【ぶんぶくちゃいな】本格的に語られ始めた上海脱出
中国政府がやっとポストロックダウンに舵を切ってから、そろそろ2週間が経つ。このところ、ニュースの面でも政治レベルでの経済会議だの、経済政策の通達などが続いており、「通常の生活を取り戻す」とされている6月ももうすぐだ。
だが、政府の掛け声とは裏腹に、メディアを通じて流れてくる現場の声はこれまでになく、悲壮なものばかりだ。
多少明るいニュースといえるのは、5月26日に発表された「阿里巴巴 Alibaba」(アリババ)の2022年第4四半期(2022年1月〜3月)収支報告発表で、その売上が市場の予想を超えたことくらいだろう。純利も市場の予測を上回ったものの、実質は昨年同期比24%減となっている。それでも翌日の香港市場におけるアリババ株は強気の取引が行われた。
だが、その収益の伸びは2014年の上場以来最も遅い伸びとなり、さらに上海のロックダウンが始まった今年4月はまさに今四半期の開始と重なっていることから、張勇・アリババCEOは今季の収益予測は行わないと明言する慎重な態度を見せた。
前回の原稿では最後に「政府はスイッチをオン・オフするだけで簡単に切り替えが効くものだと思っていたのだろうか」と書いたが、まさにその切り替えの難しさがこのところ、あちこちで語られている。いや、切り替えどころか、まるで違う世界に生きるようだという声もある。
それを如実に表すものとして、ある上海在住のコラムニストにその友人が語ったという言葉を引用してみる。
2ヶ月間、ゴーストタウンのようになった上海で暮らすうちに、こんなふうに彼女は現実感を失ってしまった。そして、コラムニスト氏はこう書いていた。
●スポーツジムに人が戻るのはいつなのか?
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