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Snapdragonってなんなんだろう

ふと、Snapdragonがなんなのか気になった。なんでそんな名前なんだろう。
Androidのスマホやタブレットでよく使われているCPU、スナドラのことである。何かが気になった時、私はまずはwikipediaを開いてみることにしている。

" Snapdragon(スナップドラゴン)とは、アメリカのQualcomm(クアルコム)社が製造するモバイルSoCのシリーズである。日本では通称で「スナドラ」と略すこともある。
(中略)
SnapdragonのアーキテクチャはARM命令セットに基づいている。クアルコムは、Snapdragonをスマートフォン、タブレット、スマートブックデバイス"プラットフォーム"と位置付けている。Snapdragonプラットフォームは、一日のバッテリ動作を可能とする低消費電力のリアルタイムユビキタスコンピューティングを狙って設計されている。" 
(「Snapdragon」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2023/07/05 1時49分(日本時間)現在での最新版を取得)

いや、そうなんだけど、そうじゃないんだ。
Snapdragonという言葉の意味というか、由来が知りたいんだ。
少なくともこのページには載ってなさそうだった。

「Snapdragon 由来」で検索するとキンギョソウしか出てこない。花言葉は「おしゃべり」「おせっかい」「出しゃばり」など。日本人には金魚に見える花だが、欧米人には龍が噛みついている姿に見えるそうだ。
そっちの由来が知りたいわけじゃない。

これはもう未来のみんなのために調べておくしかない。Snapdragonの由来が知りたい人はこの世にたくさんいるはずなのだ。

とりあえず英単語としてのsnapから考えてみよう。
snapというのは、広めの意味で" 切れる" とか" 折れる" とか、物だけじゃなくて精神的な意味でも使われる言葉らしい。もちろん噛み付くという意味もあるし、素早い方のパキッとした雰囲気もあるようだ。
なるほど、スナップエンドウはパキッとするからsnapで、スナップ写真はパシャっと撮るからか。

…ちょっと違った。いかん、脱線してしまう。
言うまでもないがスナップ写真はスナップショットであり、英語のSnap Shotから来ている。これは本来、射撃用語で広範囲を狙う技術を指すものだったという。
つまり連射だ。
これが転じて、同じ" 連射" を意味するようになり今日にいたるそうだ。

さて、それではSnapdragonとは何か?
パキッとした龍。

うーん、イメージはわからんでもない。

辞書を引くと「元気な」や「素早い」というのもあった。
元気な龍。
素早い龍。

悪くないが、何かあと一歩が欲しい。

そういえば海外ではなんと呼ばれているんだろう。ヒントがあるかもしれない。

検索の結果、中国語では「骁龙」と言うらしい。新しいスナドラの発表なんかでたまに見かける気がする。
カタカナで書くならシャオロンと発音するらしい。
意味は、「骁」が激しい。「龙」が龍。

なんと、結構そのまま訳されていた。
これはもうキレたドラゴンという意味なんじゃないだろうか。

よし、それでは中国語のwikipediaでも見てみるか。と思った所で英語版のwikipediaを見ていないことに気付いた。

 " Snap and Dragon sounded fast and fierce."
(Kewney, Guy (May 2009). "Puff the magic Snapdragon". Personal Computer World.)

「SnapとDragonは速くて激しそうな響きだったからそうした」(意訳)
英語版のwikipediaを見たら、公式発表が見付かってしまった。

参考文献はインターネットアーカイブ(https://archive.org/stream/PersonalComputerWorldMagazine/PCW%20200905%20May_djvu.txt)にしか残っていないが、(本社のある)サンディエゴの幹部が語ったそうだ。

こうして私の旅は突然に終わってしまった。(Snapだけにね)
知的好奇心は満たせたが、はじめから英語版のwikipediaを見ていたら5分で終わっていたのだ。

何が" 未来のみんなのために" だ。恥ずかしい。

ああ、そうだった。
Snapdragonはキンギョソウで、キンギョソウの花言葉は「でしゃばり」「おせっかい」なんだった。


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