【ぶんぶくちゃいな】ガザ衝突と中米首脳会談:中国が抱える危うい「爆弾」

この原稿を書き始める直前に、来月米国で行われる予定のアジア太平洋協力(APEC)会議に出席するため訪米する習近平・中国国家主席とバイデン米大統領との首脳会談実現に向けて、米中両が正式に具体的な準備作業に入ることになったというニュースが伝えられた。

中国がAPECでの米中トップ会談実現を切望し、準備していたことは、すでに6月のブリンケン国務長官の訪中時に重要議題の一つになっていたから、特に「大ニュース」でもない。米国側もここ5年ほどねじれにねじれた中国との関係において、これ以上自分たちの策が期待したような効果をもたらさないことにも気づいており、来年の大統領選挙前になんらかの打開策を打ち出す必要を感じていたのは間違いない。

ただ、今回のAPEC会議は自国で開催されることもあり、米国には余裕があり、その本音とは別にかなりポーカーフェイスを貫いてきた。それでも今夏矢継ぎ早にブリンケン長官、そしてレモンド商務長官と閣僚が訪中した。どちらも両国の関係においては大きな前進をもたらしたわけではなかったものの、中国側はそれらを成果として持ち上げ、「米国の主要高官を訪中させた」こと自体がその満足度を示しており、秋のトップ会談準備に向けて手応えを感じていたのだろう。

そして、今週に入って王毅・外相が訪米し、ブリンケン長官となんと6時間も話し合い、その後バイデン米大統領とも面談して、具体的な準備を進めていくことが決まった。

その知らせは、外相就任以来ずっとその準備をトッププライオリティとして進めてきた元米国大使、秦剛の解任という前代未聞のショッキングな出来事は、完全に人々の記憶の彼方に押しやられてしまった。いったい、秦剛ってどんな役回りを演じたんだろう?


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