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英国駐中国大使館「香港問題に関する訂正と説明」

英国駐中国大使館は6月19日、「微信 WeChat」(以下、WeChat)に設けたその公共アカウントを通じて「香港問題に関する訂正と説明」と題した記事を配信した。記事は現在削除されているが、複数のウェブサイトに転載されている(その一例はこちら:https://bit.ly/2AJJFMu )。

以下、その内容を全訳した。中国側の典型的な主張を報道記事を引用し、それに対してコメントを付ける形で説明、訂正が行われている。なお、中国語記事で使われている「新国家安全法」とは現在、全人代常務委員会で審議されているとされる「香港版国家安全法」を指す。

言論:「英国は香港独立派を支持」

(澎湃新聞6月6日報道:https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_7734300

<英国側コメント>
 事実ではない。英国ははっきりと、一国二制度の枠組み下の香港を中国の一部であると認めている。英国はこの枠組が今後も続くことを望んでおり、またそれは香港の平和と繁栄のカギである。

言論:「中英共同宣言は歴史文書であり、現実の意義を持たない」

(中国新聞網6月10日報道:https://www.chinanews.com/gn/2020/06-10/9208845.shtml

<英国側コメント>
 中英共同宣言は国連の記録にも登録されている法的効力を持つ国際条約であり、1985年6月12日から現在に至るも有効である。
 この中英両国の間で結ばれた共同宣言は香港の高度な自治権を謳い、外交と防衛を除き、その権利と自由は50年(2047年まで)不変としている。
 宣言では、「香港が今有している社会と経済システム、そして生活方法は変わらない」と述べており、そこには「権利と自由」が含まれている。
 権利と自由な表現、独立した司法と法制度を含む中国側の約束は、香港が繁栄とその生活方法を維持するカギである。

言論:「香港事務は中国の内政である」

(新華社6月9日報道:http://m.xinhuanet.com/2020-06/09/c_1126089595.htm

<英国側コメント>
 世界の平和と安全を守るために、それぞれの国は国際法を尊重し、支持するべきである。
 新国家安全法は「中英共同宣言」における中国の国際社会に対する責任に背くものである。「中英共同宣言」は香港の行政、立法、そして独立した司法、高度な自治が2047年まで続くことを保障している。宣言は中英両国が同意し、また国連の記録に登録されている。それは今日に至るも有効である。
 新国家安全法はさらに香港の脆弱な社会システムを分裂させるリスクを負う。このため、我われはその他の国とともに中国に再考を促し、平和と和睦を取り戻す努力を求める。

言論:「西洋社会は米国の警察暴力に対して譴責を行わず、これはダブルスタンダードである」

(中央電視台6月6日報道:http://m.news.cctv.com/2020/06/06/ARTISswzuAIEDhQkROpSq1Tj200606.shtml

<英国側コメント>
 英国はそれがどこで起こっても、平和的デモの権利を支持する。香港に対して、我われは一貫してはっきりと平和的デモを支持しつつ、暴力的デモや公共物の破壊は受け入れられないと表明してきた。
 米国、英国、その他の国で起きた「Black Lives Matter」デモに対する我われの立場もそれに準じている。中国ではグレートファイアーウォールが敷かれ、中国の市民は英国のこの問題への対応を見ることができない。以下はその1つの例で、英国駐米国大使がツイッター上で彼女の態度を表明したものだ。

言論:「香港市民は新国家安全法の可決を歓迎している」

(中国新聞網6月13日報道:http://www.chinanews.com/ga/2020/06-13/9211365.shtml

<英国側コメント>
 確かに、一部の香港市民はこの法律を支持している。しかし、すべての人が支持しているわけではない。香港は700万の人口を持つ都市である。香港にある中央政府駐香港連絡弁公室が取り仕切る調査に参与したのは290万人(同市人口の半分未満)。もっと大衆的な新聞である「明報」の調査によると、香港市民の64%がこの法律に反対している。

言論:「全国人民代表大会は法律に基づいて運営されている」

(新京報5月28日報道:http://www.bjnews.com.cn/feature/2020/05/28/732551.html

<英国側コメント>
 新国家安全法は「香港基本法」に正当な法的根拠が存在せず、また「中英共同宣言」に背くものである。

言論:「外国の干渉が抗議活動を引き起こした」

(求是網5月30日報道:http://www.qstheory.cn/llwx/2020-05/30/c_1126052840.htm

<英国側コメント>
 香港市民の抗議は、彼らの生活方法と高度な自治が脅かされていることを心配して起きたものである。
 英国あるいはその他の国がある手段を使って抗議活動を組織したという物言いは間違っている。我われは中国が虚偽の非難を行うのではなく、国際社会と協力し、香港の繁栄発展を守ることを望む。
 まさに以下の英国首相の言葉のとおりである。
「英国は中国の台頭を阻止するつもりはない。逆に、我われは貿易においても、気候の温暖化においても、我われの利益が交錯するすべての問題について共同で努力していく。我われはお互いに尊重し、中国の世界における地位を認めた上で、現代的で成熟した関係を構築することを願う。これはまさに我われが中国が国際社会の主要メンバーになることを歓迎するからこそ、中国が国際協定を遵守するよう願うものである」

言論:「英国には偏見があり、香港の暴力行為を譴責したくないのだ」

(捜狐網6月9日報道:https://www.sohu.com/a/400772106_114731

<英国側コメント>
 英国は平和デモの権利を、それがどこで起ころうとも支持する。香港に対して、我われはずっと平和的デモを支持しつつ、暴力的デモ及び公共物の破壊は受け入れられないとはっきりと表明し続けている。
 我われが英国議会に提出した「香港問題半年報告」では、「英国は一貫してはっきりと、暴力的デモ及び公共物の破壊は受け入れられない」と指摘している。昨年7月1日に香港立法会が襲撃された際、当時の英国外交大臣は、「いかなる暴力行為も受け入れられない」と述べている。G7首脳会議では8月26日に共同声明を発表し、暴力行為の終息を呼びかけた。英国外交省の報道官は11月11日、「我われは継続する暴力事件に密接に関心を払っている」と表明した。
 英国首相はツイッターでの以下のような書き込みで、先週末(6月13日及び14日)に英国で行われたデモ活動において発生した暴力事件を譴責している。

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ふるまいよしこ
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