コンクリートの呼び強度って何?

コンクリートの強度って、「耐久設計基準強度」や「調合管理強度」や「品質基準強度」などいろんな種類があって分かりづらいですよね。

ちょっと整理してみましたので、ご覧ください。

 まずは、JASS5に記載の用語の説明は以下になります。

設計基準強度:
構造設計において基準とするコンクリートの圧縮強度のことであり、構造体コンクリートが満足しなければならない強度のこと
耐久設計基準強度:
構造体および部材の計画供用期間の級に応ずる耐久性を確保するために必要とするコンクリートの圧縮強度の基準値
品質基準強度:
構造体および部材の要求性能を得るために必要とされるコンクリートの圧縮強度で、通常、設計基準強度と耐久設計基準強度を確保するために、コンクリートの品質の基準としてた定める強度
調合管理強度:
調合強度を定め、調合強度を管理する場合の基準となる強度で、設計基準強度および耐久設計基準強度に、それぞれ構造体強度補正値を加えた値のうち大きいほうの値

JASS5(2018)

これだけではなんだか分かりづらいので、それぞれ解説していきます。

設計基準強度」は、構造計算上に使われる圧縮強度です。

耐久設計基準強度」は、コンクリートの耐久性(中性化、表面劣化、鉄筋の腐食に対する抵抗性)を確保するために、設定された圧縮強度である。中性化深さと圧縮強度の関係から、超長期36N/mm2、長期30N/mm2、標準24N/mm2、短期18N/mm2と決められている。

設計基準強度は、構造計算に用いられる構造上必要な強度で、
耐久設計基準強度は、部材の耐久性を確保するための強度になります。

品質基準強度」は、設計基準強度と耐久設計基準強度のうち、大きいほうの値とする。

調合管理強度」は、品質基準強度に構造体強度補正値(S値)を加えた値となる。生コンの呼び強度(発注強度)と同じになる。調合された強度が、調合管理強度を満足すれば、品質基準強度をおおむね満足できることとなる。(構造体強度補正値(S値)は、材齢28日の標準養生供試体の強度と材齢91日のコア供試体の強度の差とする。)

コンクリートの配合計画書にかかれている呼び強度は、調合管理強度のことで、構造図に記載の設計基準強度とは異なるので注意が必要です。


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