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【カフェ・リノベーション】韓国カフェ「Cafe suda(スダ)」を作ってみて

新潟市東区石山の韓国カフェ、
cafe suda(カフェ・スダ)の設計・施工を行いました!


Cafe sudaプロジェクトについて

オーナーの姜さんは
もともと韓国語教室やパッチワーク教室をこの場所で行われていました。

韓国の薬膳料理の知識を生かし、
現代の栄養の偏った食事とは違う
素材にこだわった健康的なメニューを提供したいという想いから、
韓国カフェのプロジェクトは始まります。

名前の「cafe suda」の「suda」には韓国語で
「しゃべり場」という意味があるそうです。

人が話したいときに立ち寄れるコミュニティの場を作りたいという想いから、元々、住宅として使っていた1階部分をカフェとして、リノベーションすることになりました。

まずは現地調査
大きさが限られているので、
どう厨房を作るか、考えます
障子戸から光が入ってきます。
色々な絵や植物が飾られていました
この本棚は活かせそう

代表コウダイさんの想い

新潟家守舎 代表のコウダイさんが大切にしていることとして、
工務店や建築家の視点ではなく、
クライアントの事業の視点に立つことを徹底しています。

何でもこだわると工事費が高くなるので
効果の薄いところは何もしない!
コスパの良い部分に特化する!
こういった思い切りも
ときには重要です。

適切な判断をするためにも
知見を持った専門家として現場を確認していきます

弊社のAMINARIのサービスの紹介です。
ぜひご覧ください

現場を見るスキルを
いつも学ばせてもらってます
今回もコウダイさんの視点・判断を基に
店舗の作り方・工事方法について、
ジャッジをしていきます

こちらのnoteにも色々なプロジェクト紹介してます!


建築の方向性の提案

まずは、与件整理から行います。

【与件】
・工事範囲は既存LDK・玄関のみに限定する
(今回は他の部屋に手を付けない)
・既存の設備をなるべく使い、設備コストを抑える
(キッチン・洗面台はそのまま利用、シンクを一つだけ増設)
・大工で工事を完結できるようにする

【新しくつくるもの】
・厨房と客席を分けるカウンター
・少しこもれるベンチスペース
・ワンオペでも効率良く運営するためのRの作業台
・照明は一部増設してお店らしい雰囲気
・部屋の大きさに合わせた簡易的なテーブル
(家具屋レベルのテーブルは作らない)

【手を付けないもの】
・床・クロスは張り替えない
・既存照明はそのまま使う
・食器棚や本棚はなるべく作らないで既存利用する

そして、この与件整理を基に
スケッチから空間作りをしていきます。

既存の本棚をそのまま利用して、
中のレイアウトをこだわれば
お店の雰囲気が作れるのではないか?というイメージ
厨房と客席を分けるカウンターのイメージ
厨房側は少し腰壁と吊り棚を作り、
厨房内への視線を散らすイメージ
腰壁を表し柱と同じ杉の羽目板にして馴染ませ、
また元々の押入を解体し、
少し籠れる飲食スペースにしようという提案
真ん中にRの大きなカウンターを設置して、
チヂミやキンパを作るときに使いやすく
動線の邪魔にもならない形状を提案

工事のプロセス

計画が概ねまとまり、工事を進めます。
定期的にチェックをして、工事状況や納まりを決定していきます。

小さい空間での工事なので、養生が大切。
まずは冷蔵庫を移動して、厨房のレイアウトを確認。
下駄箱があった壁に筋交いがないことを確認し、
開口することを決めます。
既存建具がそのまま利用するため
建具枠の納まりを現地で決めます
押入を解体。
ジプトーンの上からシナベニヤを上貼りして
大工工事で仕上げまで行います。
シーリングライトで明るくしていた空間を、
シンプルな裸電球と小さいスポットライトで補填し
光と影のバランスを整えます
玄関は窓がないので裸電球も追加で設置。
露出配線は棚板を設置してなるべく隠します。

空間の特徴について

もとの素材を活かしつつ、家具をリニューアルすることで、
落ち着いた、温かみのある雰囲気のカフェができました。

新しく作る家具の素材には
杉の羽目板材
シナベニヤ
パイン集成材
シンプルな照明器具
等、既存の床や建具と相性の良いものを選びました。

障子からの光に意識が向く
落ち着いた空間になりました
厨房側のカウンター席と
押入を改修したベンチ席
シーリングライトの明るさを落として、
新しく入れたスポットライトで
光と影を作ります
ベンチスペースは
ちょうど周りから見えないので、
意外とこもれて落ち着きます
1050mm×2050mmの幅広カウンター収納
下部を収納にし、コンセントもつけて皿や調理家電が入れられるように計画
天板はてかりの少ない、マットなグレーのメラミン。
大きい天板だと盛り付けもしやすいです
ご主人が作った陶芸の器
シンプルなテーブルでも器の存在感で味が出ますね
テーブルの脚・天板はパイン材に統一。
奥行を850mmに統一して、テーブルを繋げて大きくできるように。
集成材は反るので、裏に反り止めを施工。
キンパ、美味しかったです
野菜はほとんどオーナーさんの畑で取れた野菜だそうです
砂糖もなるべく使わず、黒酢で甘みの味付けをしているようです。
背景にすると映えますね
見るだけでも楽しい
かわいい看板
視線が客席の中まで抜けると、
人の気配を感じるので、
ほっとする玄関に印象が変わりました

まとめ

小規模な店舗リノベは思い切りが大切です。
建築的に
これは活かせそう、この素材なら馴染みそう、
こういった視点は
雰囲気のある空間を作ることや、コストを抑えることに繋がってきます。

今回は大工工事一点突破で進めたことで、
コストを抑えつつも、姜さんらしい温かみのある雰囲気が作れた
と思います。

クライアント
 Cafe suda(googlemap:https://maps.app.goo.gl/GfmMAwzvdbLHXTNi9
建築プロデュース・設計施工
 株式会社 新潟家守舎(https://niigata-yamorisha.com/)


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