墓穴を掘る中国共産党
■調査を求める世界
武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックになったが、世界は混乱から抜け出し始めた。都市封鎖で感染拡大に対応している最中だが、全体を見る余裕が出始める。そうなると感染拡大の責任追及が始まり、アメリカなどは露骨に中国共産党を批判。さらにオーストラリアも調査を求めると、中国共産党は反発を強めている。
■中国共産党の覇権拡大
中国共産党は1990年代から経済で勢力を拡大し始める。アメリカが世界に押し付けたグローバル・スタンダードの波に乗り、中国は世界の工場を選んだ。2000年に入ると、中国は世界の工場の地位を確立。これで中国共産党は莫大な富を集める様になり、各国に資金力を活かしたスポンサーになっていく。
部族社会・多民族を統合する方法
1:独裁
2:宗教
3:唯物主義
外国の個人・組織を支配するなら、独裁・宗教・唯物を使う。唯物とは経済や買収など。だが直接独裁を用いれば警戒されるし拒絶される。宗教は国境・性別・人種の壁を超えることが可能だが、中国共産党は宗教を否定。
だが唯物の経済・買収なら、国家・民族・性別・言語の境界を越えるが、財力には奪権・競争思想がつきまとう。人間関係が金銭による契約関係だから雇用関係になる。中国共産党は唯物主義の経済・買収で外国に浸透し、スポンサーになることで勢力拡大の道を選んだ。これは成功し、実際に映画・メディア・知識人・国連・人権団体などで影響力を持っている。
民主制は地縁・血縁関係の共同体の代表が集まり協議する。集まるのは利益誘導型の代表だから、民主制の原点である多数決の意味を忘れると、個人の利益が共同体の利益にすり替えられる。行き着く先は衆愚政治か煽動政治。これで中国共産党の覇権拡大が成功した。
■成功から失敗へ
多民族国家を統治するなら独裁は基本。恐怖で民族意識を否定し、社会主義・共産主義などのイデオロギーで共通化できる。この典型はユーゴスラビア。独裁でありながら民主制を選ぶと統治が難しい。何故なら、民族の利益代表が集まって多数決政治を行なえば、それぞれ利益を主張して不平不満が出る。その結果国家としての団結力が薄れ、最終的には空中分解した。
■武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックで変化が始まる
中国共産党の資金は、各国の映画・メディア・知識人・国連・人権団体を支配した。これで親中国共産党発言は許可されるが、反中国共産党発言は排除された。どこの国にも金で動く人間は居る。
しかし武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックは状況を変える引き金になる。マスク・防護服・医薬品の原料・工業製品の多くが中国に依存する現実を突き付けられ、自国の生存が中国共産党に握られる恐怖を理解することになった。
自国・己の生存を外国に握られたら?生殺与奪権を中国共産党が握れば、これは独裁と同じ。経済的利益優先でグローバル・スタンダードを受け入れたら、最も安い商品を選んでいた。コスト重視で人件費が安い国を求めていたら、自国経済が中国共産党に握られていた。
この現実を武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックは世界に教えた。不平不満が、皮肉なことに中国共産党の利益誘導型多数派工作を墓穴に変えることになる。多民族国家を統治する場合は、各地の代表が利益誘導の多数決政治を行う。平時は独裁者が管理できるが、武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックで各地の代表が利益を奪い合いになった。他の国とマスク・防護服などを奪い合うから、中国共産党が作り上げた団結力が消し飛んだ。
■墓穴を掘る
中国共産党は一帯一路を推し進めたが、武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックで危険性を知られてしまう。中国共産党の資金力でスポンサーになっても、中国共産党に生殺与奪権を握られる危険性に気付いたのだ。
中国共産党は各国に、武漢ウイルス(COVID-19)対策のマスク・防護服・検査キットを売付けた。実際に使うと大半が欠陥品。これで怒った国は返品すると同時に、返金を要求する事態になる。中国共産党は失地回復どころか、火事場泥棒をしたので墓穴を掘った。
怒りが多数派になれば、親中国共産党派の声が通らない。アメリカが中国共産党への報復を臭わせると、アメリカ寄りの中立を選ぶ国が増加。これはアメリカが主張するWHO改革に賛同することで、スポンサーである中国共産党への攻撃になる。
さらに悪いことに、アメリカが中国で武漢ウイルス(COVID-19)の調査を提案すると、賛同する国が出た。これはリットン調査団の再現であり、見た目は中立だが中身は反中国共産党なのは明らかだ。
■報復される中国共産党
武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックの発生源は中国の武漢。これは自然災害として不問に付すはずが、中国共産党が強気に出るので墓穴を掘った。さらに火事場泥棒までするなら、損害賠償で報復する軍事行動で報復するかの二者択一。
仮に中国で武漢ウイルス(COVID-19)の調査を行えば、これは人民解放軍の動向を探る調査になる。中国共産党はこのことを知っているから、容易には調査を受け入れない。だが拒めばアメリカ主導の軍事報復を正当化させる。つまり中国共産党は、処刑台に登る階段に足を置いたのだ。