゃんもクズだった。
僕の好意は一瞬で消えた。
僕はこのことを蚊取り線香くんに伝えにいった。
あえて、扇風機ちゃんはクズだということを言わないでおいた。
蚊取り線香くんはものすごく喜んでいた、、、
こうして二人は付き合ったそうだ。
ここからは二人と話をしていないからわからないが、幸せになって欲しいと思う。
ふぅ、
僕、夏休みに何やってんだ?