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在日ウイグル人の苦しみ

■ウイグル人
 安全保障から中国を見ていると時折ウイグルが出てくる。頻度が高くなったのは習近平国家主席になってからだろう。しかも911テロ以後からウイグル人への弾圧が激しくなったようだ。今も日本で生活する在日ウイグル人はいるが、彼らは本名で中国のことを話せない。

■故郷の家族は人質
 中国共産党は外国で生活するウイグル人を、外国のスパイになる可能性が高いと認識している。そのため家族が外国で生活している家は治安機関から監視される。同時に外国で生活するウイグル人には協力か帰国を迫られる。

 中国の治安機関からの協力要請は、中国共産党のスパイになることを意味する。現地のスパイ活動をするか、もしくは同じウイグル人を監視するかの二者択一。故郷の家族は人質として利用する。

■帰国は死か強制収容所行き
 ウイグル人が中国に帰国することは死か強制収容所行き。中国共産党は外国で生活するウイグル人が外国で知識を得ており、国内に戻れば正しいと知識を拡散すると恐れている。この対策が強制収容所送り。そこで洗脳して社会に戻す。

 この様なことが明らかになったのは最近のこと。数年前までは報道でも伝えられない。2018年から急激にウイグルの悲劇が広まったように感じる。それだけ中国共産党が人権弾圧を隠していたが、生き延びたウイグルの証言が拡散の鍵になった。

■テロリストとして扱われる
 東トルキスタンは中国に併合され新疆ウイグル自治区として存続。併合されたことでウイグル族は中国国籍になった。だが中国共産党はウイグル族を自国民とは見ていない。同化政策は表向きで、中身は民族性を抹殺する教育が行われている。

 中国共産党から見ればウイグル族はテロリスト。もしくは中国共産党に対して反乱を起こす可能性が高い民。だからテロリスト候補なのだろう。中国共産党は東トルキスタンを併合しておいて、自国民をテロリスト扱い。
 
 911テロ以後はイスラム教徒の印象が悪くなった。中国共産党は911テロを悪用し、国内のイスラム教徒をテロ対策として人権弾圧している。むしろ人権弾圧の正当化を行っている。

■日本国籍
 在日ウイグル人は日本で長期滞在は困難。パスポートを更新するにしても中国大使館に行かなければならない。中国大使館での更新手続きは難しく、常に帰国の恐怖が待っている。苦肉の策として在日ウイグル人の中には日本国籍取得を選ぶ。
 日本国籍が辛うじて在日ウイグル人の命を繋いでいる。だがそれが安全ではなく、常に祖国の家族は危険に晒されている。日本政府は北朝鮮に拉致された自国民すら救出しない。だから中国共産党は、日本国籍を持つウイグル族でも殺すか強制収容所に送るだろう。

■公に泣けない
 在日ウイグル人は公で泣くこともできない。日本で反中国共産党の活動を行えば故郷の家族を危険に晒す。それでも実行する者は余程の覚悟が必要になる。この現実を人権派は黙認する。これでは在日ウイグル人は苦しむだけ。

 人権派は人権を主張する。ならば在日ウイグル人の人権を中国共産党に主張すべきだ。ウイグル人に必要なのは安心して生活できる人権の確保だ。

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上岡 龍次(うえおか りゅうじ)
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