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金正恩の大冒険

■飛翔体発射
 北朝鮮は5月4日に複数の飛翔体を発射。最初は弾道ミサイルと報じられたが、直ぐに飛翔体発射に変更。北朝鮮の顔を立てたか、アメリカを刺激しない表現にしたのだろう。だが北朝鮮によるアメリカへの威嚇になる。これは変わらない。

北朝鮮、日本海に向け複数の飛翔体を発射 韓国軍発表
https://www.afpbb.com/articles/-/3223550?cx_part=top_topstory&cx_position=2

■飛翔体
 今回北朝鮮が発射したのは複数の飛翔体。飛距離は70から200km。つまり無誘導のロケット弾と地対艦ミサイルを同時発射した可能性が有る。弾道ミサイルを発射すれば直接トランプ大統領を刺激する。だが無誘導のロケット弾と地対艦ミサイルならば、トランプ大統領が指定した弾道ミサイルに該当しない。

 トランプ大統領は弾道ミサイルを発射すれば北朝鮮が約束を破ったと言える。だが地対艦ミサイルならば軍事演習と言い訳可能。要するに弾道ミサイルでなければ良いのだ。

コラム:軽んじられる金正恩
https://note.mu/war2600/n/n4830494cdc83

だがこれは北朝鮮の都合。私は過去にコラムで書いたが、北朝鮮は軽んじることを不満に思っている。金正恩氏は我慢できなくなり、弾道ミサイルではないものでトランプ大統領に冒険している。

■過激路線
 金正恩氏は瀬戸際外交でトランプ大統領に挑んだが失敗。瀬戸際外交が相手国に小さな戦争を売り付け、相手国に戦争回避目的で譲歩させる策。これまでは成功したがトランプ大統領には使えなかった。

 何故ならトランプ大統領は制限戦争を採用していた。制限戦争は軍事的圧力で相手国に譲歩させる策。トランプ大統領も金正恩氏に譲歩を迫っていた。お互いが譲歩を求めるなら瀬戸際外交は成立しない。

 トランプ大統領を手玉に取るつもりが逆効果。金正恩氏は次第に追い詰められ非核化を選んだ。だが非核化も時間稼ぎだからトランプ大統領には通用しない。困った金正恩氏は過激路線でトランプ大統領に譲歩を求めるまで落ちぶれた。

■間違った選択
 金正恩氏は間違った選択をした。今回発射した飛翔体が地対艦ミサイルだったとしても、これはトランプ大統領を刺激する。トランプ大統領は金正恩氏の決断を批判し、段階的に軍事的圧力を高めることができるからだ。

 第一回米朝首脳会談までは段階的に軍事的圧力が下がった。これは北朝鮮が譲歩したのでアメリカによる軍事的圧力が下がった。だが第二回米朝首脳会談の決裂から段階的に軍事的圧力が高まる流れになった。

 金正恩氏は追い詰められ、飛翔体発射で今後の道を決定した。これからアメリカへの軍事的圧力が段階的に高まるのは確実だ。

コラム:これから米朝戦争へ向かう
https://vpoint.jp/column/127589.html

第一段階:在韓米軍演習再開・威嚇
第二段階:空母艦隊の朝鮮半島移動・恫喝
第三段階:北朝鮮への空爆・懲罰
第四段階:開戦

 私の予測では四段階の変化になると思われる。トランプ大統領は24時間以内に決断を公にするだろう。

■今後
 イランと北朝鮮が連携しているかは不明。だがお互いに離れた場所に存在する。そうなればアメリカ軍の戦力を分散することが可能。イランと北朝鮮で同時に緊張を高めれば、アメリカ軍戦力は二分される。

 これは明らかだから状況を利用することは間違いない。そうなればイランでも動きが出るだろう。つまり世界規模で緊張が高まることになる。日本の政治家は対応できるのか?

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上岡 龍次(うえおか りゅうじ)
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