【ぶんぶくちゃいな】大学新卒1200万人! ますます激しくなる就職戦線の陰で…

8月15日、中国国家統計局は今年7月期の全国都市部の失業率が6月期より0.2ポイント上昇し、5.2%に達したことを明らかにした。統計局は、この上昇は主に大学新卒者たちが就職市場入りしたためだと説明した。

中国の大学新卒者は2021年夏には900万人を超え、22年には1000万人を、そして昨年夏は1100万人を超えた。さらに今年は1200万人を超えるとされており、1年ごとに100万人増え続けている計算だ。

だが、昨年6月期に大学新卒者を含む「16歳から24歳までの年齢層」の失業率が過去最高の21.3%に達したのを期に、国家統計局は同年7月期以降、年齢層別失業率の発表を取りやめた。その後12月に、「これまで分母に含まれていた在校生を除いた」形での年齢層別失業率の発表を再開した。

その数字は昨年12月で14.9%、今年1月が14.6%で、そして2月には15.3%と、5%前後を維持し続けている全体平均失業率に比べても飛び抜けて高いことがわかる。つまり、大学新卒者たちが就職市場入り時期であろうとなかろうと、16歳から24歳の労働人口における失業率は非常に高いレベルを維持し続けているのだ。

そこに今夏、新たに1200万人が労働市場入りしたわけだが、不思議なことに中国メディアの失業率記事はどこも肝心の若者失業率については触れられていない。その一方で、米「ウォールストリート・ジャーナル」や独「ドイチェ・ヴィレ」、香港「明報」など「境外メディア」はこぞって、今年7月期の同年齢層失業率が17.1%に達したとする「政府統計」を伝えた。

明らかに中国メディアにはこの数字に触れないように、当局筋から箝口令が敷かれていたのだろう。つまり、当局がわざわざ「整備した」はずの若者失業率ですら、「気まずい数字」であることを意味している。

さらに昨年は「慢就業」なる言葉も喧伝された。それは、「大学卒業後、急いで就職するつもりのない人たちの存在」の流布に利用された。しかし、そんな人たちにとっても、「慢就業」は就職事情の厳しさから「ほかに取るべき手段がない」ための選択肢でしかないことが、彼らの姿を伝える記事からもにじみ出ていた。

いや、そんな「慢就職」を選べる人たちは家庭的、あるいは条件的にまだ恵まれた人といえる。今年に入ってずっと中国の経済事情は悪化するばかり、明るい話題がほぼ流れてこない中で、そんな退路すらない人たちはいったいどうしているのだろうか?


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