子宮頸がん円錐切除術を受けた話
記憶が新しいうちに残しておきたい記録
長文失礼いたします
判定E
2021年4月
会社の健康診断で出たE判定
オールAくらいのつもりだったのに
1ヶ所のE判定で「総合E」になるんだーと
他人事のように思っていた
10年くらい前にも同じように引っかかって
それから数年地元の大学病院に経過観察で
通っていた経験があったので
オプションで婦人科系の検査を追加していた
また数年病院通い面倒だなーっていうのが
率直な気持ちだった
実際、4ヶ月に一度の検査をすることになり
近所の病院に通いはじめた
それからずっと子宮頸部の中等度異形成
という結果が続く
中等度でも1年、2年変わらなければ
手術するという選択もありますが
今は判断材料集めの時期ですね
と医師から言われていた
聞き間違い?
2022年1月
次回で通院1年になるタイミング
いつも通り検査結果は変わらないので
また4ヶ月後に来てください
医師からそう言われるはずだった
一部に高度異形成が認められます
高度異形成となると手術相当と
言われています
今回一度様子をみますか?
それともすぐに手術を受けますか?
ん?今なんておっしゃいました?
手術?聞き間違い?…じゃなさそうですね。。。
まさかの結果に私はすぐに反応も判断もできず
一度自宅に持ち帰って夫に相談しますと
お伝えした
決断
コロナ禍で夫は在宅勤務していたので
帰宅後すぐに報告
そんなん取らない(手術しない)
選択はないでしょ
すぐ手術だー!!!
すんごい勢いじゃん
いや、私もなんとなくはそう思ってたよ?
大手術ではないみたいだし
いずれやるなら早いほうがいいかなって
でも帰宅後ものの数分で決まる!?決める!?
いや、決めるか…そうだよね
ということで帰宅後ものの数分で病院に
手術を受ける意向を電話で伝えた
我慢の1ヶ月
うっすら夫の転勤話が出てきたのも
ちょうどその頃
手術を受けるなら今の先生に診てもらいたい
いろいろ終わらせてスッキリしてから転居したい
という気持ちが強く
楽しみだったお笑いライブはすべてキャンセル
仕事以外は外出自粛
家でも感染対策を徹底した
コロナに感染して手術延期にだけは
ならないように細心の注意を払った
夫の転勤で札幌から東京にきて3年
最初の1年は大型犬を介護しており
あまり外出できない日々
亡くなる頃、グラデーションのように
コロナ禍に入り
ここ2年はご存知のとおり外出できない日々
東京を満喫できないまま
また転勤になるのかという
どこにもぶつけようがない怒りと悔しさ
ライブを配信で見ているとみんな会場で
楽しそうなのに
どうして私はそこに居れないのか
行ったところでみんな感染してないじゃん
行ってしまおうか
ずっと葛藤し苦悩した
2022年2月
手術日が決まるまで何も見通せない日々に
ヤキモキする
2月1日
手術を決めてから最初の通院
大まかな手術の説明と術前の再検査
転院のための紹介状と病理標本を受け取る
2月8日
前週の検査でも高度異形成出ましたとの
ご報告を受ける
転院先の病院で転院手続きと精密検査
・血液検査
・尿検査
・心電図
・レントゲン
・HIV検査
ここでやっと手術日が決まる
手術を決めてから1ヶ月弱かかった
正直もう会社に毎週お休みとりたいというのが
辛かった
最初に医師から説明を受けた段階で
決断できていれば2週間早かったはず
(会社の休みを取る都合で
通院できない週があった)と後悔
コロナ対策のため手術日2週間前から記録を
開始するための体調管理表を受け取る
朝夕の検温と倦怠感、咽頭痛、息苦しさ、
味覚嗅覚異常の有無を記入する
2月15日
入院手続き
医師からの手術の説明はもちろん
看護師からアレルギーの有無や睡眠時間、
タバコは吸いますか?
基礎疾患はありますか?
常備薬は何ですか?
