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GV-LSMIXER/Iを使ってみた感想

どうも、岡山でライブ配信代行やラジオパーソナリティ、SNSを使った広報支援を行っているわのみん小橋です。久々の投稿。

今回、IO Dataさんのご厚意でライブ配信機器であるGV-LSMIXER/Iをお借りできたので、いろいろと弄り倒してみました。

まず結論から

・ウェビナーやゲーム配信など、特定用途であればかなり使いやすくて便利!
・iPad単体で画面の作りこみがある程度できるのは、かなりありがたい!
・しかもインターフェイス、超わかりやすい!
・トーク番組やイベント配信だと、使える現場は少ないかも?
・今後のファームウェアアップデートでの改善に期待。超期待!

ということで、この結論に至るまでの経緯をご説明いたしましょう。

○GV-LSMIXER/Iとは?

まず、どんな商品なのか簡単にご紹介します。

公式サイトには「4Kパススルー対応 iPad連動型ストリーミングBOX」と書いてますね。

Amazonでは116,000円(2021年4月23日21時現在)

スイッチャーでもエンコーダーでもないし、スイッチャーでもエンコーダーでもある。それがストリーミングBOXという名称に表されてるんじゃないでしょうか。

Blackmagic DesignのAtem miniシリーズやRolandのV-1HDのように、入力されているカメラを切り替えてカットを割っていくのではなく、OBSのようにシーンを作っておいて、そのシーンを切り替えていくシステムなんですね。

それに加えて、RTMPやRTMPS形式の配信プラットフォームであれば、これ単体(+iPad)で2つのプラットフォームまで同時に配信できるというエンコーダー機能も付いてます。

例えばYouTube LiveとFacebook Liveに同じ映像を同時に送って配信ができます。これはかなり便利。私は今、同時に3つのプラットフォームに配信できるLiveshell Xというハードウェアエンコーダーを使ってますが、正直同時に3つという案件は少ないです。でも2つという案件は結構あることを考えると、現状にマッチした商品と言えるでしょう。

ちなみにPC不要で配信できる…というのが売り文句ではありますが、iPadは必要なのでご注意を。

○前段

今回、お借りできることが決まった段階で、到着前にGV-LSMIXER/Iの設定を行うiPadのアプリ、LIVEACROSSをインストールしました。

ところが問題発生です。私の持っている初代iPad Airは動作対象外!一応は試してみたんですが、アプリが落ちるばかりして使用できませんでした。

しょうがないなぁ。本当は要らないけど?ほら?せっかくお借りするのに、使えないのは困るでしょ?そりゃ買うしかないよね?何買おうかなー♪

というわけで知り合いの中古携帯ショップに問い合わせてみると、その時は在庫がなかったんですが、数日後、程度のいいiPad Pro(11インチ初代)が入ったという連絡がきたので即買いしました。いや十分業務に使えますありがとうございます。ついでにケースやらApple Pencilに似た格安のペンデバイスやら、Bluetoothキーボードやらを購入したら、かなり仕事が捗るようになりました。いいきっかけをありがとうございます。でもM1シリコン搭載のiPad Proも欲しいです♪

話がそれましたが、とにかくiPad Proを入手できたので、改めてLIVEACROSSをインストール。そうこうしてる内に、本機が到着したので、いろいろと試してみました。

○まずはシーンを作ることが必要

一番に行ったのは、自分が主宰しているトーク番組に使えないかのテスト。
https://youtube.com/playlist?list=PLtQzupjaXel1z46V59DcKXmR-0KX7UvPC
第1、3水曜にやっている岡山しゃべろう夜という番組です。

普段はAtem mini Proか、Atem mini Extreme ISO+Liveshell Xの組み合わせ。
3カメ+動画再生でやることが多いですが、2カメになってもいいかと思って設定を開始してみました。ところが、どうも勝手が違うんですね。

Atem miniとかSwitcher Studioというアプリのように、カメラを切り替えつつ、テロップ関連とか、PinPは別系統で設定することに慣れていたせいか、ちょっと混乱しました。

どうやらOBSと同じく、事前にシーンを作っておいて、本番ではそれを切り替えていく仕組みのようです。それを理解した後は、かなりさくさく設定できました。

シーンの設定

あと、すごいなと思ったのは、これ、本体に繋げなくても設定だけならiPad単体でできちゃうんですね。

iPad単体でクライアントさんの所に行って、あーだこーだ打合せながら画面を作りこんで、本番の時だけ、本体に接続するって使い方もできるし、電車待ちの時とか、電車に乗ってる時とか、次の予定までのちょっとした空き時間に、作りこんでいくってことも可能。これば便利!

さらに、これは実際に使ってみれば実感できると思いますが、かなり直感的に設定できるので、操作も簡単!テンプレートが入っていて、それを利用してもいいし、本格的にやりたければPhotoshopやIllustratorで作りこんだ画像をiPadに取り込んで使用することも可能。初心者からプロユースまで活用できそうだという印象です。

○コーナーの多い、マルチカメラのトーク番組には使えないかも

ここで一つ問題が発生しました。シーンが8つしか設定できない!

