トランプ大統領は軍事的圧力を止めていない

■追加制裁撤回
　トランプ大統領は3月22日に北朝鮮への追加制裁を撤回した。これは北朝鮮の南北連絡所からの撤退に対する返答だと思われる。だがトランプ大統領は北朝鮮に譲歩したわけではない。

■選択肢の多いトランプ大統領
　今のトランプ大統領は北朝鮮に対して主導権を持っている。それは経済制裁と軍事的圧力の2つのカードを使えること。今回トランプ大統領が撤回したのは経済制裁。軍事的圧力は今も継続中。

　北朝鮮の瀬取り対策でアメリカ沿岸警備隊を投入。トランプ大統領は北朝鮮への軍事的圧力は一段階上げたが撤回していない。トランプ大統領は北朝鮮に譲歩したように見せて、北朝鮮が譲歩するように仕向けている。

　トランプ大統領は経済制裁追加を撤回。これは見た目では譲歩。これで北朝鮮が譲歩しなければ不利になるのは北朝鮮になる。

■瀬戸際外交の北朝鮮
　北朝鮮は瀬戸際外交を続けている。瀬戸際外交は相手国にコストが合わない戦争を売りつけ相手国に譲歩させる策。相手国が戦争を回避して譲歩すれば成功。だが相手国が強気になると失敗する策でもある。

　金正恩は核弾頭で世界を脅した。だがトランプ大統領は強気で対抗し、軍事的圧力を北朝鮮に見せつけた。すると金正恩は非核化路線に変更しています。

　金正恩は第二回米朝首脳会談でトランプ大統領の譲歩を期待したが失敗。金正恩は今後も戦争をネタにトランプ大統領を脅すしか選択肢が無い。

■軍事的圧力は下げず
　トランプ大統領は追加制裁を撤回しただで軍事的圧力を下げていない。これは金正恩には辛い。経済制裁撤回は見た目の譲歩だから、今度は金正恩が譲歩する立場。譲歩しないと印象が悪くなるのは金正恩なので、トランプ大統領は経済制裁撤回しても困らない。

　何故なら軍事的圧力は一段階上げたまま。これは金正恩の瀬戸際外交対策になる。見た目は譲歩しても実質的に金正恩を追い込んでいる。