などなど基礎情報を詳しくヒアリング
入院手続き窓口で改めて
当日の持ち物、当日の流れの説明
病院食の選択、大部屋か個室かの選択
事前に確認・署名が必要な書類や
入院のしおりを受け取る
高額医療の限度額認定証を
健康保険組合から取り寄せるよう言われる
高額医療限度額認定証
病院に言われたその日のうちに
申請書を郵送するも
2、3日後に入院までに間に合うか?と
不安になり健康保険組合に電話すると
まだ受付のステータスにもなっていないので
速達対応等の履歴が残せない
明日またお電話くださいとのこと
翌日昼休みに再度架電
コールセンターにまったくつながらず
昼休みが終わる
翌々日も十数回かけ続けやっとつながったが
この日もまだ受付になっていない
「もう諦めます。後日申請にします」
とお伝えしたところ
入院の日、朝イチに来てくれたら
その場で発行します
と言ってくれたので何とか間に合わせられそう
入院
2月24日
9:00〜9:30までに病院に行かなければならない
スケジュール
朝8:30に健康保険組合窓口が開くので
入院の荷物を引きずりながら
でっかいオフィスビルに乗り込むも
オフィスエリアには職員がピッと
カードをかざさないと中に入れない
もう知るもんか!と出勤の人の流れに紛れ
入ってったらまったく問題なく窓口に到着
番号1番の札を取れた
すぐに呼ばれかくかくしかじか説明し
30分くらいで認定証をゲット
タクシーで病院へビューン
入院初日はコロナの検査があるので結果が
出るまで60分くらい待ち時間が発生しますと
説明は受けていたけど
唾液を採取するタイプだと思い込んでいた
鼻の奥の奥まで綿棒を突っ込まれるタイプのやつ
待ち時間ヒマよりも痛みと鼻の違和感を回復させることに終始
10:40頃、検査をパスしようやく病室へ案内される
荷物を置いて病室の説明やフロアの説明
テレビの使い方や病院食の時間など説明を受ける
いつ寝巻きに着替えるんでしょうか?と尋ねたら
いつでもどうぞと言われたので
着替えて荷物を整理している間にも
ひっきりなしに新キャラが現れる
日勤の看護師さん(2名体制)が
これで失礼しますとか
夜勤の看護師さん(こちらも2名体制)が
今から担当しますとか
麻酔科医の説明とか
主治医のご挨拶とか
主治医と一緒に入るもう一人の医師のご挨拶とか
でも全員良い人ばかり
全過程ひとつも不満はなかった
入院中のスケジュールを受け取る
その日の目標や
やっておかなければならないことが
細かく記載されている
12:30昼食
初めての病院食
え、めちゃくちゃおいしいじゃん!
朝夕は事前に希望を
ヒアリングしてくれていたけど
昼食は聞かれなかったのでランチにありつけるか
どうかも不安だったのだが
こんな美味しいものをいただけるなら天国!
食いしん坊な私には少なめだけど
いつもの量を戒める良い教訓になった
18:30夕食
こちらは希望していたメニューだったので
満足満足
欲を言えば汁物が欲しかったけど
毎食フルーツがあるのってステキだなって
自分の食生活との乖離に
遠くを見つめる時間はあった
術前の食事はここまで
翌朝の9:00まではお茶か水ならOKとのこと
食後はベッドで横になっていても
1時間おきに目が覚める
深夜、隣の部屋に入院があったそうで
大きな音や声がした
眠れなくても手術で眠らされるからなと
不安はなかった
手術日
2月25日
目を覚まして時計を見ると7:25だった
まだまだ時間はあるけど眠くはない
ヒマだ
9:44頃夫からのLINE
君には俺達が着いている!
頑張れ!
おそらく一度も使ったことがないであろう
スマホのカメラ機能
反転してるけど何のアプリで撮ったの?
亡き愛犬とのツーショットにひとり爆笑
いざ
11:45頃
手術着に着替える
エコノミー症候群にならないよう
医療用の着圧式ハイソックスも履かされる
全身麻酔で手術を受けるのは初めてだけど
なぜだか全然不安はない
すべてお任せして身を委ねるのみ
13:00
フロア違いの手術室に呼ばれる
看護師が付き添ってくれるのだが
一般の人は入れないエレベーターで移動し
なんか医療系の海外ドラマに出てきそう!
な手術室がたくさん並んだ通路を抜け
自身の手術室へ
手術台に上がったら台があったかくて
おそらくヒートマット的なもので
温めておいてくれている
なんと素晴らしい気配りなんだと感動していたら
あれよあれよという間に
ルート取ります。チクっとしますよ
左手の甲に針が刺さった
右手もなんか触られているけどたぶん血圧?