OBSをお使いの方だったらイメージできると思いますが、シーンというのは、映像を使うカメラ、テロップ、使用する音声なんかを1つのシーンとして設定しておいて、それを切り替えることでテロップを変えたり、カメラを切り替えたりするわけです。本機では音声は全て共通で設定できますが、カメラや画面構成、テロップなんかはシーンごとに設定する必要があります。

メリットとしては、かなり凝った画面作りができることなんですが、デメリットとしては、カット割りもテロップも画面構成も考えた上で、必要な分だけシーンを作っておかないといけないんです。

となると、2カメで切り替えて同じテロップをキープする場合、4種類のテロップしか使えない。蓋画も用意するとさらに減る。コーナーがいくつもあって、その度にカットを割って、テロップも切り替えるという自分の番組ではシーンが足りなくて使えないという結論になりました。残念。

でも逆に言えば、コーナー数が少なくて、テロップが少なければ、かなり便利に使えるってことですよね。

○ウェビナーには最高じゃない?

気を取り直して、次に気になってテストしたのは、最近案件として増えているウェビナー。

これはかなりマッチしました!特にリアル会場とハイブリットで行うウェビナーとは、かなり親和性が高そうです。

HDMI1は通常の配信画面を外部モニターに出せるプログラムアウトのほかに、スルーアウトという、入力された画面をそのまま外部に出せる端子が付いています。ですからHDMI1にPC(もちろんMacでも可)を突っ込んで、スルーアウトでプロジェクターに写しつつ、配信では、PinPなんかの画面をLIVEACROSSを駆使して作りこんで、シーンを変えながら見せていくと、かなりかっこよくて伝わりやすいウェビナーにすることができるはず!

実際、試しに簡単なスライドを作って、テストしてみたら、いいじゃんいいじゃん!これは提案に使える!

ちなみにHDMI2はA/Bに分かれていて、シーンを作る時に分けて設定していると、プレビュー表示の時は片方がグレーになってしまうんですが、まぁ、固定カメラをそこにあてて、商品なんかをアップにするカメラをプレビューできる方にセッティングしていれば、十分実用に耐えられそうです。となると、PC+カメラ2つの3入力として使える。これはいい!

○ゲーム配信にも最適!

HDMI1は4Kスルーで出力できるので、ゲーム配信にも最適!残念ながら、ゲーム配信はしたことがないんですが、いろんなゲーム配信を見ていると、スルーアウトは必須のようだし、ゲームの画面+PinPで顔出したり、コントローラー部分のアップを見せたりしてる。さすがにゲームしながら操作は厳しいとは思うので、オペレーターが別に一人必要かもしれないけれど、かなりかっこいい画面で配信することができるし、配信設定も簡単だし、YouTubeとTwichの両方に同時配信する、なんて使い方も便利だと思います。

○用途はアイデア次第なのかも

そんなこんなでいろいろ使ってみた結果、今、自分が抱えている案件と照らし合わせると、ウェビナー関連がやはり一番フィットしそうです。これを使えば、打合せから現場でのオペレーションまで、Atem mini Proのメディア機能+DSKでテロップを出したりPinPの設定をするよりも、事前準備の工程が少なくなりますし、打合せも先方にイメージしてもらいやすそうです。

シーンを事前に作りこんでおけるとなると、本番のオペレーションも楽なので、かなり使いやすそうですね。HDMIキャプチャーを使ってPCに取り込めばZOOMでも使えますしね。

その他の用途も私が思い浮かばないだけで、アイデア次第ではきっといろいろ活用できる場面はあるんだと思います。単体で使うことを想定して試してみましたが、他のスイッチャーと組み合わせて使えば、特にリアル会場とのハイブリットイベントなんかでは、かなり便利に使えそうだと思います。スルーアウトは本当に便利!

ちなみに小さなピアノ発表会とか、これを使えば便利かもと思って、企画し始めてます。いや、まだ買ってないんですけどね(笑。企画が通ったら間違いなく買うでしょう。金額的にもペイできそうな感じです。お願い通って。

〇購入をおススメする方

というわけで、どんな方が本機にマッチするのか考えてみました。

価格を考えると、単に趣味で配信される方向けではないですよね。プロユースだと思います。ですから、
・ウェビナーをバリバリやってる方
・ウェビナーの配信代行をされてる方
・ゲーム配信を力を入れてされてる方
・リアル会場とライブ配信とのハイブリットイベントの配信代行をされてる方

この辺りの方は一考される価値はあると思います。

〇マッチしないかな?って配信

逆に、本機だとちょっとオペレーションしづらいかな?と思う配信タイプも考えてみました。

・大規模イベントのライブ配信
・コーナーやテロップの多いトーク番組やバラエティー番組の配信
・ライブなどのカット割りをガシガシやるタイプの配信

これらは、シーンじゃなくてカメラを切り替えるスイッチャーの方がやりやすそうです。

○あらためて結論

というわけで、改めて以下の結論に至りました。

・ウェビナーやゲーム配信など、特定用途であればかなり使いやすくて便利!
・iPad単体で画面の作りこみがある程度できるのは、かなりありがたい!
・しかもインターフェイス、超わかりやすい!
・トーク番組やイベント配信だと、使える現場は少ないかも?
・今後のファームウェアアップデートでの改善に期待。超期待!

