マイスターとイノベーターの違いがわからない経済メディアは、経済語るに及ばず。:《中華イノベーションの源泉 「緩さ」が拓く新・製造業 編集》(日経新聞)

中華イノベーションの源泉 「緩さ」が拓く新・製造業 編集(日経新聞)

笑った。全然わかってない。

違うんだよなぁ、独裁(専制)とテクノロジーが相性良いなら、シリコンバレーはどうなるよ? 

日独のメーカーに中国製造業の実力を聞けば、おそらく大半が「まだ道半ば」と言うだろう。職人技を尊び、何事にも几帳面(きちょうめん)な日独の目に中国の人や社会は緩くて「きちんとしていない」と映る。

これもおとぼけ。マイスターの「できあがっちゃった世界」とイノベーターの「これからなにか作ろう」という世界はまったく別の論理で動いていることに気がついていない。こういう視点だから、日本にはイノベーションが育たないのよ。

中国の「イノベーション」がどこから生まれたかをきちんと知ろうとせずに、日本メディア(日経含む)が大好きな中国政府だけ見つめて書かれた中国報道しか読まずに中国を判断しているからこういう論調になる。

中国の今のテクノロジーは、民間における「不足」「欲求」が生み、築き上げてきたもの。タオバオしかり、WeChatしかり、シェアバイクしかり。経1990年代に経済成長が進んだものの、「大きな範囲」を国が握り、民間は「小さな範囲」でしか自由を享受できなかったところに、21世紀に民がイノベーションを使って大改革を起こした。

水道代払うために国有銀行(中国の銀行は基本国有である)に30分以上並ばされていた人たちが、民間のイノベーションから生まれたアリペイやWeChatペイで指先一本で払えちゃうのだ。そういう利便性を国がまったく考えなかったところに、銀行に並ばされていた若者たちが自ら考え出した結果が今中国でITが栄えている現実だ。今のわたしたちが見ている中国のイノベーションは、中国人の民間が自分たちの生活を自分たちで変えた結果なのだ。

過去の経済発展におんぶにだっこの日経だからしゃーないけどね、日経のイノベーション記事が振るわないのもよく分かる。この記事みたいな考えが今の日本をダメにしてるんだよ。

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