【ぶんぶくちゃいな】「クルマ作りはしない」ファーウェイのクルマ作り
中国のニュースメディアで4月初め、精密機器メーカー「華為 Huawei」(以下、「ファーウェイ」)の創設者である任正非CEOが3月31日に全社員に向けて、「ファーウェイはクルマ作りはしない」、また「プロモーションや(車両の)外観上に『華為』や『HUAWEI』のロゴを入れてはならない」と強調する文書を配信したらしい、という報道がバラバラッと流れた。
どの記事を読んでも、その任CEOの語調がかなり厳しかった(らしい)ことに触れつつも、文書の配信に至った前後関係には触れられておらず、中にはただそれだけ数行書かれただけのものもあった。また、情報源をたどってみると、最初にそれを報じた経済メディアも、実際にその文書を手に入れたわけではなく、匿名の関係者からのリークを元に書かれていた。
一方でそれが流れる直前までファーウェイのクルマ作りに関するニュースは特に流れていなかったから、短いながらも多くのニュースメディアの目立つ位置に置かれたそれらは、驚きを持って伝えられる「ニュース速報」的なものであることは明らかだった。
その翌日あたりから次第に詳細な記事が出てきた。特に文書が配信された当日に行われた年度業績報告の記者会見で、当時の副董事長がはっきりとこう述べたことで、きな臭くなった。
「最近、ファーウェイの一部部門や個人、協力パートナーがファーウェイのブランドを濫用する傾向があり、現在調査しているところである。ファーウェイは車を作っていないし、いかなるブランドの車も生産していない」
さらに副董事長は、「今後、すべてのファーウェイフラグシップ店及び代理店に対して整理整頓を行っていく」と述べ、任CEOの文書は実際に起こっている事態への対応策であることを匂わせた。
つまり、あの文書はファーウェイ内部の「一部部門や個人、協力パートナー」に向けられたものだったのだ。だからこそ、「すわ、ファーウェイのお家騒動か?」とメディアは慎重に、しかしトップの場所にその第一報を置いたのだった。
●ファーウェイスマホ急成長の功臣
ここから先は
¥ 500
このアカウントは、完全フリーランスのライターが運営しています。もし記事が少しでも参考になった、あるいは気に入っていただけたら、下の「サポートをする」から少しだけでもサポートをいただけますと励みになります。サポートはできなくてもSNSでシェアしていただけると嬉しいです。