そう、最後に書いたように、ある程度まではファームウェアアップデートで対応できそうな気配も感じられるんですよね。ハード的にどうにもならないこともあると思いますが、ソフトウェア的に便利になるなら大歓迎!使える現場も増えてくると思います。


○改善を期待する点

ということで、今後のアップデートだったり、次期機種だったりに期待したい、本機の不満点を挙げておきたいと思います。何様なんでしょう。個人的な意見なので許して下さい。

・シーンが圧倒的に足りない。
 せめて2倍、できれば4倍は欲しい。そうするとトーク番組での活用の道が見えます。ハード的には8つのボタンしかないので、ソフト的に、バンクA~Dまでタブで切り替えて4倍になれば最高です。
・コンセントのアース形状
 アースも含めて突き刺すタイプのコンセントよりも、アース線がびろ~んってなるタイプの方が、持ってる機材にフィットするってだけです。すみません。アダプタが付いてると助かります。
・ファームウェアアップデートでUSBメモリーがいること
 めんどくさがりなんです、すみません。パソコンとUSBで繋いでアップデートできると手間が省けるし、いざという時に現場でもアップデートできるかなーなんて。
・XLRとファンタム電源欲しい
 これはハード的な話なんで現行機種では不可能ですが、ライブ配信してる方でXLR⇒フォンのケーブルでマイク繋げている人は見たことないんですよね。最近はコンデンサーマイクも安くなっていて、使ってる方が多いですし、ぜひ次期機種がでるのであれば、XLR入力とファンタム電源をお願いします!
・どうせならHDMI3入力欲しい。
 HDMI2がA/Bで分かれてるくらいなら、HDMI3を作って欲しいという素人的な考えです。パソコンorゲーム機+2カメの構成が使えると表現の幅が増えると思うのです。
・録画したい
 リアルタイム収録のニーズは結構多いんです。あと、配信したものを動画データで欲しいってお客様も多いです。SSDとかSDカードをつなげて録画できたらありがたいなと。前後の余分と、言い間違えだけカットしてから、YouTubeにアップという流れもあるので、さくっと録画できると非常に楽になります。IO Dataさんなら出来そうという期待も込めて。
・Webカメラとしても認識して欲しい
 ZOOMウェビナーに対応させるには、HDMIキャプチャーを使ってプログラムアウトを出すしかないので、USB接続でWebカメラとして認識してくれれば、さらに便利かなーと。プログラムアウトはモニターにつなげておいて、USBでPCに送れると、現場的にも助かります。
・基本図形の描画と色設定までできれば最高
 四角と丸角の四角、あと丸と三角くらいの描画と、色設定が(できれば透明色も含めたグラデーションも含めて)できれば、簡単なテロップをLIVEACROSSで完結させられるかなと。凝ったテロップは必要ないけどテロップは欲しいという案件も多いんですよね。これができたら、まさに打合せでの画面作りこみがかなり捗ります。
・電源スイッチ
 これは誤動作を考えると諸刃の剣ですが、ゲーム配信とかウェビナー配信の場合、カメラも配線も据え置きにするシチュエーションも多いんですよね。電源ケーブルを外さないと電源が切れないとなると、手間がかかるし、抜き差しによる破損も怖いので、スイッチあると助かるなレベルです。
・LIVEACROSSとの接続の安定性
 SafariでYouTube Studioにアクセスして、そこからストリームキーやサーバアドレスをコピペするんですが、アプリを切り替えてる途中で、本体との信号が途切れて、入力がクリアされてしまうことが何度かあったんですよね。小さいことですが、小さなストレスになりました。
・iPadのケースを外さなくてもできる方法はないものか
 本体のiPadスタンドに立てようと思うと、ケースを外さないとハマらなかったんですよね。現場の度にケース外すのは面倒くさいので、次期機種ではなんとかケースのまま使用できて、かつケース付けない方でも安定して設置できる方法にしていただきたいです。単なるわがままです。

〇まとめ

というわけでつらつらと書いてきましたが、個人的にはかなり気に入りました!少しでも購入を検討されてる方の参考になってると嬉しいです。

ちなみに今回お借りしてから今まではウェビナー案件がなかったので現場投入はしておりませんが、そういった案件があれば即投入してみたいです。返却までもう少し時間があるので、ご依頼お待ちしています(営業トーク

ぜひ一緒に画面を見ながら、あれやこれや言いながら画面構成作りましょうよー!絶対楽しいですってば!

もう一度今回紹介した商品です♪


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