右手は握らなくていいですよと言われた
心電図のコードを胸のあたりにペタペタ
酸素マスクみたいなものを被され
すぐに眠くなりますからねと言われ
数秒後には意識喪失
手術台に上がってから意識がなくなるまで
本当に1分もかかってないと思う
すごい手際の良さ
円錐切除術は開腹せず、膣内に器具を入れて
病変部位を円錐状に切り取る
切り取った断面を焼いて
かさぶたを作り止血する
手術はおそらく1時間くらい
まだ手術室にいるうちに全身麻酔が切れて
意識が戻った
終わりましたよ
このままベッドで病室に行きますからね
病院の天井を眺めながら移動するんだろうなと
想像してたけど
実際はまだ意識が朦朧としていて
目を開けていられなかった
いろんなチューブやコードが繋がったまま
病室に戻る
4時間は起きあがってはいけませんと
言われていたが
傷による腹痛なのか
朝食を食べていないせいであまり便が出ておらず
その痛みなのか
尿管にカテーテルが刺さっている痛みと
違和感もあった
着圧式ハイソックスの上からさらに
空気圧のコンプレッサーみたいな
機械も装着されている
とにかく早く4時間経ってくれと願い続けた
意識ははっきり戻ってきていたので
唯一自由に動かせる右手で
スマホを持ち夫と母親と職場の上司に
無事終わったことをLINEで連絡
看護師さんが15分おきに検温と血圧を
測りにきてくれる
便が出たとき用にちりとりみたいな容器を
お尻の下に敷いてくれた
結局出なかったけど
痛み止めの点滴でなんとか4時間やり過ごした
歩行の練習をパスしたら尿管のカテーテルが取れ
点滴のゴロゴロを自分で持てば自由に動ける
余談になるが
私を担当してくれた夜勤の看護師さんが
ベッキーとゆきぽよをたして二で割ったような
べっぴんさんで
すんごいギャルっぽいかるーいノリなのだけど
とても親切で心を開いておしゃべりできた
すご!やっぱ若いっすね!
こんなにすぐ歩ける想定してなかったから
ちょっといろいろ取ってくるんで
待っててください!
いやーさすがっすね!
また来ます!って言うときは
チョリースのポーズをしてくれる
時間を忘れさせてくれる貴重な存在だったので
とても感謝している
とにかくトイレに篭りたかった
残尿感と排尿痛と腹痛
数時間すると排尿痛は無くなった
何度トイレに行っただろう
幸い個室にトイレがついていたので
深夜に周りにご迷惑をかけてしまう
心配はせずに済んだ
この日も夜間は1時間おきに目が覚める
退院
6:32外は明るいけどまだ静かだな
朝食までが待ち遠しい
そうだもうジュース飲んでいいんだ!と
初日に飲み残して冷蔵庫に入れっぱなしだった
オレンジジュースを飲み干した
8:30朝食
こういうジャムとかマーガリンとか
紙パックの牛乳
給食以来じゃない?
めちゃくちゃテンションがあがった
完食する前に診察に呼ばれる
内診で傷の具合を確認されて順調とのこと
切除した写真見ます?とおっしゃるので
見せていただいた
きれいに円錐状に切り取れました
これはそれをさらに2分割して
見開きの状態にしています
なるほど。。。
んー焼肉でいうミノみたいな感じ?
さらにこれを病理検査に出します
端っこに高度の異形成があれば
切り取っていないその周辺にもある
可能性があるので詳しく調べます
結果が出るまでまた待ちの状態
これをパスしてなんとか安心して
過ごしたいところ
清算
残してた朝食を平らげたころ
清算が出ましたー
と職員の方が病室に入ってきて
小さい紙を渡された
111,200円
個室を利用したのでそのうち42,900円は自費
医療保険を請求するため
これとは別に診断書を申請し
文書料6,020円かかった
ということで辛かったのは
術後の数時間だけ
今のところは順調に回復しており
渡された抗生物質と痛み止めと胃薬を服用中
まれにかさぶたが剥がれて出血が大量になり
縫合しないといけないケースもあるらしいけど
今は軽い腹痛と軽い出血が続いているだけで
大丈夫そう
家族と職場の方々と医師と病院スタッフの方々
ありがとうございました
身体を大切に生きます
余談の余談
麻酔科医の説明を受けて先生が目の前で署名
贔屓にしているお笑いコンビの
本名の名字だなーって思いながら見ていたら
下のお名前がそのコンビの相方さんのお名前で
俄然心強し!となりました
この偶然に大興奮したのだけど
帰宅後夫に伝えたら
入院生活ずいぶん楽しまれたようで
と苦笑され
まぁそうなるよね。。。
術後は行きたかったライブの配信を観て
いつものラジオを聴いて
笑って過ごせました
お笑いのある世界に生きて
本当によかった
カナメストーン
真空ジェシカ
ママタルト
ありがとう
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