父親との別れ

小さな時にもらった沢山たくさんの恩や借りを返すと幾度となく決めては裏切り過ごし続けた約50年。

借りっぱなし、貰いっぱなしのそれは
とうとう直接返すことのできないものになってしまった。

長男で嫁をもらい、両親との二世帯を構える予定で親が家を建て直したが、妻の当時の想いと子どもを優先して、若気の至りで家を飛び出し、兄弟を残して妻の実家の方へ引っ越し自分の両親から目を背け、離れてしまった。

家を飛び出し、ある意味裏切ってしまった私にも寛容に許してくれた。
生前、親父はよく言っていた。

お前には自由しか与えてあげられない。
だから好きにやれ。

…………

なかなかすぐに会うことのできない距離。
死に目にすら会う事が叶わなかった。

頭の中で残り続ける罪悪感。
親不孝なことばかりの人生。
沢山の後悔と人生の分岐点での自分の判断が正しかったのかどうかの自問自答。

そんな中でも親父の遺影はニッコリ微笑んでいる。

2月7日の通夜を迎える朝にふとニュースを見てた時に流れた新曲のリリース情報。

TUBE & GACKT
サヨナラのかわりに

曲の一部分を聴いただけで気持ちが溢れて涙。
すぐにiTunes Storeで曲を買い、それを兄弟で聞き涙。

今日の告別式でしっかり親父を見送って安心してもらえるよう今ある自分の気持ちを伝えたいと思う。

本当にありがとう。