【ぶんぶくちゃいな】メルマガ250号記念番外編:舛友雄大「アジアの中からアジアを考える」
今回は、いつもちょっと違う切り口を探している「ぶんぶくちゃいな」で新たな視点を提供する「前振り」という意味で、最近ちらちらと日本メディアに姿を現すようになったジャーナリスト、舛友雄大さんをご紹介します。
舛友さんは1985年、福岡県北九州市生まれ。なんとわたしが中国語を学んでいた母校の北九州大学の最終学年にいたときに同じ街で生まれたことになります。詳しいプロフィールは本文添付のご紹介を御覧いただくとして、わたしは彼と北京で知り合って以来、同郷ということもあり、付かず離れずいろいろな話をさせてもらう機会に恵まれました。
その彼がわたしが北京を離れた1ヶ月後、今度はシンガポールに拠点を移し、もっと広い視野でアジアを観察し始めます。わたしも移籍したNewsPicksでも、アジア視点の寄稿者の一人としてアジア各地からの報告をしていただきました。
また、「Newsweek Japan」、「東洋経済オンライン」、「nippon.com」などでも独特の視点で執筆しています。特に東洋経済オンラインに8月に発表した「中国人の街『西川口』の変貌が凄すぎる」は、サイトの編集者がつけたであろうチャラく、前後の意味の通じないタイトルに比べて、中身の重厚さが際立っています。ぜひ、ご覧いただきたい記事です。
ただ、日本語の記事発表と共に、彼はアジアのメディアを中心に英語、中国語でも現地事情を執筆しています。英語や中国語で書くときに重要になってくるのは、その言語の執筆能力はもとより、もっと必要とされるのは視点をどこに置くかということです。
「日本人であるわたし」が求められる記事であれば別ですが、アジア事情をアジアの人たちに伝えるときに「執筆者が日本人であること」はそれほど重要ではなく、どこまで読者の好奇心に沿い、またその知的意欲に応えるかという必要がでてくるのです。
彼は若くして中国語、そして英語メディアの世界に単身で乗り込み、その「需要」を身に着けた。国際的な記事を書く時、言葉それ自体は通訳機などの普及で今後それほど重要な要素ではなくなり、逆にこうした「フラットな視線でものを見て、ものごとを伝える」技量が求められるようになるはずです。その一方で「日本メディアにおける日本人ありき」の視点はますます市場が狭まっていき、それこそ指一本で翻訳ができる時代においてそれになれきってしまうと「井の中の蛙」になりかねません。
その彼が前述の西川口の記事の発表後、突然「インドネシアにいます」と言ってきたもんだから、驚きました。「なんでインドネシアなの?」という問いかけに、「今後のアジア情勢にとってインドネシアが重要だからです」という、いつもの彼らしい、わかったようなわからないような答えが返ってきたので、「じゃあ、アンタがインドネシアを重要だと思う経緯を書き出してみなさい」と半命令口調で彼から記事を2本せしめました。
彼はね、直接話を聞くより原稿を書いてもらったほうが理路整然と語れる人なのです。
今回はその1本目を配信します。ちょっと短いのですが、彼がなぜ、インドネシアに渡ったのかを「自供」してもらいました。
それでは、わたしから投げかけられた「いま、なぜ、インドネシアなのか?」という質問への回答をまずご覧ください。
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