【ぶんぶくちゃいな】スウェーデンの「災難」
先週日曜日、史上最大のスーパー台風に見舞われた香港から友人たちが次々とフェイスブックにアップしていたその惨状にまる1日見入っていたわたしは、夜になってふと開いた中国のSNS「微信 WeChat」(以下、WeChat)上で「瑞典」の二文字が待っているのに気がついた。
瑞典…スウェーデン? なにがあったんだ?
その時はすでにオンラインしているみなが大議論に入っていたのでそれを邪魔する前に、と何がそのソースになっているのかをまずたどり始めた。
最初に分かってきたのは、現地を訪れた中国人観光客がなにやらトラブルに巻き込まれたらしい、ということだった。そしてゆっくりと、それが成人した息子とその両親の中国人観光客3人で、スウェーデン・ストックホルムのホテルから警察によって担ぎ出され、「遠く離れた」墓地まで運ばれてそのまま放置されたというのが大まかな概要であることも分かった。
だが、子供ではない、大人3人がホテルから、それも警察によって担ぎ出されるとは、確かに尋常ではない。それもストックホルムのようなヨーロッパの大都市で、真夜中に、そして放置されたのが本当に墓地ならば、あまりにも特殊だといえる。一体なにがあったのか。
情報をたどってみると、いろいろな記事とともにこんな動画が目についた。(音声付きなので、場所とタイミングを考えて慎重にクリックしてください)。この動画は現場を目撃できず、またスウェーデンというちょっと馴染みにない国で何が起こったのかを知りたいと思う人たちにとって、ほぼ唯一の判断材料となっていることは明らかだった。
動画ではまず、警官2人が男性か女性かは分からないが誰かの手と足を持ってドアから担ぎ出している。そして聞こえてくるのは当事者の一人である息子らしい人が英語で「5時間ほど待つだけのつもりだったのに」とか「スウェーデン警察が人を殺してる!」とか感情的に叫んでいる声。そして彼の母親と見られる老女が号泣しているような声を出しつつも、ふと思い出したようにカメラを見つめて「助けて!」と泣き叫んでいる(でも実際には泣いているようには見えず、手元はずっと何かを弄っている)。
そしてホテルらしき場所から彼らと彼らの荷物らしきものを担ぎ出したものの、道端で大きな声をあげている彼らのそばに立ち、困ったようにそれを見つめる警察官たち…そして画面が変わると、公園のような場所に荷物とともに3人が縮こまっている。そこが議論されているように墓地なのかどうかはよくわからない。青々とした花壇が広がっているのが見えるだけだ。
それにしても、いったい、何がどうした結果こうなっちゃったの?
●政府プロパガンダ紙はかく語りき
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